子どものころの怖い話
少年

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673 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/08/09(火) 00:22:50.26 ID:edXWTvBT0
そんなことが連日続き、両親は俺を精神・心療内科のある県外の大学病院に連れて行った。
大きな機械で脳波測定をしたり、様々な問診をした結果、俺は特に問題なしとの診断を受けた。
両親はてんかんを疑っていたようだが、俺にその気はなく、とりあえず夜驚症用の薬と、
症状が続くようであればまた受診してほしいとの旨の言葉を貰って俺は自宅に帰ることとなった。
つまり、医者にも原因はよくわからないというのが結論だった。
落胆と不安から帰りの車内は重苦しい空気に包まれていた。
それでも、一日中様々な機械に通され疲れの溜まっていた俺は、いつの間にか眠りについていた。

そこで、俺はまたあの夢を見た。真っ暗な箱の中に閉じ込められている夢だ。
「(また、この夢か)」諦めにも似た心境でぐっと恐怖を堪えていると、いつもとは違う事が起きた。
ゴン ゴン、と箱の外から音が聞こえてくるのだ。まるで、この箱の中にいる俺を助けてくれるかのように。
俺は必死に「助けて!!」と叫ぼうとするが、声は出ない。
やがて、そのゴン ゴンという音も小さくなり、「(あぁ、やっぱり誰も助けてくれなかった)」と思った矢先に、
箱の天井がゆっくりと開いた。

目を開くと母親が俺の体を揺さぶっていた。

「あ、やっと起きた。ずいぶん長い事寝ていたわね。家に着いたから早く車から出なさい。」

県外の病院から自宅に戻るまでの数時間。俺はずっと眠っていたらしい。

675 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/08/09(火) 00:26:12.81 ID:edXWTvBT0
寝ぼけたまま、母親の指示に従って家に入る。
ジュースでも飲んで眠気を払おうと、冷蔵庫からサイダーを取り出していると、
先にリビングに入ってTVを見ていた父親が「酷い事をする親もいるものだなぁ」とつぶやいたのが聞こえた。
何故か、そのつぶやきが異常なほど気になって、冷蔵庫を開けたままリビングに飛び込むと、
案の定TV画面には見覚えのある団地が写されていた。
無機質なアナウンサーの声が頭の中で反響し、ぐらぐらと足元がおぼつかなくなる。
それに気付いた父親が俺を慌てて支えると、そのニュース番組は山中からブルーシートで隠した何かを運び出すシーンに移り変わった。

「遺体は死後一週間ほど経過しており、○○容疑者の供述通り△△市の山中から発見されました。
少年の遺体は大型のクーラーボックスに入れられたまま埋められており、
警察は○○容疑者の内縁の夫である□□容疑者も事件に何らかの関与をしていたとの見解を強め捜査を続けています。
また、少年の体には生前に受けたとされる打撲や擦過傷が数多く残されており、
警察は日常的に虐待や少年に対する暴力があったとして取り調べを強化しています」

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