子どものころの怖い話
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廃屋のかくれんぼ
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出て来たのはC君です。
そこが収納スペースだったのか、たんに床板が脆くなって外れたのかは覚えていませんが、C君は廊下の床板を持ち上げ、その下のスペースに隠れていたのです。
「そんなところに隠れてたの!?すげえ!」と皆が声を挙げました。
次の瞬間、「わぁーーーーーーっ!!」という悲鳴を上げて、C君が駆け寄ってきました。
C君は自分が隠れていた床部分を指差し、「あれ、なんだよ!」と怯えています。
私たちは廊下にポッカリと空いた穴に近寄りました。
真っ暗な穴の中を玄関から入る陽の光で照らして覗き込むと、そこには、3cm程の小さな「人形の右手だけ」がギッシリと敷き詰められていました。
私たちは悲鳴・驚嘆の声を上げ、一斉にその場から逃げ出しました。
それ以降もその廃屋で幾度となく遊んだとは思うのですが、もう全く覚えていません。人形の手が、何故あんな場所に、あんなに大量に有ったのかもわかりません。
ただあの床の穴を覗いた時の光景は、今でも鮮明に覚えています。
そして今では、「どこー?どこー?」という声の主は、あの右手を探していたんではないかと思っています。
【終】
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