子どものころの怖い話
子供に見えるモノ

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家の中には入るつもりになれば入れるんですが何しろ床がどうなってるのか危ないので、
外側からぐるぐるじろじろ、みんなで口々にあれこれ囁きながらいろいろ覗きました。
そのときふと、Aちゃんの息子(小学校低学年)が「あ!」と小さく叫んで駆け出しました。
バルコニーを駆け下りようとするのでもちろん慌てて皆で叱りながら追いかけたんですが、
子供は身軽であっというまに庭へ下りてしまいました。

何度も言いますが庭なんかはもう藪みたいなことになっているので危ないです。
Aちゃんの旦那さんが男の子の名前を呼びながら追い掛けて、私たちはひとまず家から下りることにしました

273 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 15:38:38 ID:ym2GK1ah0
夏だったら本当に緑萌えてしまっていてとても庭なんか行けなかったと思いますが、
幸か不幸か結構枯れてたのですね。
あぜ道まで下りてしばらく待っていると、Aちゃんの旦那さんが息子の首根っこを掴んで下りてきました。
息子ギャン泣きです。
ちょうど反抗ざかりで暴れたいさかりなので中々生意気なことを言いながらお父さんに反発しています。

なんとなく微笑ましい思いでそれを聴きながら「じゃあ今日はこれでおしまいねー、皆で帰ろうねー」
と言って女の子(いとこの子供は姪じゃないですよね、なんだろ)の手を握って歩き出そうとする私の耳に、
息子の訴えが届いてふいにぞっとしました。
「だってー、温室に子供がいたんだもーん!」

もちろんいるわけないのです。
お父さんも「そんなわけないだろ!」とはなから相手にしていません。
Aちゃんの息子はB型のサガかもともと興味のあることには猪突猛進して周りが見えなくなるタイプなので
(ちょっと多動気味)温室に興味が湧いて夢中で駆け出してしまったのを、何か理由をつけて言い訳しているのでしょう。
「人がいた」というのは思いつきやすい理由です。

「いたんだもん、ほんとだもん、声もきこえたもん」
しかし息子は引きません。
これ以上続けても押し問答になるので真実は問い質さないことにして、とにかく私たちは車に乗り込みました。

274 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/28(日) 15:53:35 ID:ym2GK1ah0
ちなみにAちゃんの子供は一番上が女の子、息子、さらに小さい女の子です。
私は一番小さい女の子を膝に乗せて「こわかったねー、面白かったねー」と言いながら髪を撫でたりしていました。
「今日はおねえちゃん(私)もお母さんもいたからいいけど、子供だけで行っちゃ絶対だめだよー」
そう言うと女の子はこっくりと頷きました。お兄ちゃんに似ず、おっとりとしたおとなしい子です。
はにかみやさんで普段あんまりお話もしてくれないのですが、そのときはぽつりと言いました。

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