人形にまつわる話
ナラバシネ!
この怖い話は約 2 分で読めます。
昔ラヂオで聞いた話。
人形好きなおばあさんがいたそうな。
おばあさんには身寄りも無く一体の人形だけが友達であり、家族であった。
いつもの用に家事をしながら、おばあさんは一点を見つめて座り続ける人形に言った。
「毎日座ってたらつまらんだろう。あんたも歩ければ良いのにねぇ!」
翌日から人形は歩き始めた。その代わりおばあさんは歩けなくなった。
それでもおばあさんは人形を可愛がった。無言で歩き続ける人形にむかっておばあさんは言った。
「どこに行くの?答えられないか。あんたもしゃべれたらいいのにねぇ」
翌日から人形はしゃべり始めた。その代わりおばあさんはしゃべれなくなった。
さすがに歩けず、しゃべれない状態でおばあさんは苦しかった。
誰かに助けて欲しかった。目の前でケタケタ笑いながら歩いている人形を見ながら
心の中で思った。
「この子が人間だったら、世話をしてもらえるのにねぇ」
・・・「ナラバシネ!」
人形はおばあさんを殺して人間になった。