厳選怖い話
遺言ビデオレター

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ヴーーーという音とともに、真っ暗な画面が10秒ほど続く。
あれ?撮影に失敗していたのか?と思った瞬間、真っ暗な中に
突然Kの姿が浮かび上がり、喋り始めた。
あれ、俺の部屋で撮ったはずなんだが、こんなに暗かったか?

「えー、Kです。このビデオを・・るということは、僕は・・んで
しまっ・・いう・・ります。○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、
今まで本・・ありが・・・」

Kが喋る声に混ざって、さっきからずっと鳴り続けている
ヴーーーーーーという雑音がひどくて声が聞き取りにくい。

「僕を育ててくれたお父さん、お母さん、
それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、
どうか悲しまないでください。僕はズヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアア××(娘の名前)、お父さん死んじゃっヴァアアアアアアア
アアアアアア死にたくない!死にズヴァアアアアアアアにたくないよおおおおヴヴァアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、ザッ」

背筋が凍った。
最後の方は雑音でほとんど聞き取れなかったが、Kの台詞は明らかに撮影時と違う
断末魔の叫びのような言葉に変わり、最後Kが喋り終わるときに
暗闇の端から何かがKの腕を掴んで引っ張っていくのがはっきりと見えた。

これを見た親族は泣き叫び、Kの奥さんはなんて物を見せるんだと俺に掴みかかり、
Kの父親は俺を殴りつけた。奥さんの弟が、K兄さんはいたずらで
こういうものを撮るような人じゃないとなだめてくれたおかげで
その場は収まったが、俺は土下座をして、すぐにこのDVDは処分しますと
いってみんなに謝った。

翌日、DVDを近所の寺に持っていったら、処分をお願いしますという前に
住職がDVDの入った紙袋を見るや否や「あ、それはうちでは無理です」と。
代わりに、ここなら浄霊してくれるという場所を教えてもらい、行ったが
そこでも「えらいとんでもないものを持ってきたね」と言われた。

そこの神主(霊媒師?)によると、Kはビデオを撮った時点で完全に地獄に
引っ張り込まれており、何で半年永らえたのかわからない、本来なら
あの直後に事故にあって死んでたはずだと言われた。

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