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予知・予言

神の袖

327 神の袖 sage 2011/07/22(金) 02:34:24.40 ID:3FcoHdSR0
俺は、幽霊は信じているけど霊感は無い、零感と呼ぶにふさわしい男だった。

俺が以前住んでいた地域には、数百年前から伝わる、伝統ある祭事が行われてた。
毎年、各地区から選ばれた子供がお連れと共に神社で奉納する、といったもの。

小学生のころ、その年の家に選ばれたので、長男である俺が出ることになったんだ。
その日は朝早くから起きて準備して、滞りなく行事も終わった。

それ以降、何やら予知夢みたいなものを見るようになったし、懸賞に当たったり、
小学生ながら、運気が上がった気がしてた。
328 神の袖 sage 2011/07/22(金) 02:38:30.41 ID:3FcoHdSR0
運気が上がっただけでなく、命の危機を免れたこともある。

昼過ぎ、下校途中に信号が青になったので横断歩道を渡ろうとしたら、
真後ろから「コケコッコー!」と声が聞こえたので
「なんでこんな時間にニワトリの声がするんだよw」と思って後ろを振り返ったら何もいない
で、前を向いた瞬間にトラックが信号無視で横断歩道を横切ったりとかね

我ながら命拾いしたと思った

でも、小学生だからビビっただけでそこまで深く考えない
いつもどおり家に帰った

332 神の袖 sage 2011/07/22(金) 03:00:25.77 ID:3FcoHdSR0
時は少し飛んで俺が中学生のころ。
次の日が休みだってことで夜更かしして、
夜の2時ごろにトイレに行った後に洗面所で手を洗おうとしたんだ。

手を洗って、ついでに顔を洗って、顔をあげてみた。
すると、鏡に映った、俺の後ろの存在する柱。
そこに、なにかが貼りついてた。

俺の見ていた、鏡に映った風景を表すなら

  ———————
  | |        |
  =つ|        | (俺の顔)
  | |    壁   | 
  |柱|        |
  | |        |
  | |________| 

こんな感じ。

分かりにくくて申し訳ないんだが、
俺は目が悪いのでこんな風にぼんやりとしか見えなかったけど、でも確実に何かがある!と思った。
いつも見慣れてる鏡の中の風景だしね。

今まで幽霊とか見たことなかったのに、いきなりの、しかも相当不意をつかれたファーストコンタクトだったので、
全身がものすごい総毛だった。

333 神の袖 sage 2011/07/22(金) 03:07:19.84 ID:3FcoHdSR0
でも、貴重なファーストコンタクトだ。
絶対にそれから目をそらさずに眼鏡をかけてみたら、何かが貼り付いてると思ったのは勘違いだった。
手が、柱の向こうから伸びて来てたんだ。

「柱の向こうに何かいる!」
そう思って、どうしようか迷っていたんだが、
その手を良く見ると、何やら神主とかが来てる正装?の袖みたいなので、
裾のところに紫色の線が入ってる服だってことに気が付いた。
そこから生えてる手は、色白で細かったが男か女かは分からなかった。

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師匠シリーズ

写真

437 写真 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:23:06 ID:3rNkYIQb0
大学2回生の春ごろ、オカルト道の師匠である先輩の家にふ
らっと遊びに行った。
ドアを開けると狭い部屋の真ん中で、なにやら難しい顔をし
て写真を見ている。
「なんの写真ですか」
「心霊写真」
ちょっと引いた。
心霊写真がそんなに怖いわけではなかったが、問題は量なの
だ。
畳の床じゅうにアルバムがばらまかれて、数百枚はありそう
だった。
どこでこんなに! と問うと、
「業者」と写真から目を離さずに言うのだ。
どうやら大阪にそういう店があるらしい。
お寺や神社に持ち込まれる心霊写真は、もちろんお払いをし
て欲しいということで依頼されるのだが、たいてい処分もし
て欲しいと頼まれる。
そこで燃やされずに横流しされたモノが、マニアの市場へ出
てくると言う。
信じられない世界だ。

438 写真 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:24:13 ID:3rNkYIQb0
何枚か手にとって見たが、どれも強烈な写真だった。
もやがかかってるだけ、みたいなあっさりしたものはない。
公園で遊ぶ子どもの首がない写真。
海水浴場でどうみても水深がありそうな場所に無表情の男が
膝までしか浸からずに立っている写真。
家族写真なかに祭壇のようなものが脈絡もなく写っている写
真・・・
俺はおそるおそる師匠に聞いた。
「お払い済みなんでしょうね」
「・・・きちんとお払いする坊さんやら神主やらが、こんな
もの闇に流すかなあ」
「じゃ、そういうことで」
出て行こうとしたが、師匠に腕をつかまれた。
「イヤー!」
この部屋にいるだけで呪われそうだ。
雪山の山荘で名探偵10人と遭遇したら、こんな気分になる
だろうか。

439 写真 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:25:56 ID:3rNkYIQb0
観念した俺は、部屋の隅に座った。
師匠は相変わらず眉間にしわを寄せて写真を眺めている。
ふと、目の前の写真の束の中に変な写真を見つけて手に取った。
変というか、変じゃないので、変なのだ。
普通の風景写真だった。
「師匠、これは?」
と見せると、
「ああ、これはこの木の根元に女の顔が・・・あれ? 
ないね。 消えてるね」
まあ、そんなこともあるよ。
って、言われても。
怖すぎるだろ!
俺は座りしょんべんをしそうになった。
そして部屋の隅でじっとすることし暫し。
ふいに師匠がいう。
「昔は真ん中で写真を撮られると魂が抜けるだとか、寿命が
縮むだとかいわれたんだけど、これはなぜかわかる?」

440 写真 ウニ New! 2006/06/03(土) 12:27:05 ID:3rNkYIQb0
「真ん中で写る人は先生だとか上司だとか、年配の人が多い
から、早く死に易いですよね。昔の写真を見ながら、ああこ
の人も死んだ、この人も死んだ、なんて話してると自然にそ
んなうわさが立ったんでしょうね」
「じゃあこんな写真はどう思う」
師匠はそう言うと、白黒の古い写真を出した。
どこかの庭先で着物を着た男性が3人並んで立っている写真
だ。
その真ん中の初老の男性の頭上のあたりに靄のようなものが
掛かり、それが顔のように見えた。
「これを見たら魂が抜けたと思うよね」
たしかに。本人が見たら生きた心地がしなかっただろう。
師匠は「魂消た?」とかそういうくだらないことを言いなが
ら写真を束のなかに戻す。
「魂が取られるとか、抜けるとかいう物騒なことを言ってる
のに、即死するわけじゃなくて、せいぜい寿命が縮むってい
うのも変な話だよね」
なるほど、そんな風に考えたことはなかった。

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師匠シリーズ

黒い手

53 黒い手  ◆oJUBn2VTGE ウニ New! 2006/10/15(日) 20:49:55 ID:lY9MF+tv0
その噂をはじめに聞いたのは、ネット上だったと思う。
地元系のフォーラムに出入りしていると、虚々実々の噂話をたくさん頭に叩きこまれる。どれもこれもくだらない。
その中に埋もれて、「黒い手」の噂はあった。

黒い手に出会えたら願いがかなう
そのためには黒い手を1週間持っていないといけない
たとえどんなことがあっても

「バッカじゃないの」
上記の噂を話したところの、ある人の評である。
オカルト道の師匠にそんなあっさり言われると、がっかりする。
「まあ不幸の手紙の亜種だな。どんなことがあっても、って念押ししてるってことは、1週間のあいだになにか起こりますよってことだろ」
チェーンメールが流行りはじめた頃だったが、「××しないと不幸になる」
というテンプレートなものとは少し毛色が違う気がして僕の印象に残っていたのだが、師匠はこういうのはあまり好きではないようだった。
しかし、しばらくのあいだ僕の頭の片隅に「黒い手」という単語がこびり
ついていた。
ありがちなチェーンメールと一線を画すのは、そのスタート契機だ。
「このメールを読んだら」
ではなく、
「黒い手に出会えたら」
つまり、話を聞いた時点で強制的にルールの遵守を求められるのではなく、契機が別に設定されているのだ。
怖がろうにも、その契機に会えない。
「黒い手に出会えたら」
僕は出会いたかった。

54 黒い手  ◆oJUBn2VTGE ウニ New! 2006/10/15(日) 20:53:18 ID:lY9MF+tv0
黒い手を手に入れた。
という一文をあるスレッドで見たとき、僕の心は逸った。
普段はいかない部屋に出入りしていたのは、「地元の噂」を語る場所だったから。「黒い手」の噂を聞けるかも知れないという可能性のためだ。
マニアックなオカルト系フォーラムにどっぷり浸っていた僕には、少し程度が低すぎる気がして敬遠していたのだが・・・・・・
「見せて見せて」
というレスがつき、しばらくして「いーよ」という返事があった。
その音響というハンドルネームの人物は、何度かオフ会を仕切ってるような行動派らしく、「じゃ、明日の土曜日にいつものトコで」という書き込みで
「黒い手オフ」が決定した。
新参者の僕は慌てて過去ログを読み返し、いつものトコが市内のファミレスであることを確認すると「初めてですけど行ってもいいですか」と書き込んだ。
当日は、まだこういうオフ会というものにあまり慣れていないせいもあって緊張した。
遅れてしまってダッシュで店内に入ると、目印だという黒系の帽子で統一された一団が奥のスペースに陣取っていた。
「ちーす」という挨拶に「すみません」と返して席につくと、テーブルの周囲に居並ぶ面々に対して妙な気まずさを感じた。
ネット上の書き込みを見ていた時から想像はついていたが、やはり若い。
たぶん全員中学生から高校生くらいだろう。僕もついこのあいだまで高校生だったとはいえ、1コ下2コ下となると別の生き物のような気がする。
先輩風を吹かしたりというのは苦手なので、ここでは年上だとバレないようにしようと心に決めた。
「で、これなんだけど」
そう言って全身黒でキメた16,7と思しき女の子が、足元から箱のようなものを出してきてテーブルに乗せた。

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師匠シリーズ

指さし

83 指さし ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/06/21(日) 00:06:05 ID:m2hpAMu/0
小学校のころ、海沿いの青少年の家でクラス合宿があった。
近くの神社までの道を往復するという肝試しをしたあと、あとは寝るだけという時間帯がやってきた。
怖い思いをした直後の妙なテンションのせいか、僕らは男女合わせて八人のグループで建物の一階の奥にある談話室に集まった。
消灯はついさっきのことだったので、まだ先生が見回りにくる可能性があったが、見つかったらそのときだ、と開き直っていた。
なぜならその中に一人、怪談話の得意なやつがいたのだ。普段は目立たないのに意外な才能というのか、とにかく彼の話す怖い話は訥々とした語り口と相まって異様な雰囲気を作り出していた。
僕らは夢中になって彼の言葉に耳を傾けた。いや、その場から離れられなかったというべきか。
畳敷きの談話室は背の低い本棚が壁際にならんでいるだけで、その本棚に車座になった僕らの影がゆらゆらと揺れていた。円陣の真ん中に、彼がろうそくを立てているのだ。
いつもは体育の授業も休みがちで、青白い顔をして教室の隅でじっとしているイメージの彼が、そのときは僕らを支配していた。誰ももう寝ようなんて言い出さなかった。
一人で部屋まで戻れと言われるのが怖かったのだ。
淡々と話は進み、女の子たちの顔が次第に強張っていくのが分かった。男の子の方も半ば強がりで次の話を早くとせがんでいたが、それも恐怖心を好奇心にすり替えようと自分を騙しているのに違いなかった。
ふっ、と話が途切れ、部屋の中に静寂がやってきた。
彼はちょっと休憩というように手を挙げ、持ち込んでいた水筒に口をつけて喉を動かしている。
スン、と誰かが鼻を鳴らし、連鎖するようにスン、スン、という音が静まり返った談話室の中に流れた。
そんな空気にたまりかねたのか、男の子の一人が無理に明るい口調で言った。
「こんなゲームしようぜ」

84 指さし ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/06/21(日) 00:09:27 ID:m2hpAMu/0
みんな目をつぶって、いま幽霊がいそうなところを同時に指さすんだ……
そんなことを言い出したその子に、男の子も女の子も戸惑ったが「おもしろそう」という彼の一声でやらざるを得ない雰囲気になってしまった。
「じゃあつぶれよ」
言いだしっぺの子がそう言って、僕も嫌々目を閉じた。
急に自分の心臓の音が大きくなる。
「もう指さした?」
そんな声が聞こえ、慌てて適当に指をさす。
いそうなところを感じたわけじゃない。なんだかそれを感じようとするなんてことは、「しないほうがいい」と思ったのだ。
目を開けろ、という声が聞こえて恐る恐る瞼を開く。
キャッという短い悲鳴がした。
ほとんどみんなバラバラの場所を指さしていたが、その中で女の子が二人、ほとんど同じ方向に指を向けていた。
やだあ、なんてふざけてみせているが、声が震えているのが分かった。
「次の話」
と彼がぼそりと言って肩を少し突き出す。
僕らは蝋燭の火に顔を近づけた。車座が小さくなる。
また彼の寒気のするような話が始まり、なぜか不思議な余韻の中で終わる。息を吐く音がそれぞれの長さで微かに聞こえる。
「また幽霊がいそうなところを指さそう」
同じ男の子が言った。ああいいよと強がって別の子が目をつぶる。他のみんなもつられて目を閉じた。少なくともこの僕は、一人だけ目を開けているのが怖かった。
「じゃあ目、開けて」
そう言われて目を開けると、今度は男女のペアが同じ方向を指さしていた。僕は思わずその白い壁から視線を逸らせる。なにか見えてしまう気がして。
その後も彼が一つ話をするたびに、この霊感実験のようなゲームは行われた。
ゲームを言い出した本人も血の気の引いたような顔をしている。けれど誰もやめようとは言わない。全員が抜け出せない繰り返しの輪の中に囚われてしまっているようだった。
86 指さし ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/06/21(日) 00:11:47 ID:m2hpAMu/0
そしてやがて気づき始める。
指をさす方向がだんだんと揃い始めていることを。
目を開くたびに息を飲む音がして、みんなの視線がそちらに向く。今度は四人がほぼ同じ方向の窓を指さしていた。厚手のカーテンがしてあって、外の様子は覗けない。きっと外からも蝋燭の小さな明かりは見えないだろう。
へへへ、と誰かが照れたような笑い声を漏らした。誰も窓の外、カーテンの向こうを確認しようとはしなかった。
みんなそちらからぎこちなく視線を逸らすだけだった。
「次の話」
と彼がまたひっそりと言った。
その彼が喋り始めてすぐに、今までの怪談とは違うことに気付いた。
真夜中に子どもたちが集い、霊のいる場所をあてる指さしゲームをする話だった。
まるで僕らのことのようだ。
一話二話と話が進むにつれ、だんだんと指は揃い始める。二人、三人、四人、五人……
そして最後の話が終わったとき、全員の指が同じ場所を向いた……
そこで彼の話は終わった。
はずなのに、みんな息を吐かない。
これからその続きが始まるのだ。
「目をつぶって」
と彼は言った。
誰も逆らえなかった。
僕の前には蝋燭のゆらめきだけが闇の中、陽炎のように残っている。
僕らが沈み込むように丸く座っている談話室の、あらゆる方位がぐにゃぐにゃと動いているような気配がある。
どこを指さしても、とても嫌な場所を指さしてしまいそうな予感がした。震えながら、手が動く。
「目を開けて」
と闇の中から声が聞こえた。
そして僕たちは全員が同じ方向を指さしているのを見た。

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師匠シリーズ

先生

512 先生 前編  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/08/21(金) 22:58:57 ID:YUHlb2rI0
師匠から聞いた話だ。

長い髪が窓辺で揺れている。蝉の声だとかカエルの声だとか太陽の光だとか地面から照り返る熱だとか、そういうざわざわしたものをたくさん含んだ風が、先生の頬をくすぐって吹き抜けて行く。
先生の瞳はまっすぐ窓の外を見つめている。僕はなんだか落ち着かなくて鉛筆を咥える。こんなに暑いのに、先生の横顔は涼しげだ。
僕は喉元に滴ってきた汗を指で拭う。じわじわじわじわと蝉が鳴いている。
乾いた木の香りのする昼下がりの教室に、僕と先生だけがいる。
小さな黒板にはチョークの文字が眩しく輝いている。三角形の中に四角形があり、その中にまた三角形がある。

長さが分かっている辺もあるし、分かっていない辺もある。先生の描く線はスッと伸びて、クッと曲がって、サッと止まっている。おもわずなぞりたくなるくらいの綺麗な線だ。
それからセンチメートルの、mの字のお尻がキュッと上がって、実にカッコいい形をしている。
三角形の中の四角形の中の三角形の面積を求めなさいと言われているのに、そんなことがとても気になる。それだけのことなのに本当にカッコいいのだ。
mのお尻に小さな2をくっつけるのがもったいないと思ってしまうくらい。
「できたの」
その声にハッと我に返る。
「楽勝」
僕は慌てて鉛筆を動かす。
「と、思う」
と付け加える。

先生は一瞬こっちを見て、少し笑って、それからまた窓の外に向き直った。背中の剥げかけた椅子に腰掛けたままで。僕は小さな机に目を落としているけれど、それがわかる。
また、蝉の声だとかカエルの声だとか太陽の光だとか地面から照り返る熱だとかが風と一緒に吹いてきて、先生の長い髪がさらさらと揺れたことも。白い服がキラキラ輝いたことも。

513 先生 前編  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2009/08/21(金) 23:01:03 ID:YUHlb2rI0
二人しかいない教室は時間が止まったみたいで。僕はその中にいる限り、夏がいつか通り過ぎるものだ、なんてことを、なかなか思い出せずにいるのだった。

小学校六年生の夏だった。夏休みに入るなり、僕は親戚の家に預けられることになった。その母方の田舎は、電車をいくつも乗り継いでやっとたどり着く遠方にあった。
小さいころに一度か二度、連れてこられたことはあったけれど、一人で行かされるのは初めてだったし、「夏休みが終わるまで帰ってこなくて良い」と言われたのも当然初めてのことだった。

厄介払いされたのは分かっていたし、一人で切符を買うことや道の訊き方について、それほど困らないだけの経験を積んでいた僕は、むしろ「帰ってこなくて良い」の前に「夏休みが終わるまで」がくっついていたことの方に安堵していた。
田んぼに囲まれた畦道を、スニーカーを土埃まみれにしながらてくてく歩いていくと、大きなイブキの木が一本垣根から突き出て葉を生い茂らせている家が見えてきた。
この地方独特の赤茶色の屋根瓦が陽の光を反射して、僕は目を細める。
その家には、おじさんとおばさんとじいちゃんとばあちゃんと、それからシゲちゃんとヨッちゃんがいた。
おじさんもおばさんも親戚の子どもである僕にずいぶん優しくしてくれて、「うちの子になるか」なんて冗談も言ったりして、二人とも農作業で真っ黒に日焼けした顔を並べて笑った。

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占い・おまじない、呪い 自己責任でお願いします

自己責任

呪い系。
似たようなやつをこのスレのどっかで見たことあるけど原文に近いかも。廃棄直前Q8のBBSログからハケーン
—-
Message # 26 is from: *****
Time: 97/04/30 1:02:02 Category 8: フリートーク
Subj: 自己責任で読んでね

こんなん手に入れました。
マジでヤバイかも…ログ全部巡回して目を通してる*****さん注意(汗)

o(x_x)oカ?クカ?ク

%%%%%%%%
あらかじめお断りしておきますが、この話を読まれたことでその後何が起きても保証しかねます。
*自己責任の下で読んで下さい。
*保証、責任は一切持ちません。
5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。

表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。

私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、先日古い友人と話す機会があり、あのときのことを
まざまざと思い出してしまいました。
ここで、文章にすることで少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。

私たち、(A・B・C・D・私)は、皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余していました。

学校も、私たちがサボったりするのは、受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、体育祭後は朝学校に出て来さえすれば後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。

ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。

505 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 01:53

サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。

外から様子のわからないような、とても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか、少しびびりましたが、ABは「大丈夫」を連発しながらどんどん中に入って行きます。

既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。

壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。「こっちも部屋か」よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアは、こちら側からは本棚で塞がれていました。肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。

今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることにそのとき疑問を持つべきでした。

506 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 02:14

それでもそのときの、こっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのかじめっとしていました。