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洒落怖

白昼に

十数年前。二十代のオレは新橋のリ○ルートのビルでビル管理の派遣のバイトをやっていた。
都心のビジネス街のど真ん中のビル。一階駐車場隣接の狭い管理室に日中詰めて
るワケだけど、監督もいないし気楽なもので、デスクに座って本なんか読んでる
ことが多かった。昼になれば正午キッカリにランチを買いに出歩く。
その日も時計が12時を示すと同時に外に出て、ビルの前の、対向車がやっと
すれ違える程の幅の道路をコンビニに向かって歩いていた。
昼の休憩時でボチボチ行き交い始めたリーマンやOL。バブル崩壊直前のビジネス戦士達。真っすぐ前を見て歩いていたオレは、視線前方にふと違和感を感じた。場所柄、この辺りで見かけるのはほとんどリーマンとOL、その他のビジネス人種。ごくたまにホームレスのおじさん。
その50メートル程前方をこちらに歩いて来る人物を、最初はホームレスの人だと思った。

747 名前: 2/4 2006/08/28(月) 13:42:12 ID:DaFizmOF0
その距離からもわかる「ピョコンガクン、ピョコンガクン」した歩き方からそう判断したのだ。
距離が縮むにつれて、その人物がホームレスでは無く、ビジネススーツのリーマンなのだと分ってきた。
そして鞄も持っていること、ビジネスシューズを履いていること、三十代の男性であることも。
その辺りから、もう一つの違和感を感じ始めた。白昼のこのビジネス街を明らかに異様な歩き方で歩いているその男に、
行き交う他の人間達が注意を払っていない。まるでその男が見えていないかのようなのだ。
しかしその男は亡霊のような希薄な影ではない。周りの人間と同じ確かな存在感で歩いている。
オレとその男の距離が縮小するのと反比例して、違和感は増大していく。いよいよ至近距離ですれ違う。

748 名前: 2/4 2006/08/28(月) 14:13:56 ID:DaFizmOF0
「。。。。落ち武者。?」最初にそう連想しながらその男に視線を釘付けにされた
オレは一瞬だが歩みも止まったと思う。やや後退した額、ザンバラと肩まで伸びた
後頭部の髪は左側だけで、右側は剃り上げたように頭皮が露出している。
「ゾンビ。」そうも思った。血のシミのような点が二つ三つ顔に付着している。
瞬きもせず放心したように眼を見開き、己の前方の何ものかを凝視したまま
ピョコンガクン、ピョコンガクンとびっこをひきながら、この若いリーマンは脇目もふらず白昼のビジネス街を歩き続けるのだろうか。
その鞄の中身は、己の頭の中だけに存在する架空のプロジェクトの書類なのだろうか。生真面目と優しさが仇となり、
社内イジメと上司の嗜虐の餌食の末、もう己のパンチカードもない会社に毎日律儀に出社しているのだろうか。
薄汚れてボロボロのスーツの後ろ姿を見送りながら、オレは思った。誰も「通報」しないのだろうか。
それともオレだけにその姿を見せた化け物なんだろうか。。。。
785 名前: 748続き 2006/08/28(月) 21:10:33 ID:DaFizmOF0

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師匠シリーズ

怪物 「結」

66 師匠コピペ1 sage 2008/10/27(月) 10:14:47 ID:SNTEH34B0

267 怪物  起承転「結」上   ◆oJUBn2VTGE ウニ 2008/08/03(日) 01:44:23 ID:ScuN9+/G0
その日の放課後、私は3年生の教室へ向かった。
ポルターガイスト現象の本を貸してくれた先輩に会うためだ。廊下で名前を出して
聞いてみるとすぐに教室は分かった。
先輩は私の顔を見るなりオッ、という顔をして手招きをしたが、席まで行くとすぐ
に両手を顔の前で合わせて謝る。
「ゴメン。今日はこれから部活なんだ」
剣道は止めたんじゃなかったんですか、と聞くと「文科け~い」と言ってトランペ
ットを吹く真似をする。吹奏楽部かなにからしい。
「一つだけ教えてください」
そう言う私に、「ま、座りなさい」と近くの席から椅子を引っ張ってくる。その周
りでは帰り支度をする生徒たちが私を物珍しそうに横目で見ている。
多少は時間をとってくれるようなので、順序立てて聞くことにする。
「先輩の家で起こったポルターガイスト現象は、イタズラでしたか?」
先輩は目を丸くしてから笑う。
「いきなりだな。でも違うよ。私だって驚いてた。ホントに目の前で花が宙に浮か
 んだりしたんだ」
「じゃあ原因はなんですか?」
「……あの本もう読んだんだ? 私に聞くってことは」
頷く。
「まあ、知ってると思うけど、あたしの家って両親が仲良くないワケよ。今も別居
 してるし。そんで小学4年生のころって、一番バチバチやりあってた時期なのよ。
 家の中でも顔あわせれば喧嘩ばっかり。子どもの目の前で酷い口論してたんだか
 ら。まるであたしがそこに居ないみたいに」
私のイメージの中で、シルエットの男と女がいがみ合っている。そしてその傍らに
は10歳くらいの少女が怯えた表情で身体を縮ませている。
「超能力だか心霊現象だか知らないけど、たぶん原因はあたしなんだろうと思う。
 今となっては、だけど」
「じゃあ。どうやってそれが収まったんですか」

67 師匠コピペ2 sage 2008/10/27(月) 10:15:19 ID:SNTEH34B0
268 怪物   ◆oJUBn2VTGE ウニ 2008/08/03(日) 01:46:43 ID:ScuN9+/G0
「昨日言わなかったっけ? 祈祷師が来たの。家に。そんで、ウンジャラナンジ
 ャラ、エイヤーってやったわけよ。そしたら変なことはほとんどなくなったな」
「祈祷師がポルターガイストを鎮めたんですか」
「……なんかいじわるになったね、あなた。分かってるクセに。たぶん、満足した
 んだと思うよ。あたしが。『親がここまでやってくれた』って。今でも覚えてる
 もん。両親が二人とも、祈祷師の後ろで必死になって手を合わせて拝んでんの。
 それで、お祈りが終わった後にあたしの頭を抱いて『これで大丈夫だ』って二人
 して言うの。それであたしもなんだかホッとして、ああこれで大丈夫なんだ、っ
 て思った。最初は二人ともラップ音とか、お皿が割れたりしたこととか、なんで
 もないことみたいに無視してたのよ。気味が悪いもんだから、気のせいだ、見て
 ない、聞いてないってね。それをきっとそのころのあたしは、自分を無視された
 みたいに感じてたのね。だから余計に酷くなっていったんだと思う」
結局、思春期の子どもが起こすイタズラと同じなのだ、と私は思った。
自分を見て欲しくて、構って欲しくて、とんでもないことをしでかすのだ。それで
怒られることが分かっていながら、しないではいられない。それはアイデンティテ
ィの芽生えと深く関係している部分だからなのだろう。自分が自分であるために、
身近な他者の視線が必要なのだ。
「どうしてこんなことが気になるの」
先輩の目が私の目に向いている。
先輩もこの街を騒がせている怪現象の噂くらい聞いているだろう。それが、たった
一人の人間が焦点となっているポルターガイスト現象なのだと聞かされたら、笑う
だろうか。
私はそれに答えないまま、別のことを言った。
「先輩が見たっていう怖い夢は、もしかしてお母さんを殺す夢ですか」
空気が変わった。おっとりとして優しげだった目元が険しくなる。
「どうして知ってるの」
その迫力に呑まれそうになりながら、私は言葉を繋ぐ。
「先輩が言っていた、『ありえない夢』って、別居していていないはずのお母さん
 を、家の玄関で刺し殺す夢だったんでしょう」

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ストーカー・きちがいの話 殿堂入り怖い話

危険な好奇心

801 本当にあった怖い名無し 2006/04/22(土) 03:48:18 ID:moTdWLP+O

少し長い話ですが、暇な方、読んでください。

小学生の頃、学校の裏山の奥地に俺達は秘密基地を造っていた。
秘密基地っつっても結構本格的で、複数の板を釘で打ち付けて、雨風を防げる3畳ほどの広さの小屋。
放課後にそこでオヤツ食べたり、エロ本読んだり、まるで俺達だけの家のように使っていた。
俺と慎と淳と犬2匹(野良)でそこを使っていた。
小5の夏休み、秘密基地に泊まって遊ぼうと言うことになった。
各自、親には『○○の家に泊まる』と嘘をつき、小遣いをかき集めてオヤツ、花火、ジュースを買って。修学旅行よりワクワクしていた。
夕方の5時頃に学校で集合し、裏山に向かった。
山に入ってから一時間ほど登ると俺達の秘密基地がある。基地の周辺は2匹の野良犬(ハッピー♂タッチ♂)の縄張りでもある為、基地に近くなると、どこからともなく2匹が尻尾を振りながら迎えに来てくれる。
俺達は2匹に『出迎えご苦労!』と頭を撫でてやり、うまい棒を1本ずつあげた。
基地に着くと、荷物を小屋に入れ、まだ空が明るかったのでのすぐそばにある大きな池で釣りをした。まぁ釣れるのはウシガエルばかりだが。(ちなみに釣ったカエルは犬の餌)

803 本当にあった怖い名無し 2006/04/22(土) 04:11:40 ID:moTdWLP+O

釣りをしていると、徐々辺りが暗くなりだしたので、俺達は花火をやりだした。俺達よりも2匹の野良の方がハシャいでいたが。
結構買い込んだつもりだったが、30分もしないうちに花火も尽きて、俺達は一旦小屋に入った。
夜の秘密基地というのは皆始めてで、山の奥地ということで、街灯もなく、月明りのみ。聞こえるのは虫の鳴き声だけ。
簡易ライト一本の薄明るい小屋に三人、最初は皆で菓子を食べながら好きな子の話、先生の悪口など喋っていたが、静まり返った小屋の周囲から、時折聞こえてくる『ドボン!』(池に何かが落ちてる音)や『ザザッ!』(何かの動物?の足音?)に俺達は段々と恐くなって来た。
しだいに、
『今、なんか音したよな?』
『熊いたらどーしよ?!』
など、冗談ではなく、本気で恐くなりだしてきた。
時間は9時、小屋の中は蒸し暑く、蚊もいて、眠れるような状況では無かった。それよりも山の持つ独特の雰囲気に俺達は飲まれてしまい、皆、来た事を後悔していた。

806 本当にあった怖い名無し 2006/04/22(土) 04:35:31 ID:moTdWLP+O

明日の朝までどう乗り切るか俺達は話し合った。
結果、小屋の中は蒸し暑く、周囲の状況も見えない(熊の接近等)為、山を下りる事になった。
もう内心、一時も早く家に帰りたい!と俺は思っていた。
懐中電灯の明かりを頼りに足元を照らし、少し早歩きで俺達は下山し始めた。5分ほどはハッピーとタッチが俺達の周りを走り回っていたので心強かったが、少しすると2匹は小屋の方に戻っていった。
普段、何度も通っている道でも夜は全く別の空間にいるみたいだった。
幅30㌢程度の獣道を足を滑らさぬよう、皆無言で黙々と歩いていた。
そのとき、慎が俺の肩を後ろから掴み『誰かいるぞ!』と小さな声で言ってきた。
俺達は瞬間的にその場に伏せ、電灯を消した。
耳を澄ますと確かに足音が聞こえる。
『ザッ、ザッ、』
二本足で茂みを進む音。
その音の方を目を凝らして、その何者かを捜した。
俺達から2、30㍍程離れた所の茂みに、その何者かは居た。
懐中電灯片手に、もう一方の手には長い棒のようなものを持ち、その棒でしげみを掻き分け、山を登っているようだった。

808 本当にあった怖い名無し 2006/04/22(土) 04:44:54 ID:moTdWLP+O

俺たちは始め恐怖したが、その何かが『人間』であること。また相手が『一人』であることから、それまでの恐怖心はなくなり、俺たちの心は幼い『好奇心』で満たされていた。
俺が『あいつ、何者だろ?尾行する?』と呟くと、二人は『もちろん』と言わんばかりの笑顔を見せた。

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殿堂入り怖い話 田舎・地方の習慣

リゾートバイト

まずはじめに言っておくが、こいつは驚くほど長い。
そしてあろうことか、たいした話ではない。
死ぬほど暇なやつだけ読んでくれ。

忠告はしたので、はじめる。

これは俺が大学3年の時の話。
夏休みも間近にせまり、大学の仲間5人で海に旅行に行こうって計画を立てたんだ。
計画段階で、仲間の一人がどうせなら海でバイトしないかって言い出して、
俺も夏休みの予定なんて特になかったから二つ返事でOKを出した。
そのうち2人は、なにやらゼミの合宿があるらしいとかで、バイトはNGってことに。

結局、5人のうち3人が海でバイトすることにして、残り2人は旅行として俺達の働く
旅館に泊まりに来ればいいべって話になった。

それで、まずは肝心の働き場所を見つけるべく、3人で手分けして色々探してまわることにした。

ネットで探してたんだが、結構募集してるもんで、友達同士歓迎っていう文字も多かった。
俺達はそこから、ひとつの旅館を選択した。

もちろんナンパの名所といわれる海の近く。そこはぬかりない。

電話でバイトの申し込みをした訳だが、それはもうトントン拍子に話は進み、
途中で友達と2日間くらい合流したいという申し出も、
「その分いっぱい働いてもらうわよ」
という女将さんの一言で難なく決まった

計画も大筋決まり、テンションの上がった俺達は、そのまま何故か健康ランドへ直行し、
その後友達の住むアパートに集まって、風呂上りのツルピカンの顔で、ナンパ成功時の行動などを綿密に打ち合わせた。

そして仲間うち3人(俺含む)が旅館へと旅立つ日がやってきた。
初めてのリゾートバイトな訳で、緊張と期待で結構わくわくしてる僕的な俺がいた。

旅館に到着すると、2階建ての結構広めの民宿だった。
一言で言うなら、田舎のばーちゃんち。
○○旅館とは書いてあるけど、まあ民宿だった。○○荘のほうがしっくりくるかんじ。

入り口から声をかけると、中から若い女の子が笑顔で出迎えてくれた。
ここでグッとテンションが上がる俺。

旅館の中は、客室が4部屋、みんなで食事する広間が1つ、従業員住み込み用の部屋が2つで計7つの部屋が
あると説明され、俺達ははじめ広間に通された。

しばらく待っていると、若い女の子が麦茶を持ってきてくれた。
名前は「美咲ちゃん」といって、この近くで育った女の子だった。

それと一緒に入ってきたのが女将さんの「真樹子さん」。
恰幅が良くて笑い声の大きな、すげーいい人。もう少し若かったら俺惚れてた。

あと旦那さんもいて、計6人でこの民宿を切り盛りしていくことになった。

ある程度自己紹介とかが済んで、女将さんが言った。
「客室はそこの右の廊下を突き当たって左右にあるからね。
そんであんたたちの寝泊りする部屋は、左の廊下の突き当たり。
あとは荷物置いてから説明するから、ひとまずゆっくりしてきな。」

ふと友達が疑問に思ったことを聞いた。(友達をA・Bってことにしとく)
A「2階じゃないんですか?客室って。」