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田舎・地方の習慣

末子継承

長くなるけど、聞いてほしい。
あと文章ヘタでごめん(´・ω・`)

もう十年くらい前だけど、従弟が事故で死んで俺が本家を継ぐことになったときに叔父(従弟の父)から聞いた話。

うちはちょっと珍しくて、末の男児が家を継ぐしきたり。
死んだ従弟も末っ子だった。ちなみに俺の親父は次男、従弟の親父は三男ね。
で、末子継承になったいわれを従弟の葬式のときに叔父から聞かされた。
従弟のバイク事故もこれが原因らしい。まあ聞いてくれ。
江戸も終わりの頃、N家(本家)に嫁が来た。
N家跡取りと仲むつまじく、やがて女の子が生まれて春と名付けられた。
その年は不作で、子どもを生んだばかりでも嫁も働かなければならない。嫁は山菜を取りに山に入ったが、夕方近くになっても姿が見えない。
村の衆で探し回っていると嫁は乱れた姿で山から下りてきた。
天狗に孕まされて。
どうもこの天狗ってのは白人のことらしい。
まぁ「天狗=日本に漂着した外国人」ってのはよくある話、と叔父は言っていた。

570 本当にあった怖い名無し New! 2013/01/30(水) 04:46:21.15 ID:NtJ16ww9O
堕ろそうにも、襲われたショックで寝込んだ嫁にそれは耐えられないと旦那が躊躇しているうちに、ついに男の子が生まれてしまう。
嫁は生んですぐに体調を崩して死んでしまった。
旦那は子供が憎くて殺そうしたが、嫁の忘れ形見だと思うと殺せない。しかたないので座敷牢に幽閉し、そこで育てた。
途中までは人を雇って世話をさせてたが、いつからか姉の春が面倒をみるようになった。
父親がいくらいっても聞かないし、 身内の恥を他人に見せるよりはって理由でそのまま娘にまかせた。
男の子の名前はユキハル。父も誰もつけないから、春が名付けたそうだ。
春はユキハルを大変可愛がった。
んで、そのユキハル。見た目は死んだ嫁によく似ていたけど、色彩が白人…というかハーフのそれだったらしい。
茶色の髪と青い目をしてて、姉から学んだたおやかな仕草。(ここらへん特殊事情。春は訛りの矯正やなんかの習い事?もやってた。その姉からいろいろ教わったユキハルは女形みたいな子だったようだ)
嫁そっくりなのに日本人離れした薄い肌や髪の色をみるたびに腹ただしくて、ユキハルが成長するにつれて旦那はだんだん可笑しくなった。

572 本当にあった怖い名無し New! 2013/01/30(水) 05:11:06.36 ID:NtJ16ww9O
…で、ある晩。ついに旦那はユキハルに乱暴したんだと。
その日から、村の衆や村にくるお役人にも身売りをさせた。(売るといってもはした金の値段で、ユキハルを苦しめる為にやっていたようだ)(だんだん憎らしさが勝ったんだろう)
春は弟が普憫で、父にこんなことは止めるようにと言ったが父は聞き入れず、次第に娘がうっとおしくなり早めに嫁にやることにした。
春が「嫁に行くことになった」と告げると、ユキハルは春をさらって山へ逃げた。
唯一自分に優しくしてくれる姉を奪われるのは、ユキハルにとって身を切られる辛さだったんだろう。
やがて湖のほとりに出ると、そこで春を抱いた。
事が終わり、すすり泣く春を見て「少し周りを見てくる」と言って一人にさせた。春は泣きながら湖に入った。
ユキハルが帰ってくるとすでに春は水の中だった。姉がいないならばと、彼も崖から飛び降りた。

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田舎・地方の習慣

百鬼夜行の足音

多少、文章がおかしいかもしれないけど、思い出しながら書くんで許してくれ。

三年ほど前の実話。
うちの父方の実家は田舎の旧家なんだけども、特に怪しいものはなかったわけ。
いや、都会には無いような神棚とかはあるけど、別に珍しくもなんとも無い物だしね。
俺も幼少の頃からよく行っていて、普段は触れられない自然に大はしゃぎしてた。
都会にはクマゼミ?が多いんだけど(ていうかこれしかいねーw)田舎ではレアで、
現地の子供とかに「めずらしくもねーよ」なんて講釈たれてた記憶がある。
最後はそんなやつらに混ざって真っ黒になって帰ってきてた。
そんな気心知れた場所だから、夜中とかは信じられないぐらい暗くて静かになっても怖く無い。
広い家の中に俺と祖父と祖母しかいないんだけど、
普通に一人で、八畳の和室で寝てたわけ(祖母たち二人は二階)。
そしたら夜中に、外で話し声(歌?)と楽器(鈴みたいなもの?)の音。
それと大勢の人が歩く足音が聞こえんの。足音は揃っていて、軍隊の行進みたいだった。
時間は良く覚えていないけど、夜一時から三時の間ぐらいかな。
うちの庭から門を抜けると田んぼしかない。ちなみにコンビニなんて気の利いたものもないから、
そんな大勢の人間が歩いてるはずは無い。
62 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/08/10(木) 16:19:12 ID:pEtfJUWZ0
俺は布団でごろつきながら、最初はあまり気にしてなかった。ていうか夢現って感じ。
ぼんやりと実家にいるような心持で「事件かな。火事でもあったか」とか考えてた。
そしたらその足音が庭にまで入ってくんの。そこではっきりと目が覚めたね。で、ありえねーって起き出した。
廊下に出て雨樋っていうのかな?よく分からないけど板の戸を開けようとしたんだわ。
その時は好奇心だけで、恐怖は感じなかった。事件現場を覗く野次馬みたいな心境。
幽霊とか妖怪とか、そんなものに結びつけもしなかった。
そしたら、ドタドタって別の方向から足音がしてさ祖母が走ってきたの(どっちかというと、そっちにビビった)。
七十超えた年寄りとは思えない速さで。そりゃあもう、なにがあったってぐらいの形相をしてた。
「○○君(俺ね)。開けたらいけん。こっち来なさい」
「どうしたん?」
「いいから!」
入れ歯してなかったから何言ってるのか聞き取りにくかったけど、
概ねこんな会話をして神棚のある部屋に連れて行かれた。
俺はそのときも、凄い事件でもおきたのかとワクワクしてた(不謹慎だw)
そんでもってそこから、祖母は朝までお祈りのしっぱなし。
祖父は飾ってあった日本刀を持ってドアの前に仁王立ち。
いやね、正直笑ってしまった。なにがあったのかと。
しばらくは俺も大人しくしてたんだけど、いい歳した男が守られてるみたいなのはどうかと思って、
「どっか強盗でも入ったん? 俺もバッドでも持ってこようか?」
とか言って立ち上がった瞬間、
「ここにいなさい!」
二人揃って絶叫。マジで長年連れ添った息の合いかただった。
俺は訳も分からないまま、夜が白み始めて蝉が鳴き始めるまで、唯一置いてあったアルバム見てた。
昔はあんなに可愛かったのに、今はいい歳してコギャルスタイルな従姉に、何があったのかと黄昏ながら。
んで、次の日は祖父も祖母も大慌て。近くの神社に行って話を聞いて、俺も夕方になって簡単なお祓いをされた。
なんか知らない人も何人か来てた。
そこでようやく俺は事情を教えてもらったわけ。
なんでも、俺が聞いたのは百鬼夜行の足音らしい。
といっても、それは意訳的な意味で、なんとかウンギョウ?リョウ?行列とか言ってた(すまん聞いたこと無い単語で忘れた)

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犬・猫、動物

目を合わせるな

490 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/08/29(水) 04:48:48.80 ID:4ignv/ca0
母方の伯母の家が山陰の山奥にあって小2時に長期滞在してた。
伯母といっても長女、母は末娘で親子ほどの歳の差。
その伯母から「裏の畑にはたまに猿が降りてくるけど、トマトとか食べてても目を合わせちゃいけない」と言われた。
襲ってくるんだと。でもし見かけたらこの一斗缶を叩け!と井戸端にぶら下がってた一斗缶を示された。
ある昼下がり、昼寝からふと目を覚まして外の便所小屋に行こうとすると、いた。俺寝ぼけてたので「あ、猿だ」とじっと見ちまった。
こっち向いたそいつと10m位の距離でにらめっこみたいになって、やべっと思った瞬間に襲ってきた。
真っ黄色な牙をむき出しにしてなんか叫んでた。襲われる!って思ったら次の瞬間なぜか弾け飛んだ。
贓物が凄く獣臭かった。
わけわからずに泣きだしたら、伯母さん(ばあちゃんて呼んでた。
実の祖母は母が幼い頃に亡くなってて伯母さんが母の母代わり)も
昼寝から起きてきて、泣いてる俺の目に両手を当てて目隠しして、そのまま井戸端に連れてかれて、服着たままで井戸水浴びせられて
「じとってろ!」みたいな事言われて、そこにあった大きな山刀で体中の皮膚の上を撫ぜられた。
あれなんだったのか。
おやつに採れたての玉蜀黍食べた。甘くて美味しかったけど、皮向いたら実と皮の間に猿の歯が飛んで挟まってた。

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占い・おまじない、呪い 洒落怖

登れない階段

250 登れない階段1/5 2007/11/09(金) 17:37:12 ID:rRGvWjsF0
昔、警備員をしていた時の事。

俺は警備会社に入社早々、ある区域の機械警備の担当をする事となった。
その日、昼間は先輩社員と警備対象となる数十もの建物の場所を車で巡回確認し、
夜間は待機所で警報信号に備える事になった。
その区域には機械警備と別に、夜間巡回警備をする物件も3ケ所あり、
物件の一つにAという元病院だった建物があった。
先輩曰くそこは「出る」病院らしく、霊感に強い人は絶対近づきたくないと言う場所だったらしい。
俺は確かにそれまで何度か幽霊を見たことはあるが、普段は霊感なんて別に感じない人間だったので、
ありがちな話だ位にしか思わなかったし、実際新入社員で覚える事が多くそれどころでも無かった。
その病院の巡回は夜間2回、午後11時ごろと午前3時ごろの予定。
他の2件の物件の巡回を終え、病院の1回目の巡回を予定通り行うこととなった。
深い山中にあるその地域の中心に、比較的大きな川が流れておりその川沿いに病院はあった。
以前、水は霊を呼び込むと言う話(リングの井戸みたいな)を聞いた事があり、妙に納得できる部分があった。
新病院への移転の為、80年代後半に廃墟となった病院。地上2階地下1階、長さ約100m×30m。
解体しない理由はその解体費用に問題があったそうだが、
以前解体しようとしたときに何か問題があったという、これまた在りがちな噂があると先輩は言っていた。
病院は高さ3m位のバリケードで囲まれており、
入り口はアコーディオン式で南京錠を開けて敷地内に入る。
例によって落書きや割れた窓ガラス、自分の身長とかわらない生い茂る雑草・・・
病院内の巡回経路が決まっていて、斜面に面した建物であることから屋外にある螺旋階段を上り、
2階入口から内部へ入ることになっていた。

252 登れない階段2/5 2007/11/09(金) 17:38:05 ID:rRGvWjsF0
2階の古びた南京錠を開け中へと入ると、懐中電灯で照らす細長い建物の内部に無数の病室が確認できる。
建物内部は生暖かいような、寒気がするような言葉では言い表しにくい空間・・・
当然ベットなどは無いにせよ、1986年の週刊少年ジャンプがあったり今だいまだ生活感が残っている。
先輩によれば、そうやって夜中に懐中電灯で巡回警備する事自体が事情を知らない人からすると、
建物で妙な光を見たとかいう怪談になってるらしく、そういう意味では笑える。
巡回経路順に、スロープ(車椅子や足の不自由な人用の坂道)を通って1階へ降り、
同じように病室やナースセンターを確認していく。何も異常は無い。
地下に降りるには階段を使わないといけないので、病院に入る前に建物配置図で確認した階段のほうに
行こうとするが、「地下はいいよ、どうせ何も無いし・・」と言うので、内部巡回は切り上げ。
本来は当然回らないといけないが、この先輩かなりビビリだったらしくて。
で、内部を出て外周も確認。異常なく巡回終了。
そこから待機所へと移動し、車中で遅い夕飯をとり緊急警報と2回目の病院巡回に備えることになった。
午前1時ごろ、先輩は一日中俺を指導していた事もあり疲れて寝てしまった。
俺も最初は配置図で物件内部の確認をしていたのだが、やはり疲れてうとうとしてきた。
待機中とはいえ仮眠は許されている事もあり、
1時間位ならと思い目覚しを2時30分にかけて寝る事にした・・・

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予知・予言

予言と予測

岩手県のローカル紙「26日に大津波が来るかも…」

656 本当にあった怖い名無し sage 2009/08/23(日) 17:48:34 ID:XoBzdNDFO
岩手県の沿岸部に住む者ですが、最近妙な噂が流れています。
「8月26日の朝4時頃、三陸沖を震源とする地震によって、大津波が押し寄せる」
と言うものです。

予言してるのは、それぞれ別の町に暮らしている占い師と、イタコさん。
話を合わせた訳じゃないのに、日にちばかりか、時間帯まで一致しているそうです。
今までそんな予言の話など聞いた事が無く、何だか凄い不気味で町中がその噂でもちきりです。
地元の漁師さん達は、船を陸に上げて、海岸から続々と避難させています。
757 本当にあった怖い名無し 2009/08/24(月) 16:50:00 ID:NSSoMpFzO
>>656
岩手県宮古市の親戚から聞いたけど、地元のローカル新聞に、大津波の予言についての記事が載ったらしいね。

大昔から津波に襲われてる地域だけあって、住民に念のため注意を促す為にあえて載せたとか。

日付や時間帯は噂通り、震源は宮城県塩竈沖、津波の高さは最大10メートルらしい。

126 本当にあった怖い名無し 2011/03/18(金) 16:40:54.78 ID:HJpbOlprO
カカシ先生!先生!いっちゃう!いっちゃうってばよーーーーー!!!!!!!!!!

127 1/2 sage 2011/03/18(金) 16:43:37.90 ID:v46JIvis0
121 : プリムラ・マラコイデス(青森県)[sage]:2009/08/24(月) 23:04:30.74 ID:7FSINMSa
・・・先生の研究によれば、東日本の太平洋岸では、16世紀からいままでにイワシ(マイワシ)の豊漁期は4回あって、
その時には大地震が多かったが、その谷間の不漁期には大地震がないという。
イワシの豊漁は40から50年続くことが多いのだが、それが地震活動と一致しているのだという。

もともと、岩手県の三陸地方には、イワシがよく捕れるときには大地震がある、という言い伝えがある。
たとえば、1896年の明治三陸地震津波と1933年の三陸沖地震の2回の大地震の前は、異常なくらいの豊漁であった。
http://shima3.fc2web.com/sakanatoyoti.htm

この地方は3月頃から小さな地震が続いていており、井戸水が枯れたり、水位が下がったり、
いわしの大群が連日押し寄せマグロの大漁が続くなど、沿岸の漁村では例年と違う不思議な現象が起こっていました。

その日も、朝に弱い地震があり、何回も続いた後にこの地震が発生して、それは5分間ほど揺れた。
そして、その10分ほど後にもまた揺れました。
が、春以来の地震の中でも小さいほうであったので誰もあまり気にもしていなかったし、震害もありませんでした。
しかし、その地震は三陸沖約150Kmを震源とするマグニチュード8.5という巨大地震だったのです。

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師匠シリーズ

田舎

326 田舎 中編  ◆oJUBn2VTGE ウニ New! 2007/08/23(木) 00:32:44 ID:pA3eqjtb0
そもそもの始まりは、大学1回生の秋に実に半端な長さの試験休みなるものがぽっこり出現したことによる。
その休みに、随分久しかった母方の田舎への帰省旅行を思いついたのだが、それがどういうわけか師匠、CoCoさん、京介さんという3人の先輩を引き連れての道ゆきとなってしまった。
楽しみではあったが、そこはかとない不安がどんよりと道の先にあるのを俺は見て見ぬ振りをしていたのだった。

駅まで迎えに来てくれた伯父の車は7人乗りだったが、助手席に伯父の家で飼っている柴犬が丸まって寝ていたので京介さんとCoCoさん、俺と師匠という並びでそれぞれ中部座席、後部座席に収まっていた。
俺としては、その柴犬がまだ生きていたことにまず驚いた。
耳の形に見覚えのある特徴があったので、その子供かと思ったのだが「リュウ」本人なのだという。20歳は確実に超えているはずだ。伯父にリュウの歳を聞くと、「忘れた」と言って笑うだけだった。
「こいつはドライブが好きでなあ、昔ゃよう連れてったもんじゃけんど、最近は全 然出たがらんなっちょったがよ。今日は珍しい」
京介さんが頷きながら手を伸ばし、前の座席で寝そべっているリュウのお尻のあたりを撫でる。リュウはちらっとだけ視線を向けて、また静かに目を閉じた。
車は快調に国道をとばしていた。
山間の道をひたすらに東へ進む。右手に川が現れて、ゴツゴツした巨大な岩が視界に入ってはすぐに後方へ飛び去っていった。

329 田舎 中編  ◆oJUBn2VTGE ウニ New! 2007/08/23(木) 00:34:41 ID:pA3eqjtb0
「なんちゃあないろう」
何もないところだろう。
そういう伯父の言葉には変に飾ったところも、卑屈なところもなく、気持ちが良かった。
CoCoさんが土地のことなどあれこれを聞き、京介さんもいつになく口が滑らかだった。
伯父が言った冗談に師匠がやたらウケて笑い声をあげ、その余韻で楽しそうに隣の俺の肩を叩きながら顔を寄せて、表情とまったく違う冷めた調子で「ところで」と言った。
「僕が今見ているものを、伝えてもいいか」
俺にしか聞こえないくらいの小さな囁き声に、いきなり冷水をかけられたような気分になった。
日差しの強かったはずの窓の外が急に暗くなり、国道のすぐ横を流れている川は闇に消えるように水面も見えなくなった。
そしてあたりから音が消え、車のフロントガラスの向こうには黒い霧が渦を巻いている。
やがて川沿いのガードレールのあたりに、凍りついたような青白い人の顔がいくつも並びはじめた。
暗くて首から下は見えない。顔だけがのっぺりと浮かび上がっている。男の顔もあれば女の顔もある。それも、大人が道路ぶちに立っているような高さのものもあれば、その半分の高さのもの、はるか見上げるような位置にあるもの、地面に落ちているもの、様々な顔が、しかしどれも無表情でこちらを見ているのだった。
そして無表情のまま、その顔たちはそれぞれ口を微かに開いている。
音もなく車の窓ガラス越しに視界は走り、手を伸ばせば届きそうな距離に、暗闇に浮かぶ顔がまるで上下にうねる様な連続体となって見えた。それぞれの口の形は、連続することによっていくつかの単語を脳裏に強制的に想起させようとしていた。