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洒落怖 病院の怖い話

手を引っ張るモノ

子供は二人共都内で産んだ。
一人目は大学病院で、とても華奢な女医さん。
「帝王切開するなら退院する!」と我侭を言い、一晩中世話になって出産は朝10時。
徹夜明けの疲れた細い肩が忘れられない。無事出産したがちょっと小さめなのでICUに。
ICUから帰ってきて、私のベッドの左横のベビーベッドに赤ちゃんは寝ていた。
7人部屋だったがある晩、深夜に誰かが私の左手を掴み、思い切り引っ張った。
私が思い切り払いのけるとすぐに治まり、私は眠りについた。
次の日の昼間、奥さん同士の井戸端会議が始まった。
出身はどこだの、私は三つ児だから出産大変だわーだのの他愛無い?話。
私は出産直後なのでカーテンを閉めて黙って横になっていた。
すると、向かい側の列のベッドにいた奥さんが、
「昨夜、眠ってる時に誰かが私の手を引っ張ったの!」と言う。
そこで私が、「私も!」と言えば少しは話も盛り上がるのだろうが、面倒なので黙っていた。
「病院にはよくある話みたいよー。」と言う感じで特に盛り上がる気配も無く終わった。

143 本当にあった怖い名無し sage 2010/07/30(金) 23:48:31 ID:ZTMhia0w0
>>142 続き
二人目は助産院で世話になった。
100平米強位の、助産婦さんが二人、夜は助産婦さんが一人しかいない所だった。
宿泊する部屋は和室で畳張りで、とてもリラックスできた。
家族も寝泊り出来たが、上の子もいるし部屋も狭いので、夫と子供は家に帰った。
赤ちゃんと二人きりの夜。他には助産婦さんが別の部屋に一人いるだけ。
真夜中、いびきで何となく目が覚めた。
私もいびきは掻く方だが、どうも私のではないらしいし、自分のいびきはめったに聞こえない筈だ。
左には赤ちゃん、いびきは右の方から聞こえてくる。
金縛りなので首は動かせないし、音を聞いているしか無いのだが、どうも男性のようだ。
しかし、ここには私たちと助産婦さん一人しかいない。
おかしいなあと思いながら、目だけは動かせるので8畳位の部屋をグルッと見渡すと、
部屋の端の方で、多分、大人と子供、子供子供子供、大人と子供、それは適当だが、
7~8人、皆正座をしてこちらをじっと見ていた。
真っ暗で、ぼんやりとしか見えないが、随分たくさんいるなぁと驚いた。

146 本当にあった怖い名無し sage 2010/07/30(金) 23:51:09 ID:ZTMhia0w0

一人目の時に退院した後、
自宅で24時間体制で赤ちゃんの世話に明け暮れていた時に、
うちで飼っている熱帯魚の水槽から、突然変な音が鳴り出した。
ベビーベッドが寝室に入らないので、赤ちゃんと二人でリビングに寝ていた。
水槽のポンプの音はしょっちゅうするのだが、その日は何だか不思議な音に聞こえた。
ブーーーー・・・ズズズズズ・・・ギューーーン・・・・・・
この辺まではいつも昼間にもたまに聞く音なのだが、その後は
ブーーー・・グググ・・・ア゛ーーー・・グァーー・・・
その内、男性が呻く声の様になり、グァーー・・・ア゛ーー・・ガーーーー
と、苦痛を伴った様な声に変化していった。
あまりに恐ろしく寝るに寝れず、その日は朝4時の、日が昇るまで起きていた。
その後その音を聞く事は無く、買ってから10年以上経った今もその水槽から、
人声の様なものは聞こえてこない。

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学校の怖い話 洒落怖

スイミングスクール

233 スイミングスクール New! 2007/08/11(土) 21:36:20 ID:wrq7BGmgO

前にハトコの話を投稿した者です。

今回はスイミングスクールに中2まで通い続けたんだが、そんときの話。
そこにはハトコも通っていて、たまたま同じ曜日で同じ時間だった。
そのスイミングスクールには生徒や親御さんの間で囁かれている噂があった。水曜日にプールに幽霊が出る。
そして足を引っ張られるのだという話だった。実際このプールで溺れた者がいるらしく、最近は女の子が溺れたということだった。
と言う話を水曜日に変更して、しばらく経ってから井戸端会議から拾ったのだった。おせぇ。
うわーまじかよと思いハトコに「知ってるか」と聞いてみると、なんと
「溺れたの私」
マジ!?
でも溺れた原因は足をつったから、だった。
何年も泳いでて溺れるってダセェなと思っていた。

234 スイミングスクール sage New! 2007/08/11(土) 21:41:33 ID:wrq7BGmgO
sage忘れた…ごめん。
続き。

そんなこんなで泳いでいると、俺は隣のコースにいる人に釘付けになった。
その人はコースの真ん中らへんで、鼻から下を水につけた状態で、ふと気付くとこっちをジッと見つめているのだ。
うわ気持ち悪…変態か?と思いつつも、それほど気にせず泳ぎ続けた。
そして気がつくとその人はいなくなっている(ガンガン泳ぐので、周りを気にする暇がなかった)。そんなことを一ヶ月くらい繰り返した。
プールサイドにいても感じる視線に、さすがにイライラしてきて「見てんじゃねぇ」という嫌悪の念を込めて睨み返していると、ハトコが寄ってきて言った。

「危ないから、あんま見んなよ」

そして、その日も睨みつけつつ、泳ぎ終わってプールから上がろうとしたときだった。
床を蹴って体が浮き上がったところを、がっと足を掴まれて引き込まれる。
とっさに足をばたつかせると、ぶにっとしたものを蹴った。「え?」と見ると俺をずっと見ていた人がすぐ後ろにいる。
236 スイミングスクール sage New! 2007/08/11(土) 21:46:18 ID:wrq7BGmgO
さっきまで12mらへんのところにいたはずだった。
うわぁと情けない声をあげて、必死に縁にすがりついた俺は、やっとのことでプールサイドに上がった。
プールを振り向くと、今さっきすぐ近くにいたヤツはプールの真ん中、12m程にいた。目を水面すれすれに出して。
元に戻るの速すぎないか?
足は掴まれた感覚が残っている。
もう頭がまっしろだった。
プールサイドから見ればヤツが見えるはずなのに、みんな「どうした」「大丈夫か」と言うばかりで、ヤツの話はしないし。
「危ないから見るな」ってこういうことかと納得した。噂のことも。
コーチには「足がつりました」と言った。仲間にも親にも。

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厳選怖い話

巣くうもの

洒落コワはここでいいのか?
何年か前にあった怖い話を投下する。

そん時は俺は地方大学の学生で、同じ科の連中とグループでよく遊んでた。
たまに混ざる奴もいて、男4~6人で女4人。
一人暮らしの奴の部屋で集まって飲んでると、よく怪談したがる女の子がいた。
決まって嫌な顔する子も居て、Aとする。
こっちの子が俺とかなり仲良かった。
怪談好きな方をBとするが、Bも別に電波とかじゃなくて、
怪談も体験談はなくて、それこそこのスレで面白い話を仕込んできてんじゃないか、
みたいな怖い話をする子で、本当は幽霊とか信じてなさそうだった。

むしろAの方が「見えるんだ」と言ってて、AはいつもBを避けてる感じだった。
2人で遊ぶとかは絶対ないし、グループでも距離を開けたがってる雰囲気で、
俺とあと一人、Aの「見える」を聞いて信じてる奴(Cとする)は、
本当に霊感があったら遊びで怪談するなんて嫌なのかもしれない、と思ってた。

129 2/5 sage 2009/02/28(土) 22:09:37 ID:+BuEMFrL0
ある日、Bと仲のいい男の一人が、恐怖スポットの話を仕入れてきてた。
車で30分くらいで行ける場所にあるそうで、Bも他の連中も面白がって、
その場で肝だめしツアー決定。

来てない他の連中も呼び出そうってことになって、俺はAに電話した。
俺自身は行く気だったけどAは来ないだろうな、と思い、
「これから~~の辺りに行くってことになったんだ。ただ、肝試しだし他にも来ない奴いると思うし」
と言った。そしたら、Aは遮るように
「それって、何か大きな空き家のこと?その辺りで肝試しって」
「あ、そう。その家の裏に何かあるらしいから」
「………よした方が良くない?ってか、やめなよ。誰かの家で飲んで怪談したらいいじゃん、わざわざ行かなくても」
よりによってAに怪談話を進められて少し驚いたが、仲間たちは既にノリノリで準備中。
「いや……みんな行く気だし。Aは気が進まないなら、今回は外していいと思うけど」
するとAは少し黙って、
「………Bは行くの?」
「行くよ。一番、やる気満々だし」
「……そうなんだ……じゃ、私も行くから、ちょっと待ってて」
たまげたことに、Aは本当に来てBと一緒に車に乗った。
結局これない奴も居て、総勢6人で、一台(ワゴン)に乗って出発した。

Bは少しKYなとこがあって、Aに距離置かれてるのもあんまり解ってないっぽく、
車中で初めは面白そうにお喋りし続けてたが、すぐに欠伸をし始めた。
「バイトとかで疲れてんのかなー。眠い~」
 眠そうに呟くBに、Aが
「寝てなよ。着いたら起こしたげる」
「ありがと。ごめん、少しだけ寝る」
Bは運転してる奴に断ってうとうとし始め、Aは黙って窓の外を見てた。

130 3/5 sage 2009/02/28(土) 22:12:26 ID:+BuEMFrL0
で。着いたときもBは起きなくて、もはや完全に熟睡。てか爆睡。
「寝かしとく?」って俺らが顔を見合わせたら、Aが
「連れてくね。後で怒るよ、置いてったら」
ってBを担ぎ起こして、強引に車から出したんだよ。
仕方ないからCが背負ってやったんだけど、AはBの手を掴んでて、
他の車の奴らが降りてきたら、一番先頭に立って歩いてった。

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厳選怖い話 暴力団・やくざ

地下の井戸

これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。
ばれたら相当やばい。まだ生きてるって知られたら、また探しにかかるだろう。
 でも俺が書かなきゃ、あの井戸の存在は闇に葬られたままだ。だから書こうと思う。文章作るの下手だし、かなり長くなった。しかも怪談じゃないから、興味の湧いた人だけ読んで欲しい。
今から数年前の話。俺は東京にある、某組織の若手幹部に使われてた。Nさんって人。今やそういう組織も、日々の微妙にヤバい仕事は、アウトソーシングですよ。それも組織じゃなく、個人が雇うの。警察が介入してきたら、トカゲの尻尾切りってやつね。

その代わり金まわりは、かなり良かったよ。俺は都内の、比較的金持ちの日本人、外国人が遊ぶ街で働いてた。日々のヤバい仕事っていうと、すごそうだけど、実際に俺がやってたのは、ワンボックスで花屋に花取りに行って、代金を払う。
その花を俺がキャバクラから、高級クラブまで配達する。キャバクラ行くと、必ず花置いてあんだろ?あれだよ。で、花配りながら、集金して回る。

もちろん花屋に渡した代金の、3~5倍はもらうんだけどね。3万が10万、5万が25万になったりするわけよ。月に3千万くらいにはなったね。

俺がやるヤバい仕事ってのは、最初はその程度だった。それでも結構真面目にやってた。相手も海千山千のが多いからさ。相手が若僧だと思うと、なめてかかって、値切ろうとするバカもいるんだよね。

その度に暴力沙汰起こしてたんじゃ、仕事になんないわけだ。起こす奴もいるけど。でも警察呼ばれたら負けだからね。次から金取れなくなるから、組から睨まれる。タダじゃすまんよ。

そういう時、俺は粘り強く話す。話すけど、肝心なトコは絶対譲らない。一円も値切らせないし、ひとつの条件もつけさせない。

903 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:54:00 ID:wohjQNUp0
前置き長くなったけど、まあうまくやってるってんで、Nさんの舎弟のSさん、Kさんなんかに、結構信頼されるようになった。

それで時々花の配達に使ってるワンボックスで、夜中に呼び出されるようになった。積んでるのは、多分ドラム缶とか段ボール。荷物積む時は、俺は運転席から出ない事になってたし、後ろは目張りされてて、見えないから。

それでベンツの後ろついてくだけ。荷物を下ろしたら、少し離れたところで待たされて、またベンツについて帰って、金もらって終了。

何を運んでたなんて知らない。その代わり、1回の仕事で、花の配達の1ヶ月分のバイト代をもらえた。

ある夜、また呼び出された。行ってみると、いつもとメンツが違う。いつもはSさんかKさんと、部下の若い人だった。ところがその日は、幹部のNさんがいて、他にはSさん、Kさんの3人だけ。

3人とも異様に緊張してイラついてて、明らかに普通じゃない雰囲気。俺が着いても、エンジン切って待ってろって言ったまま、ボソボソ何か話してた。
「・・・はこのまま帰せ」
「あいつは大丈夫ですよ。それより・・・」
途切れ途切れに会話が聞こえてたけど、結局俺は運転していく事になった。何だか嫌な予感がしたけどね。

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中国・朝鮮 殿堂入り怖い話

傷

嫌韓の人とかは読み飛ばしてください。

以前、俺は韓国人の「祟られ屋」の所に半年ほどいた事がある。
その「祟られ屋」を仮に「マサさん」と呼ぶことにする。
マサさんは10代の頃に日本に渡ってきた、在日30年以上になる韓国人。
韓国人には珍しい「二文字姓」の本名を持つ一族の出身で、
在日朝鮮人実業家に呼び寄せられた先代の「拝み屋」だった父親に付いて来日したらしい。
「マサさん」というのは、その風貌から。
現役時代のマサ斎藤というプロレスラーに似ているから。

俺はある事件で「祟り」に遭い、命を落としそうになったことがある。
その事件が生涯初めての霊体験であり、マサさんと知り合うきっかけになった。
今日はその事件について書きたいと思う。

212 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:03:20 ID:WmdfX0hw0

俺の古くからの友人にPと言う在日朝鮮人の男がいる。
Pの実家は、焼肉屋にラブホテル、風俗店や金貸しを営む資産家だった。
P家の経営するラブホはカラオケやゲーム、ルームサービスも充実して流行っていた。
「事件」があったのは、そんなP家の経営するラブホの新店舗。
新店舗もオープン当初は立地条件も良く流行っていたらしい。
しかし、ある時を境に客足がガクッと落ち込んでしまった。
まあ、お約束ってやつかな。
どうもそのホテル、「出る」らしいんだ。
そのホテルに出るだけじゃなく、Pの実家の婆さんが亡くなり、お袋さんは重度の鬱病、
親父さんも胃癌になるといった具合に身内の不幸が重なった。
地元の商店街ではPの家が祟られているという噂が流れていたようだ。
そんな地元の噂を聞きつけたのか、拝み屋だか霊媒師だかのオバサンがPのところに売り込みに来たらしい。

213 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:06:16 ID:WmdfX0hw0

そのオバサンはPらのコミュニティーでは金には汚いけれど「本物」だということで結構有名な人だったようだ。
自信たっぷりに「お前の所に憑いている悪霊を祓ってやる。失敗したら金は要らない。
成功したら500万払え」と言って来たらしい。
P本人は信心深いタマではなく、ハナッから相手にする気はなかった。
タカリの一種くらいにしか見ていなかった。
しかし、Pのオヤジさんは病気ですっかり参っていたせいもあって、このお祓いの話に乗り気だったらしい。
それでも500万という金はデカイ。
社長はオヤジさんだが、馬鹿な無駄金を使うのを黙って見ている訳には行かない。
そこで、Pは俺に「報酬10万に女も付ける。出るという噂の部屋に一晩泊まってみてくれ」と頼んできた。
ガキの頃から知っている俺が泊まって、何もなかったと言えばアボジも納得するだろうと。
万が一、本当に出たらオバサンにお払いを頼む。
出なければシカトして500万は他のラブホの改装の足しにでもする。
俺はオカルトネタは大好きだけれど、霊感って奴は皆無。
心霊スポット巡りも嫌いじゃないので快諾した。

214 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:07:29 ID:WmdfX0hw0

Pに頼まれた翌週末、午後8時過ぎくらいにPの知り合いが経営する韓デリの女の子と落ち合って、
問題のホテルの508号室(角部屋)に入った。
部屋に入った時点では霊感ゼロの俺が感じるものは特になかった。
ただ、デリ嬢のユキちゃん(ほしのあき似、Fカップ美乳!)はしきりに「寒い」と言っていた。
夏とはいえキャミ姿で肩を出した服装。
「冷房がきついのかな」位にしか思わなかった。
エアコンを止めてもユキちゃんが「寒い」と言っていたので、俺たちはバスタブに湯を溜めて風呂に入った。
バスルームでいちゃつきながら口で1発抜いてもらって、ベッドで3発やった。
部屋にゴムは2個しかなかったので3発目は生だった。
ユキちゃんはスケベですごいテクニシャン。
3時間以上頑張って流石に疲れて、1時くらいには眠ってしまった。

215 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:09:17 ID:WmdfX0hw0

どれくらい眠っただろうか。
俺は、耳元で爪を切るような「パチン、パチン」と言う音を聞いて目が覚めた。
隣で眠っているはずのユキちゃんがいない。
ソファーの上に畳んであった服もバッグもない。
俺が寝ている間に帰ったのか?
オールナイトで朝食も一緒に食べに行くはずったのに…
俺はタバコに火を付けようとしたが、オイル切れという訳でも、石がなくなった訳でもないのにジッポに火がつかない。
部屋にあった紙マッチも湿ってしまっているのか火が付かない。
俺はタバコを戻して回りを見渡した。
部屋の雰囲気が違う。
物の配置は変わらないのだけれど、全てが色褪せて古ぼけた感じ。
それに微かに匂う土っぽい臭い…
俺は全身に嫌な汗をかいていた。
体が異様に重い。
目覚ましに熱いシャワーでも浴びようと思って、俺はバスルームに入った。
シャワーの蛇口をひねる。
しかし、お湯は出てこない。
「ゴボゴボ」と言う音がして、ドブが腐ったような臭いがしてきた。
俺は内線でフロントに「シャワーが壊れているみたいなのだけれど」と電話した。
フロントのオバサンは「今行きます」と答えた。

216 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:10:25 ID:OepwUrv70

俺は腰にバスタオルを巻いた状態で洗面台で顔を洗っていた。
すると、入り口のドアをノックする音がする。
ハンドタオルで顔を拭きながらドアの方を見ると、そこには全裸のユキちゃんが立っていた。
ユキちゃんの様子がおかしい。
目が黒目だけ?で真っ黒。
そして、左手には白鞘の日本刀を持っている。
「ユキちゃん?」と声をかけても無言。そのまま迫ってくる。
そして、刀を抜いた。やばい!
俺は部屋に退がりテーブルの上に合ったアルミの灰皿をユキの顔面に投げつけた。しかし、当らない。
いや、すりぬけた?
今度は胸元にジッポを投げつける。
しかし、これもすり抜けて?入り口のドアに当たり「ガンッ」と音を立てる。
ユキは刀を上段から大きく振り下ろした。
かわそうにも体が重くて思うように動かない。
俺は左手で顔面を守った。
ガツッ、どんっ!
前腕の半ばで切断された俺の左腕が床に転がる。
俺は小便を漏らしながら声にならない悲鳴を上げた。

217 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:11:22 ID:WmdfX0hw0

床にめり込んだ切っ先を抜いて構えたユキは、更に左の肩口に刀を振り下ろす。
左肩から鳩尾辺りまで切り裂かれる。
俺はユキに体当たりしてドアの方に走る。
血に滑って足を取られながら逃げたけれど背中を切られた。
ドアを開けて外に逃げようとしたが鍵が閉まっている!俺は後を振り返った。
その瞬間、ユキが刀を振り下ろした。
首に鈍い衝撃を感じ、次の瞬間ゴンッという音と共におでこに強い衝撃と痛みを感じた。
シューという音と生暖かい液体の感触を右の頬に感じながら、俺は意識を失った。

218 傷 ◆cmuuOjbHnQ sage 2007/03/10(土) 00:13:14 ID:WmdfX0hw0

俺は頭の先で「ガリガリ」と言う音を聞いて目が覚めた。
体中が痛い。
頭も酷い二日酔いのようにガンガンする。
音のする方をみるとユキがドアをガリガリ引っ掻いていた。
何時間そうしていたのかは知らないけれど、両手の爪は剥がれて血まみれ。
ドアには血の跡がいっぱい付いていた。
俺はユキの肩を揺すって「ユキちゃん」と声をかけたけれども、
空ろな目で朝鮮語らしい言葉でブツブツ言っているだけで無反応。
俺はユキを抱きかかえてベッドに運んだ。
ベッドにユキを横たえると俺は部屋を見渡した。
勿論、俺の首も左腕も付いてる。
部屋の内装も真新しい。
しかし、俺は恐怖に震えていた。
バスルームではシャワーが出しっぱなしになっていた。
入り口のドアの手前には俺が投げた灰皿とジッポライター。
ベッドの手前のフローリングの床には小便の水溜り…そして真新しい傷…
血痕とユキの持っていた刀は無かったが。
俺はPに携帯で連絡を入れた。
Pは1時間ほどで人を連れて来るという。
とりあえず俺はユキに服を着せ、シャワーを浴びた。
熱い湯を体がふやけそうなくらいに浴び続けた。
シャワーを出て洗面台で自分の姿を見た俺はまた凍りついた。
首と左肩から鳩尾にかけて幅5ミリ位の線状のどす黒い痣になっていた。
左腕も。
背中を鏡に映すと背中にもあった。
いずれも昨晩ユキに刀で切られた場所だ。