カテゴリー
洒落怖

毬

あれは俺が小学生に上がったばかりだから、もう20年以上昔の話だ。
この前の辻事件を書いてて思い出したが、俺の住んでた村には結構、
そういった怪奇スポットがいくつかあった。今回も少し長めです。

今回は夏に行われたお化け大会の時の恐怖体験ついて書いてみる。
場所は近くの神社。そこはうっそうとした林の中にあり、昼間でも
怖くて一人では近づきたくない場所だった。ルールは簡単。ひとり
ずつ本堂の奥にある祠の前に置いてある箱からゴムボールを1個持
ってくるだけだ。

しかし小さかった俺には死ぬほど怖かった。街灯は無いので真っ暗。
皆、懐中電灯を片手に震えながらボールを取ってきた。奥の方では
悲鳴が聞こえる。上級生がお化けの役になって、下級生を驚かして
いるからだ。中には怖くて途中で引き返してくる子もいた。そうい
う子には上級生が一緒に行ってあげてボールを取ってきた。

いよいよ俺の番だ。
心臓が口から飛び出るくらいバクバクしている。半ばヤケクソ状態
で先へと進んだ。本堂までは50m位だったが本当に真っ暗だった。
緊張で懐中電灯が左右にブレる。と、俺の視界左横に何かが見えた。
人魂だ。ゆらゆらと俺に付いて飛んでいる。俺はまったく気にせず
先へ進んだ。

195 本当にあった怖い名無し sage 2010/02/25(木) 22:01:22 ID:0/ZxkvvA0
2/7
前にもちょっと書いたが小さい頃の俺はそういうものが普通に見え
ていた。なので人魂程度ではたいして驚かなかった。ようやく本堂
に着いた。左の脇道から裏へ回る。と、お化けの格好(狼男?)をし
た上級生が飛び出てきた。ヒィ!あまりに突然だったので悲鳴を上
げた。人魂より人間の方が怖い。俺は先へ進んだ。

次に出てきたのは鹿のお面をかぶった鹿男だった。ヒヒーンと鳴い
ている。俺は無視するように祠へ向かうと箱からボールを取った。
と、頭上から白い服を着た人形が垂れ下がってきた。さすがに、
これには腰を抜かした。ブランブランと揺れている人形をしばらく
見ていたが、ハッと我に返り本堂の逆サイドから帰ろうとした。

あまりの怖さに泣きべそをかきながら走った。そして本堂の脇を抜
ける時、誰かが本堂の外廊下に座っているのが見えた。お化け役の
上級生かと思ったが体は俺と同じくらいの大きさだ。着物を着て、
おかっぱ頭。女の子のようだった。手には赤い毬?を持っていた。

(先に行った子かな?何でこんな所に座ってんだ?)

俺は無視してその子の前を走り抜け、そのままスタート地点まで戻
った。俺はゼェゼェ言いながら係の子にボールを渡した。

あれ?何だこれ? おい、こんなの入れてあったか?

196 本当にあった怖い名無し sage 2010/02/25(木) 22:02:54 ID:0/ZxkvvA0
3/7
俺は何のこっちゃ?と思ったが、渡したボールを見て愕然とした。
それはボールではなく、毬だった。それもあの子が持っていたのと
同じ赤い毬だった。俺は確かにあの時、箱から黄色いゴムボールを
取り出したはずだ。それがいつの間にか毬に替わっていた。。。

カテゴリー
洒落怖

入ってはいけない辻

あれは俺が小学生の頃だから、もう20年も昔の話だ。
今回は少し長いっす。

俺の出身は北関東の寒村で、周りは田んぼと山だらけだった。
だから子供の頃は田んぼで藁の束を積んで秘密基地を作ったり
河で魚を取ったりして遊んだもんだ。村の人たちも皆いいひと
ばかりで、田舎ならではの良さがある村だった。

そんなよくある田舎の村だったが、たった1度だけ、村全体が
恐怖に陥った出来事があった。今日はその事件を書いてみる。

その村には「絶対に入ってはいけない辻」というものがある。
辻とは言っても小さな丘のような所で、幅3m、奥行き10m、
高さ1mほどの大きさだった。そしてその辻の上には、小さな
石碑と半鐘?(時代劇の火事とかで登って叩く鐘)のようなもの
があり、周りは田んぼに囲まれていた。

理由はわからないが、親や婆ちゃん(父方の)からは、あそこで
遊んじゃいけねぇよ、といつも言われていた。何でもあそこを
いじったりすると血の雨が降る、という言い伝えがあるそうだ。
確かに子供の俺から見ても不気味なふいんきがビンビン感じら
れる場所だった。

それは2月の寒い日のことだった。

145 本当にあった怖い名無し sage 2010/02/25(木) 02:14:17 ID:0/ZxkvvA0
2/7
俺と友達は凧揚げをすることにした。この地域は冬はいつも
大風が吹いてるから凧揚げにはもってこいだったんだ。いつも
のように近所の田んぼで揚げていると、かなり乗りがいい。
釣竿のリールに糸を巻いて凧につないでるんだが、ぐんぐん凧
が昇っていった。

こりゃすげーや、あんなに小さくなっちまったぜ!
俺は喜んでリールを緩め、どんどん高く凧を飛ばしていった。
しかしこの日は風が強すぎた。ブチッという音と同時に凧が回転
しながら遠くへ飛んでいった。アチャー・・・まいったな・・・

俺は友達のかっちゃんと凧を探しに走った。と、ほどなくして
先を進むかっちゃんの声がした。「あったぞ~」俺は見つかって
よかったと安心したが、それはすぐに不安へと変わった。。。

どうする?
う~ん・・・どうしよ・・・

凧は例の辻の半鐘に引っかかっていた。風でバタバタと揺れている。
今までここは通り過ぎることはあっても、登ったりしたことはない。
しかも親達からは絶対入ってはいかんと言われている。そのことは
かっちゃん家も同じだった。太陽はまだ高かった。しばらく悩んで
いたが、かっちゃんが「長い棒で引っ掛けて取ろう」と提案した。
俺はいいアイデアだと思い早速二人で棒を探した。

146 本当にあった怖い名無し sage 2010/02/25(木) 02:15:44 ID:0/ZxkvvA0
3/7
棒は意外と早く見つかった。かっちゃんがやると言い、少し離れた
所から凧に向かって棒を伸ばした。半鐘までの高さは3m弱といった
ところか。何度か突っついたが、全然取れる様子もない。頭にきた
かっちゃんは足元の石ころを投げつけた。カーン・・・半鐘に当たった。
錆付いた半鐘からはその外見からは想像もつかない程良い音がした。

カテゴリー
洒落怖

ターザンごっこ

私がまだ幼稚園に通っていたころの話。
昔から運動神経が芳しくなかった私は、家の習いでK葉山の天狗様へお借り面
をしに行く際に、よく運動ができるようになりますようにとお願いしたものです。
そんな私ですから、どちらかというと校庭で遊ぶ活発な友達によく置いていか
れていましたが、負けず嫌いだったので後ろにかじりついて一緒にあそんでいたものです。
もちろん、置いて行かれてしょっちゅう泣いていましたが。
その日も私は半泣きになりながら、ターザンごっこに興じる友達に混ざって遊んでいました。

898 本当にあった怖い名無し New! 2012/01/23(月) 21:52:27.12 ID:SHL8GCgj0
ターザンごっことは、いまあの幼稚園にその遊具があるかどうかはわかりませんが、
大体3,4メートル程度の長さほどある綱の上に滑車を取り付けて滑車からたらした綱に
つかまって端から端まで滑空(走らせる?)遊具で、ターザンのような「あーああーー」という
ちょっと今じゃできないような叫び声をあげつつみんなできゃいきゃいわあわあする遊びです。
これがなかなか楽しいのですが、はっきりいってとろくさい私にはうまく滑車を端から端に滑らす
ことができず、というか、ちゃんと綱につかまることもままなりません。
ので、私が混ざると、私がぎゅっと綱に掴まってから友達一人が私を前に押し出し、
私の掴まってる綱を前方で待っていた友達がうまくキャッチして私ごと綱を引っ張っていき、
勢いをつけて端まで持っていくというもはやターザンごっこでもなんでもない、
はたから見たらなにこれイジメ?的な(私も友達も大真面目で遊んでいたのですけれど)
ことをしていました。
そしてその日もそんなことをしていたわけですが、私の記憶が正しいのなら、
親が迎えに来ていたので、放課後の話になるとおもいます。

901 本当にあった怖い名無し New! 2012/01/23(月) 21:54:45.65 ID:SHL8GCgj0
今では虚弱体質な母ですが当時はそんな面影はまったくなく、
当時はただの活発で姦しいアフロヘアーの母で、
幼稚園のママ友と楽しそうに話をしていました。
私はそれを横目で確認しながら綱にギュっとしがみつき、
友達にお願いして背中を押してもらいました。
ジャアッ!という少し重たい金属音とともに滑車は滑り出して、
前方でスタンバってた友達も私の掴まってる綱を見事にキャッチし、
友達に引っ張られた綱はぐんぐん速度を上げていきます。
グンッと友達は最後の勢いをつけて手を離しました。
後は末端の黒いゴム製の衝撃吸収なんちゃらにぶち当たるまでの短い時間を
綱にしがみついてればいいだけです。

902 本当にあった怖い名無し New! 2012/01/23(月) 21:55:58.72 ID:SHL8GCgj0
と、そこで記憶の中の私の視界は、何故かママ友と話してたアフロヘアーの母を捕らえます。
驚愕した、母の顔です。話していたはずのママ友も遠くで花壇の世話をしていた先生も、
全員私をみています。一様に、驚愕した顔で。その後空を見ました。
高く青く、抜けるような空。遠くなる空に入り込むように現れる、握っていたはずの薄汚れた綱、
それから灰色とも薄茶とも黄土色ともとれる、良く見知った校庭の土。
その土を汚す赤い、水のような何か。
それをすべて見届けた後、脳裏を劈くような悲鳴が私に届きました。

カテゴリー
後味の悪い話

猟と漁

>>435日本昔話でも鬱展開なのが多かったなぁー

その1  山里に貧しい母と幼い姉妹が住んで、貧しいながらお互いに
助け合って健気に生きていた。
山の頂上には山神様の祀ってある祠があったが、言い伝えで女人禁止と
されていて女人は山の入り口の祠に参ることになっていた。

ある日、母親が重い病になり心を痛めた姉妹は毎日ふもとの祠に
「お母さんのの病気を治してください」とお参りをしたところ、奇跡的に母親の
病気が治癒したので、喜んだ姉妹は女人禁制を知らずに
「こんなふもとの祠でなく、山の祠の神様に直接お礼を言いに行きましょうか」と
山に入ってしまったところ、晴れていたのが急に猛吹雪になり
姉妹は雪に中に埋まって死んでしまいましたとさ。

その2  海に近い山の中に若い母親と乳飲み子が住んでいた。
父親は猟師だったが、山の事故で死んでしまっていたので
母親の仕掛けた罠で、僅かな小鳥を捕って何とか生きていたものの
食べ物が足らず、乳飲み子のための乳すら満足に出なくなってしまい
思い余った母親は禁を破って、乳飲み子を抱えて山から下りて海辺に行った。
村では猟と漁の者ははっきり分かれていて、お互いに侵さない掟があった
ものの、若い母親が海辺で捕るくらいは・・と、漁師たちも見て見ぬふりを
してくれたので、母親は乳飲み子を砂浜に寝かすと引き潮の浅瀬で
魚を獲ろうとしたが、素人の母親に捕まる魚などおらず
「何とか獲らなければ赤子が飢える」と必死の母親の前に
美味しそうな大きな二枚貝が見えて、思わず手を出したところ
突然貝が母親の手を挟んで閉まり、母親は動けなくなってしまった。
海の者なら誰もが知っていて手を出さない危険な貝(大きなシャコ貝?)だったが
山に住んでいた母親はその事を知りませんでした。
猟師が異変に気がついた時には既に遅く
母親も赤ちゃんも満ち潮に溺れで死んでしまいましたとさ。

子ども心になんちゅー展開やねん!と、印象残る話だった。orz

446 : 本当にあった怖い名無し : 2009/08/27(木) 20:00:33 ID:bfANfm6v0
>>438のその2を見て、「吉作落とし」を思い出した。

吉作は働き者のたくましい若者で、危険なイワタケ採りを仕事にしていた。
イワタケは崖の面に生える珍味の地衣類で、命綱一本で下りていく。
その日、吉作はイワタケがたくさん生えた場所を見つけ、夢中になって取っていった。
ひとしきり仕事を終えると、すぐ下方に人ひとりが休憩できる程度の岩棚を見つけた。
縄から手を離しそこに降りて休んだ吉作は、帰ろうとして、
今まで自分の体重で垂れ下がっていた縄が軽くなってやや上方に上がり
手を伸ばしてもギリギリ届かない位置になっていることに気付いた。
吉作は助けを求めて必死に叫んだ。何日も何日も過ぎ、体力を消耗していった。
山を通りかかり吉作の声を聞いた者もあったが、叫び続けてすっかり喉が潰れ
山間にこだます声を聞いた人々は、天狗や化け物の声かと恐れた。
やがて、ある夕方、意識も朦朧としてきた吉作は、ふと
小さな石のかけらが足場から落ち、上から見ると、ゆっくりとまるで木の葉のように
ふわりと降りて行くのを眺めて、自分もこんな風にそっと麓へ舞い降りれるのではないかと思った。
吉作はついに崖から身を躍らせた。 谷間の岩は、林の紅葉よりも赤く染まって美しく見えた。
生まれて初めて見る美しさだった。その美しさの中に吉作は消えていった。

カテゴリー
後味の悪い話

毒舌芸人

50 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/06(水) 12:07:19.87 ID:w4weebpfO
星新一の、痛快だけど後味悪い話。

芸能プロデューサーが無職男を拾い、毒舌芸人に仕立て上げる。
台本がうけただけなのに、天狗になった男は独立する。そして…
ホテルの部屋を先約があるからと追い出される。

タクシー乗車拒否。
店員に無視されまくり。
不動産屋は空き物件がないと言う。
人権派弁護士は被害妄想だと言う。
プロデューサー→あの芸風はもって半年、計算通り独立を申し出てくれてありがとう。
人相を変えようと美容外科に行けば、医療ミス云々の誓約書を押し付けられる。

ネタにしたあらゆる職業に復讐されましたとさ。

カテゴリー
子どものころの怖い話

踏み入れるべきではない場所

334 踏み入るべきではない場所 1/7 sage 2005/09/30(金) 11:21:32 ID:ItZOrWPy0
始めに書きますが、とても長い話です。
よろしかったらお付き合い下さい。

私がまだ小学校低学年の幼い子供だったころに、
趣味で怖い話を作っては家族や友達に聞かせていました。
「僕が考えた怖い話なんだけど、聞いてよ。」ときちんと前置きをしてからです。
特にじぃちゃんが私の話を喜んで聞いてくれました。
私はそれがとても嬉しかったんです。熱心に聞いてくれるのと同時に、こわがってくれたから。

そんな折、私の作った話がクラスの中で流行りだしました。
放課後の男子トイレで個室を叩くとノックが返ってくる。といったありがちな話です。
クラスの女子の間であっという間に流行り、噂は学年中、学校中へと広まりました。
「男子トイレの前で手招きする男の子を見た」とか言い出す女子も出てきていて
私がやっとその噂を知って「僕の作り話だってば」と言ってもきかず、
その後もまことしやかに囁かれ続けました。
ついにはそこで肝試しを始めるグループまで現れてしまいました。

335 踏み入るべきではない場所 2/7 sage 2005/09/30(金) 11:22:49 ID:ItZOrWPy0
その肝試しでしたが、なにも起きるわけがないのに、
グループの子供が皆「ノックの音が返ってきた」と言うんです。大変な騒ぎでした。
そんなワケないだろ!?と思って作り話だということをアピールしようとしたのですが
当時の私は皆に冷たくされるのが怖くて言い出せませんでした。
しかし、そのうち私は自分の話が本当になってしまったのではないかと思うようになり、
すごく恐くなって自作の怖い話をすることをやめました。

その騒動があってからしばらくして
じぃちゃんが、怖い話をしなくなった私に「もう怖い話しないのかい」と聞いてきました。
私はもう泣きじゃくりながらその話をじぃちゃんにしたんです。
ほうかほうか、とやさしく聞きながら、こんなことを話してくれました。

336 踏み入るべきではない場所 3/7 sage 2005/09/30(金) 11:24:08 ID:ItZOrWPy0
 それはな、みんなが坊の話を本当に怖いと思ったんだ。
 坊の話をきっかけにして、みんなが勝手に怖いものを創っちゃったんだよ。
 怖い話を作って楽しむのはいいけど、それが広まってよりおそろしく加工されたり、
 より危険なお話を創られてしまうようになると、
 いつの日か「それ」を知ったワシらの目には見えない存在が、
 「それ」の姿に化けて本当に現れてしまうようになるのかもな。
 あるいは目に見えるものではなく、心のなかにね。  

 「おそれ」はヒトも獣も変わらず持つもの。
 「おそれ」は見えないものも見えるようにしてしまう。本能だからね。
 だから、恥ずかしくないから、怖いものは強がらずにちゃんと怖がりなさい。
 そして決して近寄らないようにしなさい。そうすれば、本当に酷い目にあうことはないよ。