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電車

千葉に母親の実家があって、大学の夏休み中しばらくそこでやっかいになる事になった。
その実家は東京から電車に乗って、そこからバスに乗り、さらに十数キロ歩いて行ってようやく辿りつける様な田舎だった。
1人で寂しく暮らしていた婆ちゃんは、俺が来ると喜んで出迎えてくれた。久し振りの田舎暮らしは心が洗われる気分になった。
1週間経ったその日、世話になった婆ちゃんにお礼を言い、俺は朝一番で実家を出た。
田んぼもほとんどない所で、うっそうと生えてるアシやら遠くの竹林なんかを眺めながら、
のんびりとバス亭まで歩いた。
1時間ほど歩いたところで、横道の先のほうに長屋の様なものが見えた。
近づいてみると、それは古びた木造の駅舎だった。
「来た時こんなのあったかな・・・」と思いつつ、中に入ってみた。駅員もいないし人影は一切なかった。
もう何年掃除してないんだと思うくらい駅の中は汚れていて、柱の塗装なんかもボロボロにはがれていた。
昔使ってた駅で今は使ってないんだろうと、元来た道へ戻ろうとした時、線路の向こうから電車が来るのが見えて驚いた。
全体が黄土色で、ところどころ色がはげている。
その電車はまっすぐ駅に入ってきて、先頭車両が俺の目の前に止まった。

922 本当にあった怖い名無し sage 2012/09/28(金) 12:30:58.33 ID:4mnZzx0s0
薄汚れた窓から中の乗客も何人か見える。みんなこっちに背中を向けて立っている。
スーツを着た男性や、着物を着た女性の姿もぼんやりだが見える。
しかし先頭車両の扉は開かず、少し離れた3番目の車両の扉の1つだけが開いた。
俺は乗るのをためらった。
この電車に乗って東京に帰れるかどうか疑問だったし、
なにより目の前に止まってる電車は、言葉で説明しにくい不気味な雰囲気を放っていた。
俺は、この電車をやり過ごそうとしたが、1分、2分経っても一向に出発する気配がない。
中の乗客の体はゆらゆらと常に揺れている様にも見えた。
まるで宙に浮いているような・・・と言っても足元までは見えないのだが。
俺はいつの間にか、金縛りにあった様に体が固まって動けなくなっていた。
そして5分以上経過した頃、開いていた扉が閉まり、電車が動き出した。
通り過ぎる車内が次々目に入ってきてギョッとした。2両目3両目の乗客も全員後ろを向いていた。
そして最後尾の車両が通り過ぎる時、運転席の窓から車掌が顔を出した。生気のない真っ白い顔。
顔を不自然なくらい上に向け、大きく口を開けて目玉だけを俺のほうへ動かして、なにか叫んだように見えた。
電車が通り過ぎた後もしばらく動悸が止まらなかったが、体は自由に動いた。
その後は、いくら待っても電車が来ることはなかった。
今考えてみると、あれは1日1本しか電車が来ない駅で、あれに乗れば東京に帰れたかも知れない。
でも、もしそうじゃなく、乗っていたらどうなっていたのか、と思うと未だに身震いしてしまう。

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老夫婦

すいません。初投稿です。文章書くなんて高校の作文以来なんで、変な部分があっても笑って許してください。
平成4年の夏の話です。
当時はまだ北東北まで行くと機関車が客車を引っ張ってる普通列車が沢山合って、その写真を撮りに良く行ってました。
ただ、今みたいにレンタカーが充実してなかったので、列車で行って、駅から歩いて写真撮ってました。
あれは奥羽線の北のほう。大釈迦と言う駅から歩いた時の話です。
午後3時頃に駅へ降りて、そのまま線路沿いを弘前方面へ歩いていったのです。
途中で何枚も写真を撮って、気がつけば夕暮れを通り過ぎ暗くなる頃でした。
国道7号線こそ車がビュンビュンと走っていたのですけど、
線路沿いの道は薄暗く、茂みからは蛙や虫の鳴き声がしてました。
駅へと急いだのですが、運悪く足を滑らせて用水へ落っこちました。
用水は2mほどの深さがあって、自力では這い上がれません。
とっさにカメラバッグと三脚を放り投げて身一つで落っこちたのです。
膝くらいまで水につかっていて、おまけに蚊が凄いしくもの巣だらけになりました。
ただまぁ、若かった事もあって無様に落っこちず上手く着地したのが救いです。

さて、どうやって脱出したもんかと思っていたのですが、まともに這い上がれそうな所は一箇所もありません。
これは困ったな。と。当時はまだ携帯電話もなかったですしね。
しばらくしたら用水の上に人の気配がしました。思わず『すいません!用水に落っこちました!助けてください!』と声をかけました。
そしたら何も言わずに竹のはしごが下ろされたんです。上がって見たら小柄なおじいさんとおばあさんが並んでました。
お礼を言って駅へと急ごうかと思ったんですが、手招きして早口の津軽弁で何か言ってるんです。
言われるがままについて行ったら、踏み切りの近くの農家に入っていきました。
何かと思ったら、風呂に入って飯を喰っていけとの事でした。
最初は断ったんだけど。ありがたくいただく事になって、風呂に入り飯を喰い、おじいさんとアレコレ話をしまして。
泊まって行けと言われたんですが、仲間が青森駅前のホテルに居るので最終列車で青森へ帰ると話、丁重にお礼を言って財布を開けたんです。
メシ喰って風呂に入って『ありがとう』じゃ拙いですしね。

40 24 sage New! 2012/10/24(水) 09:29:03.76 ID:6ky02F6u0

財布を空けたら5000円札が姿を現したんで『良かったらタバコ代にでも』と、置いていこうと思ったんですけど、
どう言うわけか頑として受け取ってくれなくて、で、列車の時間もあったもんだから、繰り返しお礼を述べて駅へ向かった訳です。
で、その夜はそのまま青森へ行って仲間と合流して、駅前の食堂で飲みなおして寝たわけですが。

次の日、弘前行きの列車に乗って車窓を眺めていたら、踏み切り沿いに立ってたはずの大きな農家が無いんです。
気になって気になって仕方が無くて、駅から歩いて行ったら、たしかここだと言う場所は雑木林になってました。
駅間の踏み切りは6箇所で、段々怖くなって結局大釈迦まで歩いたんですが、全部の踏み切りを回ったけど、
そもそも踏み切り沿いに家なんか立ってないんですよ。畑だったり田んぼだったり、或いは雑木林とか荒地とか、そんな感じ。
前の晩に見た、ぽつんと立ってる一軒家の大きな農家なんてもんが影も形もありません。

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地図に載ってない村

今、キサラギ駅の話しを見て似たような体験したんだけど書いてもいい?
あと、似てるのは太鼓の音と謎の地名だけで、電車に乗ってないしGWにバイクで一人旅中の出来事でした

需要無ければROMに戻ります

19 まーも sage New! 2013/05/16(木) 10:12:53.35 ID:C81iP/Mx0
とりあえず、今月の5日に岐阜から三重まで雑誌のB級グルメ巡りに行った時の話しです。

前日に80分2マンで頑張ったり沢山寝たため昼から三重へと向けて出発しました。
マップル片手にバイクで一人旅は初めてですた

20 まーも sage New! 2013/05/16(木) 10:28:39.43 ID:C81iP/Mx0
三重に15時位についたのかな?
目的のB級グルメ6品を食してさあ帰ろうってのが17時位?
とりあえず、来た道は覚えていたので適当に戻ってました。
帰りはえらく道が混んでいたため桑名に入った辺では暗くなり、周りの景色か昼とは違ってココ何処状態

でも、方向感覚には自信があり車通りもあるし大きい道だったし特徴的な目印は覚えていたので道は特に確認せずに真っ直ぐで合ってるだろうってことで前進しました。

21 まーも sage New! 2013/05/16(木) 10:44:56.53 ID:C81iP/Mx0
で、気がついたらガソリンあと1個周りど田舎真っ暗なんにも無いって気がついてメールで友達に連絡
とりあえず、ココ何処状態の事、ガソリンピンチな事、今までの経路を伝えた。
周りの状況もって事で太鼓の音がするっても伝えた。
返事来るまで現在地確認したがマップルでも地名が不明のため、現在地判明せず
この時すでに携帯の電池は充電してください状態
何か無いかとサイドバック漁ったらカッパ、冬用手袋、鼻セレブ発見
寒かったのでカッパと冬用手袋を装着して防寒しました

22 まーも sage New! 2013/05/16(木) 11:19:59.44 ID:C81iP/Mx0
で友達aから返信来た
・また、ガソリン一つで迷子とかwwww
・お前の事は忘れないよ
以上
b子の返信
・霊体験した人って太鼓の音聞くよねwwやばくね?ww
・まーもの事、忘れないよ。今までありがと楽しかったよwww

友達あてにならず。

23 まーも sage New! 2013/05/16(木) 11:22:02.60 ID:C81iP/Mx0
とりあえず、バイクは燃費が良いので前進しました。
すると、看板発見
字が読めんwww
ここで、友達cから返信
・そういうときって地図に載ってない村が出てくるらしいよww入って迷ったら二度と出てこれんらしいけど楽しいじゃんwwwww

フォォォ遅いwwww((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

とりあえず、虫と鳥を足して2で割った漢字と飛って字の村が出てきた
看板も
○飛村←って書いてあってよく道にある白地に青の文字が書いてあるだった
この時、太鼓の音は遠くに行った気がした

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時間・空間

X駅

俺は五年前、大学一年の時に糖質になった。
最初は何となくやる気が起きないことから始まったんだが、そのうち
大学の構内とか、人込みの中とかで、俺の悪口が聞こえるようになったんだ。しかも人が気にしてるような、えげつない悪口が。
当時、俺はそれが幻聴だなんて解らなかった。ただ、誰かが腹の立つ
ようなことを、こそこそと囁いているというような認識だった。
俺は次第に鬱病のようになり、部屋に引きこもってしまった。それでも
悪口は聞こえてくる。俺は怖くなって、下宿の隙間という隙間を目張り
して、完全に籠城するようになった。
心配した友人が訪ねてきたのだが、話をするうちに、どうも俺の方が
おかしいという結論になり、病院へ行った。そしたら糖質だった。
(簡単に書いたが、ここまでで半年は経過している)

398 390 sage New! 2014/01/25(土) 00:03:17.03 ID:M63QCTQ20
周囲と相談し、俺が一人で生活することは困難という結論に至った。
俺は大学を休学し、急遽田舎へと帰ることにした。都会のK駅を発った
のは、夜の七時くらいのことだった。駅に至るまでの雑踏や、電車の
中では、始終、本物と変わりない悪口が聞こえていた。
電車の外は段々と暗くなり、乗客も次々降りてゆく。
俺が住んでいたK府(つうか京都府)から田舎のN駅までは、一度だけ
乗り換えをしなければならなかった。
俺は予定通りY駅で降りたんだけど、乗り換えるべき電車がない。
困り果てて駅員に相談したところ、どうやら俺は駅を間違えたらしい。

399 390 sage New! 2014/01/25(土) 00:03:53.63 ID:M63QCTQ20
「この駅で降りるはずがないんだけどなあ」と思いつつ、俺は駅員に
Y駅へ至るまでの路線を聞き出した。駅員は、この駅から出る電車
に乗り、X駅で乗り換えをしなければY駅には着かないと言った。
おかしい、おかしいと首を傾げつつ、俺は糖質だから、
俺の方こそおかしいんじゃないかとも思った。
駅員が指示する電車に乗り、俺はX駅へと向かった。
けれど後々のことを考えれば、やっぱおかしかったのかもしれない。
電車の中では、やっぱりずっと悪口が聞こえていた。
(X駅が何であったかよく覚えていない。知らない駅だった)

400 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/01/25(土) 00:05:58.77 ID:M63QCTQ20
X駅に着いたのは、二十分ほど経った後だ。
ただX駅に着いて愕然としたのだけど、そこは山の中の駅だった。
まあN駅まで田舎の路線を走っていたこともまた事実だが、
それにしてもこの寂れ具合は驚いた。狭い山の中の集落で、まばらな
家々が見える他は、ただ田んぼがあるばかりだった。
駅員からは乗り換えるだけでいいと聞いていたけれど、次の電車が
いつ来るのか不安になってしまった。だって、線路は一本だけしか
なかったし。時刻表のようなものもプラットフォームにはない。
明かりは電球が一つあるだけだし、誰もいないのに悪口は聞こえてくる
(また間違えたのwwみたいな)し、気分は最悪だった。
とりあえず、俺はまた駅員に路線を聞いてみることにした。
駅員がいるのか、という疑問はあったが。

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心霊良い話

一緒に探してくれた人

24 名前: あなたの横にも名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/13(火) 10:07
知っている方も多いかと思いますが、書き込みします。
これは毎日新聞の記者さんが実際に聞き、掲載したお話です。
ある日の雨の降る夜、会社から家路を急いでいたAさんが田んぼのあぜ道で何かを探している人に気付きました。
「どうしました?」Aさんが問い掛けるとその男性は消え入りそうな声でこう言いました。
「長男に買ってきた消防車のオモチャが見つからないんです。」
「そうですか・・・一緒に探してあげましょう。」とAさんも泥がつくのもイヤがらず一緒に探しました。
でも、どんなに探しても全然見つかりません。
二人で泥だらけになりながら、雨の中必死で探しました。
「無いですねぇ・・・。」と何気なく男性の横顔を見たAさんはおかしな感覚を覚えました。
「・・・あれ?、この人どっかで見た様な・・・。」
でも、そんな気にも留めませんでした。
「無いなぁ・・・困ったなぁ・・・。」そう言う男性を慰め、ほんのちょっと下を向いた時に、
男性の気配が無くなりました。
「あれ?」周りをいくら見渡しても男性の姿は見えません。
「おっかしいなぁ・・・」不思議と怖さも無く、泥だらけの姿で家に帰りました。
その泥だらけの姿を見た母親から「どうしたの?」と尋ねられたAさんは今あった事を母親に話ました。
みるみる内に母親の顔色が変わって行きます。
「どうしたん?」そう言うAさんの前に母親は古いアルバムを持って来ました。
「その男の人って・・・この人かい?」
Aさんがアルバムを見ると、そこには幼いAさんを抱いたさっきの男性が写っていました。
「あ・・・・・。」
Aさんは言葉を失いました。
母親はAさんが小さかった頃他界した父親の話をしてくれました。
おもちゃの消防車を買って帰る途中で車にはねられる事故で他界した事も・・・。
「あんたが一緒に探してくれて良かった。」と母親は号泣したそうです。

以上がそのお話です。
これは全てウソの話です。
毎日新聞の記者もウソだと知って掲載したそうです。
その記者はこの文章を、こうくくっています。
「これはウソの話ですが、僕はこのおもちゃの消防車を探す幽霊が大好きです。」

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心霊良い話

着物の少女

772 本当にあった怖い名無し sage 2005/07/26(火) 18:17:06 ID:amlXWpEo0
着物の少女

 毎年夏、俺は両親に連れられて祖母の家に遊びに行っていた。
俺の祖母の家のある町は、今でこそ都心に通う人のベッドタウンとしてそれなりに発展しているが、二十年ほど前は、隣の家との間隔が数十メートルあるのがざらで、田んぼと畑と雑木林ばかりが広がるかなりの田舎だった。
同年代の子があまりいなくて、俺は祖母の家に行くと、いつも自然の中を一人で駆け回っていた。それなりに楽しかったのだが、飽きることもままあった。
 小学校に上がる前の夏のこと。俺は相変わらず一人で遊んでいたが、やはり飽きてしまっていつもは行かなかった山の方へ行ってみることにした。祖母や親に、山の方は危ないから言っちゃダメと言われていて、それまで行かなかったのだが、退屈にはかなわなかった。
 家から歩いて歩いて山の中に入ると、ちょっとひんやりしていて薄暗く、怖い感じがした。それでもさらに歩いていこうとすると、声をかけられた。
「一人で行っちゃだめだよ」
 いつから居たのか、少し進んだ山道の脇に、僕と同じくらいの背丈で髪を適当に伸ばした女の子が立っていた。その子は着物姿で、幼心に変わった子だなと思った。
「なんで駄目なの?」
「危ないからだよ。山の中は一人で行っちゃ駄目だよ。帰らなきゃ」
「嫌だよ。せっかくここまで来たんだもん。戻ってもつまらないし」
 俺はその子が止めるのを無視していこうとしたが、通りすぎようとしたときに手をつかまれてしまった。その子の手は妙に冷たかった。
「……なら、私が遊んであげるから。ね? 山に行っちゃ駄目」
「えー……うん。わかった……」
 元々一人遊びに飽きて山に入ろうと思い立ったので、女の子が遊んでくれると言うなら無理に行く必要もなかった。
 その日から、俺とその女の子は毎日遊んだ。いつも、出会った山道のあたりで遊んでいたので、鬼ごっことか木登りとかがほとんどだった。たまに女の子がお手玉とかまりとかを持って来て、俺に教え込んで遊んだ。
774 本当にあった怖い名無し sage 2005/07/26(火) 18:18:04 ID:amlXWpEo0
「健ちゃん、最近何して遊んでんだ?」
「山の近くで女の子と遊んでる」
「女の子? どこの子だ?」
「わかんない。着物着てるよ。かわいいよ」
「どこの子だろうなあ……名前はなんつうんだ?」
「……教えてくれない」
 実際その子は一度も名前を教えてくれなかった。祖母も親も、その子がどこの子かわからないようだった。とりあえず村のどっかの家の子だろうと言っていた。
 その夏は女の子と何度も遊んだけど、お盆を過ぎて帰らなきゃならなくなった。
「僕明日帰るんだ」
「そうなんだ……」
「あのさ、名前教えてよ。どこに住んでるの? また冬におばあちゃんちに来たら、遊びに行くから」
女の子は困ったような何とも言えない顔をしてうつむいていたが、何度も頼むと口を開いてくれた。
「……名前は○○。でも約束して。絶対誰にも私の名前は言わないでね。……遊びたくなったら、ここに来て名前を呼んでくれればいいから」
「……わかった」
 年末に祖母の家に来た時も、僕はやはり山に行った。名前を呼ぶと、本当に女の子は来てくれた。冬でも着物姿で寒そうだったが、本人は気にしていないようだった。
「どこに住んでるの?」「今度僕のおばあちゃんちに遊びに来ない?」などと聞いてみたが、相変わらず首を横に振るだけだった。
 そんな風に、祖母のうちに行った時、俺はその女の子と何度も遊んで、それが楽しみで春も夏も冬も、祖母の家に長く居るようになった。
 女の子と遊び始めて三年目、俺が小二の夏のことだった。
「多分、もう遊べなくなる……」
 いつものように遊びに行くと、女の子が突然言い出した。
「何で?」
「ここに居なくなるから」
「えー、やだよ……」
 引越しか何かで居なくなるのかなと思った。自分が嫌がったところでどうにかなるものでもないとさすがにわかっていたが、それでもごねずには居られなかった。