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昼になっても雨と風は更に酷くなるばかり。短い昼休みも終わり、ユンボのエンジン音が激しく鳴り
響き工事は再開された。俺も所定の工事車両出入口に立った。
その直後『ドーンッ』という大きな音とともに作業員の歓声があがった。何事かと振り返るといつもの
見慣れた現場の風景と何か違う。何かが無い。消えていたのは筒型の簡易トイレだった。
ユンボが旋回しながらバックした時に衝突し倒れ、斜面を転がり作業場の穴の方へ落ちてしまったようだ。
「オイ！誰も入ってないよな？」『全員いるから大丈夫だよ』『地盤も緩んでんだから気をつけろバカ！』
そんな作業員の会話が聞こえ、俺はとりあえず良かったという率直な気持ちと、もし人が入ってたら笑え
たのに残念という意地悪な感情が交錯した。

暫くしてクレーンで吊されトイレは地上に戻された。隙間からは汚物が漏れ出ていた。
誰がドアを開けるかで揉めたが、渋々見習作業員がドアを開けさせられた。周囲には笑いも起きていた。
そして強烈な悪臭とともにドアが開いた。茶色い塊のようなものが見えた。
皆言葉を失った。よく見るとそれは人だった。慌てて引きずり出されたのは、下半身を露呈し全身糞尿に
まみれ気絶している現場監督だった。それはもうおぞましい姿。ホースで水をかけられ意識は戻ったものの
激しい嘔吐を繰り返し意識朦朧のまま監督は救急車で運ばれていった。

翌日は朝から快晴だったが工事は暫く中止となった。その後監督が現場に復帰することは無かったという。
かけがえのない青春の夏休みの思い出だ。一生忘れまい。

495 ：あなたのうしろに名無しさんが・・・：04/05/10 03:26 ID:BkKCbT21
>493
作業員のことを考えぬ悪徳現場監督が
「安全の神様」から罰を与えられた、ということですね。
しかし「全員いるから大丈夫だよ！」って、ちょっと可哀想…。

496 ：あなたのうしろに名無しさんが・・・：04/05/10 03:46 ID:So532DJA
>493
その監督さんは事故がトラウマになって現場に戻れなくなったって感じの話だよね?

>>496
数日後、工事は再開されましたが監督は交替していました。
その後の事は俺もバイト辞めたから詳しい事情は知らないのですが、
人づてに聞いた話ではその監督は居なくなったとのこと。
建設関係は事故を内々で処理して隠すらしいからね。
被害者でありながら監督者としての責任をとらされたのか
精神的に壊れて居なくなったのかは分かりません。
大きな現場も任されたりする業界では有名な監督だったらしいです。

510 ：あなたのうしろに名無しさんが・・・：04/05/11 11:06 ID:w7Hlq4Nb
造船所で働いていた父から聞いた話
進水式の前夜には船台に乗っている船を支える杭を
間引いておいて、シャンパンガッシャーンの瞬間に残りを一気に
外すと船が静々と進水していく手はずになっている。
その、杭を間引きするのは熟練した工員があたることになっていた。
あるとき、父親が関係した船が進水することになったが、
進水式の朝、父が会社に出てみると船が船台の上にいない
前夜のうちに、工員をひき逃げして勝手に進水して
港に浮かんでいたそうな