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心霊スポット・肝試しでの怖い体験

可愛い

この間の肝試しの話。

俺は女顔のためによく冗談で可愛いと言われてしまう。
男の子だからやめてくれって言い続けてたんだが、バイト先でずっといじられるものだから男の子らしいところを見せてやろうと肝試しに行くことになった。

どこに肝試しに行くか品定めしてたところ、トンネルやお墓が候補としてあがった。
お墓に話がまとまりかけたところ、バイト先のお局さんがある旅館を紹介してくれた。
なんでもお局さんの親戚の旅館は一つの部屋がよく「でる」せいで経営が厳しいという。
お局さん自身は「怖いから行かなーい、可愛い後輩が行くって伝えとくわー」とか言ってまたいじってきた。

そんなこんなで、バイト先の先輩であるAとBと俺の3人で、その旅館に肝試しを兼ねた旅行に行くことになった。 489 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/01/27(月) 10:41:56.48 ID:rbRluzcd0
その旅館は田舎でもなく都会でもない中部地方のある温泉街にあった。
街中に馴染んでたから、本当に曰く付きだとはじめは思わなかったくらいだ。
話にあった部屋に案内される時にかなり心配されたものの、知り合い割引で宿泊費を格安にしてくれたこともあってこちらから頼み込む形で泊まることになった。
詳しく話を聞くと、その部屋では女の霊がでるらしかった。
自殺があったりだとか旅館が戦場だったりだとか、そういうよくあるフラグが全くなかったため俺達は拍子抜けして完全に観光気分に切り替わっていた。

その部屋は中くらいの部屋で、手前のこたつの部屋と襖を挟んだ奥の和室に分かれていた。
でるという部屋は手前のこたつの部屋で、俺達は温泉に入って飲み会をした後分かれて寝ることになった。
皆酔っていたためここへ来た意味なんかすっかり忘れて、大富豪で負けたAがこたつの部屋に、俺とBが奥の和室に寝ることになった。
492 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/01/27(月) 10:50:54.96 ID:rbRluzcd0
見てはいけないものだと思って後ろに逃げようとしたら、背中が凍りつき冷や汗が出てきた。
そして押入れからよくスロー映像とかで流れる低音で

「があああああああああああいいいいいいいいいいいいい」

という音が聞こえてきて、俺はゾッとすると共に視界がグルンと反転した。

AとBに揺さぶられて目が覚めたのは翌日の朝だった。
どうやら気を失ってしまっていたようだった。
AとBも気を失っていて、俺より早く目が覚めてからずっと俺を起こそうとしてくれていたらしい。
三人で何故かお互いに謝りあって最終的にお酒のせいになったが、俺は慣れていたせいであの声が聞き取れてしまっていた。
あれは「可愛い」と言われたんだ。
今度お祓いに行こうと思う。

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写ると

69 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:33:48.91 ID:TxWDnHuK0
中学の頃、霊感があると言われていた凄く目力のある福耳の先生がいた。
私は道場で空手を習っていてたが、中学の空手部は弱くて入る気はなかったので福耳の先生に誘われた文芸部に所属していた。
この福耳の先生が厄介な人で空手部も掛け持ちで顧問をしていた為、中学二年になる頃にはときどき練習や試合に駆り出されていた。
そんな中学二年の夏休みだった。
空手部が一泊二日の強化合宿をするので来ないかと誘われたのだ。
場所を聞くとなんと学校で泊まり込むと言うでわないか。(学校の敷地内に宿泊施設があったのだ。)
なんだか楽しそうだったので私はその誘いに乗って一泊二日、学校合宿が始まった。 70 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:35:40.65 ID:TxWDnHuK0
日中は普通の練習で、武道場は冷房もなく茹だるような暑さだった。
空手部には同じクラスのNという奴がいてNに夜の学校に忍び込もうと誘われたので風呂に入って晩御飯を食べたら鍵の壊れている美術室から忍び込む計画を立てた。
日中の疲れからか他の部員は早々と眠りに着いてしまい、Nと私は起こさないように宿泊施設を出た。
出てすぐのところで福耳の先生が立っておりどこに行くのかと言われた。
適当にごまかせるはずもなく素直に夜の学校に忍び込むつもりだったと言うと夜は警備システムが入ってるから入れないと言われた。
そして福耳の先生はついておいでと言って学校へ向かって歩き始めた。
私とNは怒られるんじゃないかとドキドキしながらついて行ったが福耳の先生は教員用の出入り口のロックを解除して私たちを中へと招き入れた。

71 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:37:04.31 ID:TxWDnHuK0
Nが先生にいいんですか、と聞くと先生は始めから肝試しするつもりだったのにみんな寝てしまってがっかりしていたところだったと言った。
福耳の先生は続けてこう言った。
「今日は中庭で肝試しをしよう」
なんで中庭なんですか、と私が聞くとNがこんな話を始めた。
私たちが通う中学は戦後直ぐに建てられたもので、隣接する小学校は戦前からある。
戦時中は軍に小学校の明け渡しを要求され神風特攻隊の基地や軍の病院になったという噂があった。
学校のすぐ近くには神風特攻隊の慰霊の地があったりして真実味があるのでそう信じている人もいる。
さらに中学校には慰霊碑が建っていた。それも一つではなく三つである。

72 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/02/28(金) 01:38:17.33 ID:TxWDnHuK0
そのうち一つは在校中に亡くなった教職員、生徒児童のためのもの、一つは学校で飼育している動物のためのもの、最後の一つは、中学校の中庭の隅にひっそりと生徒が入らないようにチェーンで囲いがされた大きな平たい石で何のためなのかは知らなかった。
この最後の一つが戦時中に建てられたものなのではないかと言われていた。
この最後の一つを見に行くんでしょ?とNが福耳の先生に言うと先生は笑って詳しいねといった。
そして惜しいけど違う、とも。
福耳の先生が言うには神風特攻隊の基地は別の場所にちゃんと基地跡として残っている。
軍事病院だった記録もない。
けど、神風特攻隊の飛行機が落ちた記録がある。
そこまで言うと先生は中庭に入る前に写真をとっておいでと私に使い捨てカメラを渡した。

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洒落怖

髪の毛と女

あんまり怖くないけど友人Sと髪の毛の女の話を書いてみる。
もう15年くらい前、高1だったころから現在?までのこと。

たぶん事の起こりは、友人Sが廃アパートに肝試しに行ってから。
昼間だったんだけど、入口からは入れないから、ベランダ伝いに2階だか3階だかを手すり越えで各部屋に移動してたらしい。
すると、とあるベランダの物干しざおに長い髪の毛が束で引っかかっていて、友人Sは気づかずにつかんでしまい手に髪の毛が絡み付いてパニックに。
さすがに怖くなってその日は帰ったそうだが、それ以来友人Sに髪の毛の長い女が着いてきてしまった。 当時友人Sは仏間のある古い家に住んでいて、霊道と言うんだろうかただでさえ変なものが色々でる場所だったのに、以来髪の長い女がヒエラルキーの頂点に君臨。
仏間のある部屋にたまに現れるようになったそうだ。

269 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/03/10(月) 11:49:20.20 ID:82GyPBrD0
つづきです。

それから数年にかけて友人Sは長い髪の毛に悩まされることになって、たとえばバイト中にトイレ掃除しようと便器を見たら髪の毛がいっぱい詰まってたり、
外をホースで流そうと水を出したらどろっと髪の毛がいっしょに流れてきたり、ちりとりでごみを取ってふと見るとその中に髪の毛が大量に入ってたり。
私自身が実際友人Sから聞かせてもらったのは、携帯の留守録。
いつの間にか入っていた留守録で、しばらく風の音のような「ごぉ~~~~」と言う雑音が流れ、最後に女の声で「あ、髪の毛が」でぶつっと途切れる。
早口で細い声でしかも雑音の中だから、非常に聞き取りづらかったけどたしかにそう録音されていたと記憶している。

友人Sに怖くないのと聞いたこともあったが、幽霊はけっこう美女だそうなのでオッケーだとか。
実際、ほかの友人が家に泊まりに来てから、そっちへしばらく着いて行ってしまって、その時は残念そうにいなくなっちゃったと言ってて私は神経を疑ったこともある。
すぐまた戻ってきたそうだけど。

その後、いまから7,8年ほど前に生き仏のような祖母が他界して以降、家の守り神がいなくなったせいか霊障がハンパなくなり、
家族にも不幸なことが相次いで、他の霊が活性化したせいか髪の長い女も現れなくなり、友人Sが結婚して家を建てた期に実家は引き払うことになったそうだ。
以降別段幽霊が現れることもなくなったらしいが、先日久々に友人Sに会ったら、こんなことを言っていた。
娘(5歳・長女)が時々部屋の中で「あのお姉ちゃんだれ?」とか嫁に質問することがあったと。
嫁からその話を聞いた友人Sが娘にどんなお姉ちゃんなの?と尋ねると、「かみのけのながいお姉ちゃん」と答えたと。
友人S曰く、「まだ居るかもしれんなぁー、ハッハッハ」だそうです。

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2つ目の池

学生の頃溜まり場になっていた神社の話だけど需要ある?

364 本当にあった怖い名無し sage New! 2014/03/16(日) 03:50:32.94 ID:21Bpu8nI0
内容は神社は山の中にあり歩道に池があるんだけど噂でもう一つ池があるってなっててそれを探しに行く話し
俺の通っていた高校は山の頂上にあった 家が海沿いなんで高校までは一時間弱チャリを立ち漕ぎで漕がないといけない場所にあった。
もちろん帰り道はその逆であっと言う間に家についた。
ある日友達と別ルートから帰ろうと適当にチャリ漕いでいたら広い公園についた。
公園と言うよりも山を切り開いた広場みたいな感じ。
その公園から抜け道はないかぐるっと一周してたら細い獣道を発見した。
興味本位でそこを下ると神社にたどり着いた。 山の途中にある神社は展望台みたいな所もありそこから麓の街が見渡せる絶好の場所であり山の中と言う事もありかなり広くすぐさま俺達の溜まり場になった。

368 本当にあった怖い名無し New! 2014/03/16(日) 04:02:45.53 ID:21Bpu8nI0
麓から神社に行くまでは歩道で20分くらい山道を歩かないといけない場所にあり(補正された車道もある)夜は街頭などもほとんどなく肝試しなんかをよくするようになっていった。
山道の途中に池があり夜は月明かが池を照らしていてなんとも不気味な雰囲気を醸し出していた。その池から先はY字になっていて右に行けば神社に繋がる階段 左に行けば広場みたいになっていて暇さえあればその広場で遊んでいた。
ある日そこで遊んでいると1人の老人が来て ここで遊ぶなと怒られた。
まぁ神社で溜まっていて怒られたこと事態初めてではなかったので特に気にせずにいると老人が再びきて呆れた感じでここには昔池が2つあってそこで死んだ人がいるからあまり近寄るな的なことを言って神社方面へ歩いて行った。

372 本当にあった怖い名無し New! 2014/03/16(日) 04:15:46.24 ID:21Bpu8nI0
夜に帰宅してさっそく婆ちゃんにその神社には池が2つあるのか訪ねると底無し沼の池が昔はあったと言われ事故が多発したし今は無いんじゃないの?と言われた。
そしてあまりいい場所ではないから近づかないよう釘をさされた
次の日それを友人に伝えると全員一致で探そうと言う結論に至った。
そして麓から山道ではなく傍らにある山道から散策を始め 獣道にある墓やら麓からすぐ近くにある滝やらを発見し ここにはまだまだ知らない場所があることを知る
だがどうしても池は発見できなくて半ば諦めて散策ごっこも終わりかけていた時 いつも溜まっている広場から山頂を目指して山道を進もうと友達が言い出してちょっとした会議になった。

375 本当にあった怖い名無し New! 2014/03/16(日) 04:26:12.10 ID:21Bpu8nI0
今までは麓から神社に向けて散策していたので、神社方向ではない広場から登るとどこにたどり着くか検討がつかなかったからだ。Y字の右の山を登ると神社 左は麓にある広場だけであとは未知の世界と言ったら分かりやすいかな?
そして週末に行くことになり各々冒険気分でいざ出発したのだが思ったよりも険しい場所で崖を登ったり小さな滝を登ったりしながら野良犬の群れに出くわしたりわら人形が木に打ちつけてある明らかに誰かが生活していた場所を発見したりしながら正味二時間は山道を登っていた。
もちろん山の中なんで音といったら俺の声と鳥の声と風のせせらぎくらいだったんだが 途中から ドボン!! と言う音が聞こえてくるようになった。
何かが水に入る音のような感じだった。
今まで無我夢中で山を登っていた俺は少し恐怖心がでてきた。

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トンネルでの怪異

皆さんおはよう御座います。3月32日ですね。今日はこんなお話。

俺の家の近く(車で5分ぐらい)には長さは10㍍ぐらいの短いトンネルがある。
そのトンネルは数年前に他のトンネルができて滅多に使用されることはくなった。
太陽が高いうちは何ともない普通のトンネルなんだが…。
トンネルには電灯がなく、夜になると非常に不気味である。 その上『ここは自殺の名所だ』とかいう噂があってなおさらである。
 去年の夏に友達が「肝試しでもしないか」という話を持ちかけてきた。
もちろん場所は例のトンネルである。夜中の2時にトンネル前集合ということになった。
その日は真夏だというのにとても涼しかった。ビビっていただけかもしれないが。

72 本当にあった怖い名無し New! 2006/03/32(土) 06:36:58 ID:nsc11tP00
集まったのは男4人。肝試しの内容は『一人で懐中電灯と空き缶を持ってトンネルの向こう側に空き缶を置いて帰ってくる』
というくだらない物だった。どうやって決めたかは忘れたが最初に俺が行くことになった。
最初はゆっくりめに歩きながら進んでいたのだが、中腹あたりで怖くなって小走りになっていた。
そしてやっとのことで出口に出て空き缶を置いた。
後ろからは「今度は帰ってこいよ~」と声が聞こえた。俺は少し恐怖感がおさまったのか、さっさと帰ろうという気持ちだった。
再びトンネルの中腹まできたとき、俺は何かにつまずいて転んだ。
行きは何もなかったので焦った俺は全速力で友達のところまで走った。
「何こけてんだよ」と馬鹿にされたので「何かにつまずいた」と言ったが誰も信じなかった。
実際このトンネルは車が通っていたので地面には石などもないはずなのである。
俺は全身の血が凍るようだった。俺は一体何につまずいたんだろう…。

73 本当にあった怖い名無し New! 2006/03/32(土) 06:37:34 ID:nsc11tP00
絶対に何かいると思った俺は「肝試しはやめよう」と言ったのだが「折角ここまで来から」ということで続行することになった。
そして次に行った奴(以下A)はこういうことに自信があるのか、ビビることもなく出口についた。
缶を置いて向こうからAが帰ってくるところが見えた。ところがAも中腹あたりで転倒したのである。
Aもさすがに焦ったのか、全速力で走ってきた。本気でヤバいと思ったので肝試しは中止された。
だが「折角なので」ということで、最後にトンネルをバックに写真を撮ることにした。
(今思うとかなり度胸あるな)
カメラは次の日に現像に出すことにした。
何日かして写真が出来ていたのでみんなで見ようということになった。
その写真をみて俺達は自分の目を疑った。

74 本当にあった怖い名無し New! 2006/03/32(土) 06:43:19 ID:nsc11tP00
(何枚かトンネルの近くの森などの写真を撮っていたのだが)写真は全て真っ黒で何も写ってないのである。
全部真っ黒だと思ったが、最後の1枚だけ写っているのがあった。
最後の写真はトンネルをバックに撮った写真だった。ところが全員の顔が写っていなかった。何かで覆い隠すかのように。
さらにバックのトンネルの中から無数の白い手が伸びていたのである。
「俺とAはこれにつまずいたのか」そう思った。
そしてこの写真はかなりヤバそうだったので神社に持っていくことにした。そしてその写真はお祓いして燃やすことになった。
 ところが数日後、Aから電話があった。

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黒田君の話

僕が彼に出会ったのは、高校1年生の時のことです。
一応政令指定都市ですが、都心ではありません。家から歩いて3分以内に何軒かコンビニはありますが、全部ローソンです。
小洒落た雑誌に載っている服を買おうと思うならば、30分電車に乗って遠出しなければなりません。
僕が育ち、彼と出会ったのはそんな街です。

彼は全くもってごく普通の少年に見えました。彼は黒田硫黄のファンなので、黒田くんと呼んでおきます。
高校1年生にしては背が高く、色が白くて肌が綺麗な、ちょっと優男風の見た目で、高校生らしく浮かれ騒ぎが好きで
ノリとテンションで生きているようなところがあり、よく喋るごく普通の同級生でした。
今お話しようとしている事件?を境目に、僕と時々話すようになるまではそれほど気になるというほどの存在ではありませんでした。
229 本当にあった怖い名無し sage 2006/04/03(月) 15:33:15 ID:aOHQPdOQ0
それは、体育祭の直後だった記憶があるので一学期の終わりのことだったと思います。
クラスの奴らの顔と名前もほぼ一致して、中学時代の友人たちとだけ、親しく話をする時期も終わった頃でした。
初夏の夜ももう更け、高校生が出歩くにはやや遅い時間、僕はその一帯では一番の繁華街を歩いていました。
理由は何だったかもう覚えていませんが、ちょっと何かを買いに出かけたのが存外に遅くなってしまった
といった程度の用事だったのだと思います。
片側二車線の道路の脇にしつらえられた歩道の横には、びっしりと灯りをいっぱいに点した店舗が並んでいます。
交差点と歩行者用横断歩道の周囲で途切れたところ、横断歩道を渡りきってすぐのガードレールに
腰を凭れさせるようにして、アコースティックギターを肩から提げて鳴らしている男がいるのを
僕は信号待ちをしながら眺めていました。
別段珍しいことではありません。その日も、そこへ差し掛かるまでに何度となく見た光景ですが、彼は声を張り上げて
歌を歌うでもなく、中腰になって全力でギターをかき鳴らすわけでもありません。
ただ、ガードレールに腰掛けて「ギターを鳴らしている」だけなのです。
どことなく、何かを待っているような感じだなあと思いつつ、横断歩道を渡りきったところでギター男の顔を見てみると
それはくだんの黒田くんでした。
彼は確かにクラスでもやかましい方ではあるのですが、熱心に音楽を語ったり、バンドをしている風の見た目でも
雰囲気でもないので、僕が面食らったような顔をしていると、あちらも僕と同じような顔をしています。
「バンドなんかやってるんだ?」と僕が言うと、黒田くんはちょっと照れたように笑って
「そうでもないんだけど、夜フラフラしてギターを弾くのが好きなんだよ」といったようなことを言っていました。
僕が持ち前の図々しさで何か弾いてみてくれ、とねだると、黒田くんはやっぱり少し照れたように笑ってから
カーペンターズの「sing」を弾いてくれました。
「ギターを弾くことはかっこいいと思っているけど、自分には到底無理だと思っている」平均的な高校生だった僕に
「おおー」「超うめー」と心から言わせるに充分な演奏を披露した後、黒田くんは「恥ずかしいから秘密にしといてくれ」と
やっぱり照れたように言って、僕はそれを承諾しました。