子どものころの怖い話
首刈り地蔵

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987 本当にあった怖い名無し sage 2011/06/13(月) 12:50:02.91 ID:DTKcuH0/0
東京にでも引っ越そうと話したがじいちゃん、ばあちゃんはここを離
れたくないという。生まれてからずっとこの町で過ごしてきた。死ぬ
時もこの町で死にたいと。自分たちは大丈夫だから二人で東京へ行き
なさいと。母はかなり心配していたがここにいては俺は学校へ通えな
いし母も働くところがない。生活がまともに出来ない。
母と俺は東京へ引っ越すことにした。

実家にはまめに電話をし食品など荷物を送っていたが、しばらくして
電話線を切られたらしく電話が通じなくなった。
町に買い物に出たときに公衆電話でこっちにかけてくる以外は手紙が
連絡手段になってしまった。帰省した時電話線を直そうといったが、
じいちゃん達はこのままでいいという。たぶん他にも何かされていた
と思うけど、何かすべてをあきらめているというか受け入れていると
いうかそんな感じだった。

988 本当にあった怖い名無し sage 2011/06/13(月) 12:50:36.18 ID:DTKcuH0/0
それから何年か経ち俺は高校に入学した。高校生になってもあの町の
ことが頭にあった。とんでもないことをしてしまったとかじいちゃん
達に悪いことをしたとかいう理由ではなく、あれ以来あの足音と声が
未だに聞こえるからだ。別になにか起こるわけじゃない。ただ聞こえ
るだけ。それでもやはり不気味でいい気分じゃない。

ある日、運送会社から電話がかかってきた。実家に荷物を送ったが何
度行っても留守だと。嫌な予感がした。というよりも半分ぐらいそう
なんじゃないかと思っていた。何かあれば電話をしてくるはずなのに
何度行っても留守。すぐに実家に行くことになった。

家についたのは夜遅くなのに、家に明かりはない。玄関を叩くが応答
がない。玄関は引き戸で簡単に外すことができる。ドアを外し一歩家
に足を踏み入れた瞬間に確信した。ものすごい腐臭がする。母を見る
と少し嗚咽を漏らし震えていた。

989 本当にあった怖い名無し sage 2011/06/13(月) 12:56:13.68 ID:DTKcuH0/0
中に入り明かりをつける。どこだろう。寝室かな?玄関を入り右へ進
んだ突き当たりが寝室だ。
寝室へ行く途中の左の部屋のふすまが開いていた。仏間だ。ちらっと
見るとばあちゃんが浮いていた。首を吊っている。じいちゃんは同じ
部屋で布団の中で死んでいた。母は子供のように泣いた。

とりあえず外に出ようと言っても動こうとしない。警察を呼ぼうとし
たが、まだ携帯が普及し始めた頃でそこは圏外だったので最寄りの交
番まで歩いて行った。
じいちゃんは病死、ばあちゃんは自殺と警察から説明された。じいち
ゃんの跡を追ってばあちゃんが自殺をした。そういうことらしい。
葬儀はしないこととし、お坊さんを霊安室に呼んでお経を上げてもら
い火葬した。

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