子どものころの怖い話
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踏切の女の子
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「通っちゃいな」
と言ってニターッと笑った。
思わず、後ずさりして、ウワーッ!と声をあげて叫んでしまった。
見てはいけないものを見てしまったような気がして、顔を横に反らして目を閉じた。
598 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/08/07(木) 03:51:41.21 ID:ykDlp5be0.net
ほんの数秒も経たないで、そっーと目を開くと、目の前の踏み切りには遮断機は降りていなかった。
チンチンチンチンという音も消え、かわりに、いつもの住宅街の人の気配と車の騒音に戻っていた。
どこから現れたのかスーツ姿のおじさんや、おばさんたち数人が踏み切りを渡っていて、
後ろの道路には自動車が行き交っていた。
あの女の子は?
まわりを見回しても、あの女の子はどこにもいなかった。
え?どうして?なんで?
いろんな疑問が頭の中を駆け巡り混乱しつつも、その場から離れたくて自転車を押した。
踏み切りを渡り自転車に飛び乗ると、逃げるようにして家路を急いだ。
翌日。やはり気になって、学校の帰りに明るいうちにその踏み切りに寄ってみると、
踏み切りの脇に、花や女の子向けの玩具が供えられていた。
翌週からは塾の行き帰りには遠回りをして、違う踏み切りを渡ることにしたのだった。
それからは踏み切りの遮断機が下りることに出くわすことも、あの女の子を見かけることも一度もなかった。
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