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390 海 ラスト  ◆oJUBn2VTGE ウニ 2006/12/02(土) 14:28:07 ID:Q8VwWIU/0
後日、師匠があのときの録音テープを聞かせてやる、と言った。
結局俺はまだ聞いてなかったのだ。喉元すぎれば、というやつでノコノコと
師匠の部屋へ行った。
「ありえないのが採れてるから」
そんなことを言われては、聞かざるを得ない。
テーブルの上にラジカセを置いて再生ボタンを押すと、くぐもったような
波の音と風の音が遠くから響いてくる。
耳を近づけて聞いていると、そのなかに混じってなにか別の音が入っている
ような気がした。
ボリュームを上げてみると確かに聞こえる。
ざあざあでもごうごうでもない、なにか規則正しい音の繋がり。それが延々と
繰り返されている。もっとボリュームを上げると、音が割れはじめて逆に
聞こえない。上手く調整しながらひたすら耳を傾けていると、それは二つ
の単語で出来ていることがわかった。人の声とも、自然の音ともとれる
なんとも言えない響き。
その単語を聞き取れた瞬間、俺は思わず腰を浮かせて息をのんだ。
それは紛れもなく、俺と師匠の名前だった。

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