Categories: 殿堂入り怖い話

白い傘と白い服

この怖い話は約 3 分で読めます。

友人と遊んだ後、雨降ってるし時間も遅いからって友人を家に送った帰り、
今週のマンガ読んでないなと思いだしてコンビニへ行った店内に客は自分だけ。

一冊目を手にとってふと顔をあげると、コンビニの前の道を白い傘を差し白い服を着た人が歩いてた
こんな時間に何してんだ(自分も出歩いてるけど)、と思いつつ本に目を落とした

一冊目を読み終え、次に読もうと思っていた本を手に取り顔をあげると
さっきの人が前の道を歩いてた歩道とコンビニの間には駐車スペースがあるから
至近距離で見たわけじゃないけど、見た目も歩き方も同じだったから一目でわかった
変だなとは思ったけど、いろんな人がいると思ってそんなに気にしなかった

二冊目も読み終え、次に先ほど店員さんが並べてくれた
今日発売の雑誌を手に取り、読む前に同じ姿勢で疲れた肩を回すするとまた前の道を歩いてる人が。

さっきと同じ白い傘をさした人
さすがに薄気味悪かったので、そのあとは窓の外へ眼を向けず漫画に集中した
さらに二冊ほど読み終え、顔なじみの店員さんと少し会話しご飯を買って外へ。
雨は小雨になっていたけれど、また強く降ってくると嫌だし早く帰ろうと

歩道へ出た瞬間、ドキッとした。
20メートルほど先を歩く、白い傘を差した人の姿
田舎だからそんな時間に走ってる車はほとんどなく、
街灯も少ないのでコンビニから離れると辺りはものすごく暗い。
そのせいで余計不気味に思えた

(なんか嫌だな…)とわざとゆっくり歩いているのに、
それでもどんどん距離が縮まっていく。どんだけ歩くの遅いんだよって思った
前を歩く白い傘の人との距離が3mくらいになって、なんとなくこれ以上近づきたくなかったし、
追い抜く気にもなれなかったので、だいぶ早いけどあの路地曲がるかーと思っていると
その人がその路地を曲がっていった

よかった!って気持ちもあったが、何もされてないのに勝手に
想像してごめんなさいって気持ちもあったので、その人の後ろ姿に向かって軽くお辞儀をした
その瞬間、その人がなにか言ってるのが聞こえた。
えって思ったけど、こっち向いてないし独り言だと思うことにした

そのまま歩いて、次の路地を横切ろうとして、なんとなく右を見た。
見慣れた住宅街が見えた。白い傘をさして歩く人も見えた
ありきたりに背筋がぞっとしたとしか言えないけれど、嫌な感じがした

だってさっきまでは、こっちがゆっくり歩いていても距離が近づくくらい
あの人はものすごくゆっくり歩いていたはず
でも今はどちらかと言えば早足、いつもよりほんの少し大股で歩いてる。
なのに相手も一本奥の道を平行して歩いてる

なにか嫌な感じがして、それを振り払おうと、偶然かそれともこっちを意識して
歩く速度を変えて遊んでいる障害者かなにかだろうと思うことにした
でも何度路地を横切っても、白い傘を差した人が一本奥の道を歩いてる。
見えないところで歩く速度を早くしたり遅くしたりしても、自分が横切るときに向こうの人も横切っていく

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