残業の恐ろしいおはなし

この怖い話は約 3 分で読めます。

682 :はな:03/09/01 16:12
去年の秋から冬にかけて、ちょうど一年前の話です、
私はグラフィックデザインの仕事をしてるんですが、ある会社の社内報を制作する仕事を受けました、
その会社は全国に支店があり、各地の支店から月半ばになると本社に原稿が送られてきます、
いちいち持って帰るのがめんどうだった私は、そこのマックをお借りして編集をしておりました、
1回目2回目と順調に進み、クライアント様もいい出来ですねと誉めてくださいました、
そして3回目の編集作業の日でした、
その日はいくつかの支店から入稿が遅れ、今日残ってやるか明日再出社してやるか迷った私は
その日が金曜だったせいもあり、
「ここは土曜休みか、月曜にもう一度くるとなると、二日もったいないし別の案件もあるしなあ」
と考え、担当者に会社に今晩残る旨を伝えました、
すると彼は私に「君、霊感強いほう?」といきなり不思議なことを聞くんです、
すぐに理解できなかった私は「はぁ?霊感って?」と聞き返しました、
彼は声を抑えて「いやね、でるんですよ、ここは…」というんです、
それまで私は心霊体験っていうものをしたことがなく、まったく信じてなかったので、
「大丈夫ですよ、私そういうの鈍いですから」と笑いながら返しました
続く

683 :はな:03/09/01 16:15
続き
しかし彼は「うーん、でも月曜日にしといたら?」と真面目な顔でいいます、
でも月曜日には違う仕事の打ち合わせが入っていた私は、どうしても仕上げてしまいたくて、
「大丈夫、大丈夫、幽霊なんてただの錯覚ですよ、いませんよ」と言い、
無理矢理会社のカギを借り、残ることにしました、
「じゃあこれ、僕の携帯の番号だから、何かあったらすぐ連絡するように」とメモを残し彼は帰っていきました、
誰もいなくなった社内は、さっきの話もあり少し不気味だったのですが、
特になんのことはなく11時、12時と時間が過ぎていきました
「やっぱりなにも起こらないじゃない、それともナンパっていうやつだったのかしら」
なんて考えていたとき、一階で「ガチャ」ってタイムカードを押した音が聞こえた気がしたんです
私がいるのは4階建ての自社ビルの2階フロアーなんですが、タイムカードは一階の入り口に置いてあるんです
「あれ、誰かいたのかなあ、カギかかってるはずだし、空耳ってやつ?」なんてぼんやり考えてると
パシッといきなりマックの電源が落ちてしまったのです、
マックユーザーなら分かると思いますが、フリーズするのはよくあることで、
驚くことではないのですが、さすがに電源が落ちてしまうとかなり焦ります、
「やばい、データは大丈夫かしら」と電源を再投入するためにパソコンの本体に目を移そうとしたときでした、
暗くなってるモニターに、うつろな目が片方だけ大きく写ったのです、
一瞬でしたが気のせいにはできないほどはっきりと、頭のなかに映像が飛び込んできました、
「今見えたよね?誰、いたずら?」動転した私は一人なのに声を出してしゃべってました、
でも、頭のスミにあった「電源投入→データ確認(ひょっとしたら今日一日が無駄?)」ということを思い出し、
エイッと電源ボタンを押したのですが電源が入りません、
「え~、かなりまずいよお」と怖さで半べそをかきながらも、「そうだコンセントを見なくちゃ」と思い、
机の下に潜りOAタップから電源をたぐろうとしました、

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