Categories: 洒落怖

宝探し

「どうしよう、亮ちゃ・・・」

言いかけた時、僕には頼れる相棒がいないのだと思いだした。
一人で何とかしなくては。
アイツの事は忘れて・・・
何度も蹴ったり、体当たりをしたり、叫んだりしてみた。
だけど、結局ドアは開かなかった。
何も考える事が出来ず、ただただ懺悔するより他なかった。

『ごめんなさい、ごめんなさい、亮ちゃん。
やっぱり戻ってきてよ。こんなペンダントなんてあげるから。
神様、どうかこの僕を許してください。
そして、亮ちゃんを戻してください。
良い子になります、ちゃんと勉強もします。
ペンダントも亮ちゃんにあげます。』

僕はドアに手をかけたまま、泣きながら崩れ堕ちた。

その時だった。
ドアにかけた手が滑り落ちるうちに、妙な窪みに触れたのだった。
目を凝らし、その窪みを眺めると、何処かで見た形にそっくりだった。
そう。
それは今僕が首にかけている、鷲のペンダントの形だった。
そうかっ!!ここにペンダントをはめ込めば良いんだ!!
神様が僕を許してくれたんだ。
ペンダントをここに置いて行けば、許してくれるんだ。
亮ちゃん・・・ペンダントはここに置いていくよ・・・
だから、亮ちゃんも許してね。

僕はペンダントをその窪みに押し当てた。
カチリと音がした。
鍵が外れたんだ。
今度こそ家に帰れるんだ。
勢い良く僕はドアを開けた。
そのドアの先、僕の目の前には・・・
ドアがあった。
愕然とした僕の目に飛び込んだのは、蛙の形をした窪みだった。

鷲と蛙。
二つが揃っていないと、外には出れないんだ。
でも、蛙のペンダントはもう手に入らない。
僕一人しかいないから。
ペンダントは二つで一つ。
友情の証だったんだ。
あの、鷲のペンダントを首にかけた少年は僕だった。
愚かにも、親友を裏切り、ここで息絶える事になった僕だったんだ。

僕は次にくる誰かが、無事に出られます様にと祈り、ドアから鷲のペンダントを取ると首にかけたんだ。

Page: 1 2 3 4 5 6

mesally

Share
Published by
mesally

Recent Posts

じいちゃんスケベ

祖父の最後を見取るため、病室に…

8年 ago

性欲全開でくる夫が怖い

11 : 本当にあった怖い名無…

8年 ago

見なくてよかったな

週末食った牡蠣にあたって、1週…

8年 ago

追いかけてやる

たぶん15年以上前の洒落怖にあ…

8年 ago

夢の中で殺されてる人に現実で始めて会った

5年以上夢の中で殺されてる人に…

8年 ago

窓に

最近あったことなんですが、夢だ…

8年 ago