Categories: 洒落怖

おかしくなった同僚

この怖い話は約 3 分で読めます。

260 じつ8③ sage 2009/11/25(水) 00:25:23 ID:8PoNq8niO
それから退社時間まで僕Sに近寄らないないよう作業しました。
Sはときおり首を振ったり、泣きそうな顔になったりしていました。
その様子はまるで、誰かにお願いごとをしているようでした。

その日退社時、僕の車のキーが無くなっていました。
困った僕がどうしようかと考えていると、背後からSが声をかけてきました。
「家まで送るよ」
Sの顔は真っ青でした。微笑んでいるものの、目がやけに真剣で僕は怖くりました。
Aの言葉が浮かび、僕は断りましたがSは頑なに送ると言い張ります。
その抵抗し難い迫力に押されてとうとうなし崩し的に僕は受け入れていました。
しかし、駐車場に止めてあるSの車の前に立ったとき得も知れぬ嫌な予感を感じたのです。
絶対に車には、乗ってはいけない。そう直感しました。
僕は必死になってSを説得しました。今日は事務所に泊まるから良い。
しかしSは納得しません。次第に声が荒くなります。そうこうするうちにAが通りかかりました。
事情を知ったAは自分が僕を送るとSにいいました。
Sは一変して、しおらしく頼むから送らせてくれていいましたが、僕は断ってAの車に乗り込みました。

Aの車が発進し、遠ざかるのをSはただみていました。
車内で僕はAに礼を述べました。
Aは真面目な顔をしていいました。

264 じつ8四 sage 2009/11/25(水) 00:43:39 ID:8PoNq8niO
実はな、途中から薄気味悪い女のヤバいやつはSのそばから離れてお前のそばにいたんだ。
途中からいなくなったから、お前が気付かないと諦めたんだと思ったんだが、
さっき、Sの車の助手席に座ってお前をじっとみてたんだよ。
あのまま乗ってたら多分お前の家までついてきてたぞ。
ただ、Sは危ないな。完全に目をつけられてる。あいつからしばらく離れたほうがいいぞ。

だけど翌日Sは会社を無断欠勤しました。そのまま1週間経っても来ない彼を心配して上司が見に行きましたが、
彼は家にいませんでした。家族の話では1週間前から家に帰っていないらしいのです。
とうとう1ヶ月がすぎても彼は帰って来ませんでした。
会社はSを解雇し、家族が捜索届けを出したと聞いたのですが、その後Sがどうなったのか僕にはわかりません。
ただ、町でSの車に似た車を見るとつい隠れてしまうのです。

Page: 1 2

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

4年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

4年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

4年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

4年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

4年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

4年 ago