Categories: 洒落怖

疫病神

この怖い話は約 3 分で読めます。

4年前なんだけど、年末年始になると毎年思い出すなぁ。

横浜のJR港南台駅の目と鼻の先の近くに南部共済病院ってあるよな。
O-157で死に掛けて、運ばれて入院してたときのこと。
それこそ脱水で指一本動かせなかったんだ、ハナクソほじる力どころじゃなかった。

治りかけてきた頃には年末と正月だったから退院手続きもできなくて、余分に『宿泊』させられたw
6人部屋で、漏れは3つあるベッドうちの真ん中。
昼間は見舞いとか、隣のじいちゃんが「尿カテーテル外れたー!!」とか、
向かい側ドア側のおっちゃんの声が大きくて、うるさいうるさいw
漏れだけ脱水症状で入院だからメシが少ないしw
治りかけてたから購買でこっそり菓子や弁当を買っていたりした。
そんなこんなでいつもどおり就寝…。

そしたらある日の夜中、誰かが病室に入ってきやがんの。
それも一人じゃないから「夜間緊急から家族連れで移ってきたのかな」とおもった。
「そういえば、向かいの窓側のベッドが空いていたな」と、ふと思い出した。
なんとなく昼間の見舞いとかみたいに。

そしたら違っていた。
病室に入院している人たちの名前を、一人ずつ小さな声でフルネームで呼んでんの。
「ん、何事か?看護士さんか」とおもった。

228 疫病神 ◆U/nk/FsIJx9Q sage 2009/11/24(火) 11:18:31 ID:yWWsyyOk0
そしてついに漏れの名前が3か4番目に呼ばれた。
「全員に用事あるなら、そんなめんどくせーことしねーで電気つけるなり全員起きてくださいとか言えよ」
と思いつつ寝たふりしてたんだ。
多分「宿泊」されたから漏れは頭にきてたし、面倒くさくて返事なんかしてらんなかった。

そしたら…
いたんだわ、「そいつ」が。

   いや、「そいつら」が。

漏れの顔の横に、黒魔術師みたいなフードを被ったジジイが。

「ヤバイ!」直感的に思った。
いつ、カーテンを開けて入ってきたんだ!?
   こいつに返事をしたら、こいつと眼を合わせたら、確実に…

                       死ぬ

ジジイの眼窩はくぼんでて、白目がなかった。
顔を見ていないが、何となくそう感じた、見たら死ぬ、確実に。

漏れは寝たふりを続けた。
当然だ。
もし、万物の長と名乗る「霊長類」という高慢な名前をつけた生物に天敵がいるのならば…
間違いなく「そいつ」はそのうちの一種だろう。

230 疫病神 ◆U/nk/FsIJx9Q sage 2009/11/24(火) 11:19:23 ID:yWWsyyOk0
寝たふりを続けた漏れだったが…
   足元にもいた!!

                       ババアが

「そいつ」も同じような容貌をしていて足元にいた。
ベッドの外から見下ろすように腰を曲げて立っていた。
顔を見ていないが、こいつの顔も見たら確実に死ぬ!!
しかし、顔を見ていないのに容貌というのも可笑しな話だよな。

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