Categories: 洒落怖

のりちゃんとやんしゃん

この怖い話は約 3 分で読めます。

663 本当にあった怖い名無し sage 2011/10/06(木) 17:27:59.15 ID:MK9XSavW0
つい先日、祖母が亡くなった。

祖母と言っても父親の祖母なのでオレから見ると曾祖母にあたるわけで家が遠い事もあり疎遠になっていた。
疎遠だったとは言え曾祖母が亡くなったのだからお葬式には当然参加し、滅多に会う事のない親戚達とも数年ぶりに会う事となった。
オレのスペックを書き忘れていたので、簡単に書かせてもらう。27歳独身(ばついち)会社員。
この歳で曾祖母が最近まで健在だったのは珍しい方ではないだろうか。

この話はこの曾祖母のお葬式の為、親戚で集まった時の話になる。
曾祖母と私が疎遠であったと書いたが、小学校に入る前(6歳?)の時に1ヶ月ほど曾祖母の家で一緒に暮らした事がある。
これは父親が家を新築する際に新築工事に遅れが生じた為、家の完成前に住んでいたアパートを出る事になったからだ。
曾祖母の家は福岡県の田舎町にあり、近所にはゲートボール場や長屋の立ち並ぶ住宅街、何作ってるかわからない畑。
小学校に入る前の好奇心旺盛な少年には毎日ちょっとした冒険だったのを覚えている。

664 本当にあった怖い名無し sage 2011/10/06(木) 17:29:54.76 ID:MK9XSavW0

話を元に戻すと曾祖母のお葬式では曾祖母の年齢が100歳手前だっただけに悲しみに包まれたお葬式というよりは『曾祖母はすごい!』と褒め
生前はああだったこうだったと、思い出話をしながら曾祖母を送る様な雰囲気だった。
お葬式は近所の葬儀場でやったのだが、親戚一同は曾祖母の家へと場所を移し思い出話をしながらの宴会をした。
曾祖母の家にあった写真のアルバムを見ながら懐かしむ親戚達。
オレは曾祖母の思い出と言えば小学校に入る前くらいの記憶がメインだった為、アルバムを見ても知らない人の写真ばかりでやや退屈していた。
その時、『お、Sがおる!』(Sは父親)という声に再びアルバムに視線を戻すと・・
なんともDQNな父親の姿が・・、なんで高校に通学するのに白のスーツなんだよwと、苦笑。
アルバムも古い方から順に見ていたので、父親の高校時代・・・ 成人式・・ と次第に現在に近づいていた。
オレの誕生・・ 例の1ヶ月の同居・・・ 
ここで1枚の写真を見て、気づいた事があった。

665 本当にあった怖い名無し sage 2011/10/06(木) 17:31:55.63 ID:MK9XSavW0

1枚の写真を見て気づいた事というのは、曾祖母と親しくしていたはずののりちゃんがお葬式に来ていない事だった。
皆、のりちゃんの写真を見るなり笑顔が引いた様に感じた。
のりちゃんは以前からいつも一人で遊んでおり、近所の小さな子供の居る家から気味悪がられて苦情がきたりと、ちょっとしたトラブルメーカーだったらしい。
しかし曾祖母は器の大きな人で、のりちゃんの一人遊びを止める事はしなかったらしい。
むしろ苦情を出してきた家に「そんなに心配なら子供を家から出すな!」と言い返したそうだ。
実際、のりちゃんは年齢が45歳くらいという事で、周りから見ると45歳のおっさんが小学生の様に一人で外で遊んでいるのは気味悪かったのかもしれない。
だが誰にも迷惑を掛けてないのも事実だ。

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