Categories: 洒落怖

噂の検証

この怖い話は約 3 分で読めます。

俺とTと先輩が近付いて中の様子を探ろうとすると、急にMが真顔で「ちょっと待った!」と俺達を
小声で呼び止めた。
Mは3人に姿勢を低くするように言うと、「あそこに誰かいるぞ」と、建物の窓を指差している、
俺達はその方向を見てみた。明かりもついていないので気付かなかったが、窓のところにはっきりと
人影が写っている。
髪型からして女性だろうか。

この時になって、俺は昼間の先輩の怪談話が頭を過ぎった。
「いや…まさかね…」そうは思ったが、背筋が寒くなり暑さとは違ういやな汗が体から吹き出てくる。
俺だけでなくTとMも多分同じように感じていたのだと思う、2人とも一言も言葉を発さずじっとしていた
のだが、先輩だけは違った。
先輩は「人がいるなら噂が本当か聞いてみね?」ととんでもない事を言い出したのだ。

俺は唖然として「この人は物凄く勇気があるのか?それともありえないくらいバカなのか?」と真剣
に先輩の頭を疑った。
真夜中に真っ暗な廃屋内で何かをしている人影、怪しいにもほどがある。人だったとしてもとても
まともな人とは思えない、そんな怪しい人物に自分からか関わろうなどと普通は思わないだろう。
まあ、良く考えるとこんな真夜中に男四人で山の中をうろうろしている俺達が人のこと言えた立場
ではないのだが…

779 3/5 sage 2011/05/09(月) 19:11:08.00 ID:y/gqzRFa0
とにかく先輩を思いとどまらせないといけないと感じた俺達3人は、思いつく限り色々な事を言って
先輩を踏みとどまらせようとした。
が、その会話の声が少し大きすぎたのかもしれない。
ふと気付くと窓のところの人影がいなくなっている事にTが気が付いた。

俺たち4人があたりをキョロキョロしていると、ドアのところに人影が見えた。
ビクッ!となった俺が思わずその人影に懐中電灯のライトをあてたのだが、その姿は異様としか
言いようの無い姿で、俺たちはヘビに睨まれた蛙のように身動き一つできなくなってしまった。
年齢は50代後半から60代くらいのどこにでもいそうなおばちゃんなのだが、髪の毛はロングでボサボサ、
血まみれのエプロンをして右手にでかい包丁、左手に何か原形を留めていない血まみれの肉塊を
握り締め、何かブツブツと呟きながら物凄い形相でこちらを睨みつけている。

おばちゃんは暫らくこちらを睨みつけていたのだが、唐突に悲鳴とも絶叫とも聞こえるような、なんと
表現したらいいか解らない凄まじい声で

「誰だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

と叫んだ。
そして早足にこちらに向かってくる。

さっきまでノリノリだった先輩も流石に顔が真っ青で、硬直している俺達に「逃げるぞ!」と言うと、
俺達を後ろから追い立てるように走り出した。
俺達が走り出すと、そのおばちゃんも物凄い形相のままこっちを追いかけてきた。
走っている最中気付いたのだが、おばちゃんは走りながら何か叫んでいる。
内容は殆ど聞き取れ無いのだが、言葉の節々にソーカツ?かソーカン?と言っているのだけが
判別できた。
意味は良く解らない。

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