Categories: 洒落怖

土の正体

この怖い話は約 3 分で読めます。

これが怖い話に分類できるのかどうなのか解らないが、俺にとっては人生最大の恐怖
体験だった事件を書こうと思う。

もう何年も前、中学1年の夏休みの出来事。
その日することも無く家でだれながらマンガを読んでいると、友人からメールがあり俺を
含む数人が呼び出された。
仮にメールをしてきた友人をA、呼び出された友人をB、Cとしておく。

全員がAの家に集合すると、Aは少し興奮気味に話し始めた。

Aの話はまとめるとこんな感じだった。
昨日Aは親戚の兄貴と一緒に山に釣りに行ったらしい。
その帰り道、山道の少し奥の方に横道があり、その先にコンクリート製のぼろい建物を
みつけた。
ただそれだけのことなのだが、A曰く「何か基地っぽくてかっこよかった」のだそうな。
要するにAは俺達を連れてそこへ探検に行きたいらしく、その相談に俺達を呼んだとの
事だった。

特にすることも無くひたすら暇だった俺とB、Cはその提案に二つ返事で賛成した。
その日は「探検」の準備をするために各自準備をする事になり解散となった。

翌朝8時頃、コンビニで買った弁当やら懐中電灯やらを持って集合場所のA宅に集まり、
俺達は目標の廃屋へと向かい、2時間ほどで目標の廃屋へと到着した。
場所は人気も殆ど無い山の中、もう日は高くなり暑くなる時間帯だが、森の中のせいなのか
何となく涼しく感じる場所で、建物は家や「基地」というより何かの事務所っぽい。
1階建てで大きさは10m×6~7mくらいの長方形を2つあわせたようなL字型だった。
しかし場所は渓流釣りが出来るほどの山奥で、そんな場所に店舗や事務所があるわけもなく、
一体何のための施設なのかはさっぱり解らない、ただ、周囲が明るい事となんとなく
場所はともかくどこにでもありそうな建物だったため、不思議と怖さは感じなかった。

823 本当にあった怖い名無し sage 2010/01/26(火) 21:09:28 ID:wco/HPvl0

とりあえず周囲を散策してみたが、ドアや窓は板が打ち付けてありもう何十年も使用されていない
感じでなかなか入り込む場所がみつからない。
暫らく歩き回っていると、屋根の近くに通気口らしいものを発見したが、そこへ登るための手段が
なく、近くにあったブロックや木の板などを持ってきて色々試してみたのだが、結局登る事が
できなかった。
すると少し離れた場所で一人で入り口を探していたBが、俺達に「おーい、ここ入れそうだぞ」と
声をかけてきた。

俺とA,CがBの場所まで行くと、目立たない奥まった場所の窓ガラスが割れていて、そこだけ
日当たりが悪いせいか打ち付けてあったであろう板も腐って内側の床に散乱しており、十分人が
入れるスペースがあった。
確かにそこから入れそうだ。
一人ずつ中に入ってみると、窓などが打ち付けられていて、しかもブラインドが閉じているため
予想以上に暗い、それに入った部屋は日当たりそのものが悪いせいか、物は何も無いのに
壁中カビだらけだし、何より何か少し異臭というか変な臭いがした。

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