Categories: 洒落怖

土の正体

この怖い話は約 3 分で読めます。

建物は、中に入ってみて解ったのだが、L字型の内側が通路、外側が5つの部屋に分かれて
いるようで、一つずつ部屋を探索していく事にした。
進入した部屋から廊下に出て次の倉庫っぽい部屋に入ろうとしたのだが、鍵は掛かっていないが
何かが引っかかっているらしくドアが2cmくらいしか動かない。

俺とBとCは諦めて次の部屋を探索する事にしたのだが、Aは開かないドアをどうしても開けたい
らしく、ドアに向かってけりを入れたりタックルしたりとやっている。
俺が「A、もういいから次行こうぜ」と言ったのだが、Aは「なんかもうちょっとで開きそうだw」とか
言っていて諦めそうに無い。

824 3 sage 2010/01/26(火) 21:10:22 ID:wco/HPvl0

するとCが「こっちの部屋はいれるぞ~」と俺を呼んだため、俺はAをほっといてCとBがいる場所
に向かう事にした。
Cに呼ばれた場所に行ってみたが、やはりその部屋も壁がカビだらけなだけで中には何も無い。
他の部屋も同じような感じで、建物はどうやら完全にもぬけの殻のようだった。

しかし、最後の部屋を俺とB、Cが出た頃に事件が起きた。
突然「ガタン!」と大きな音がして、暫らくすると「ぎゃあああああああああああああ」というAの
悲鳴が聞こえてきた。
俺達3人が慌ててAの場所に向かうと、Aがてこずっていたドアが開いていて、廊下に何か
黒っぽい土のようなものが散乱しており、中からAがなんとも表現しようのない悲鳴をあげ
ながら飛び出してきた。

俺達はAの姿を見て絶句してしまった。
Aは何か黒っぽいというか茶色というか、変な色で異臭のする土のようなものまみれに
なっていて、部屋から飛び出してくるとそのまま床に倒れて叫びながらのた打ち回り始めた。
最初何を言っているのか解らなかったが、良く聞いてみると「服の中に!」とか「何か入って
動いてる!」とか言っている。

良くみてみると、土っぽいものに紛れて何か小さい物が蠢いている。
それは小さいゲジゲジや蛆っぽいいきものやゴキブリ、他にもなんだか良く解らない
虫がいっぱいくっ付いている。

それに気付いた俺は、Aを助けないといけないと解ってはいるのだが、一切動けずその場に
硬直してしまった。
Cも同じような感じで硬直していて、Bはその場にかがみこんで吐きはじめてしまった。

825 4 sage 2010/01/26(火) 21:11:11 ID:wco/HPvl0

硬直していた時間はたぶん数秒だと思う。
我に返った俺は、もう無我夢中で「A、とにかく服脱げ!全部脱げ!」といってCと一緒にAの服
を脱がすのを手伝った。
暫らくするとBも立ち直ったらしく脱がすのを手伝った。

服を脱がす時、手に虫が潰れる感触がいくつも伝わってきたが、俺はとにかくその事を考え
ないようにしながら脱がすのを手伝った。

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