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555 :違う世界 3/5 ◆lEMchm76dQ @\(^o^)/:2014/06/29(日) 19:25:38.53 ID:wKuXwA/b0.net
『さっき天国や地獄とは違うと言ったけど、あれは紛れも無く「現実」にある一つの世界。
人が想像しているような物ではないよ。』
『なるほどな、でも望んで地獄に行く奴なんていないだろ?』
『うん。でも自分の世界とは違う世界は見えないから地獄の入り口すら見えてないと思う。』
さらりと恐ろしい事を言った気がする。
『彷徨う内に、か。だから天国へは案内人が必要という訳か。所でどうしてそれを知ってるんだ?』
『おじいちゃんが死ぬ時に若い女の人が迎えに来たのを見た。多分、おじいちゃんのお母さんかな。
次におばあちゃん。若かったけどおじいちゃんが迎えに来てた。』
『じいちゃんやばあちゃんにお別れを言えたのか?』
『うん。俺を信じてくれてはいたけど、死んでから目を合わせた事で多分向こうも本当の意味で気が付いたんじゃないかな。』
『そっか。』
きっと両親は祖父や祖母が迎えに来てくれたんだろう。
弟はそれを分かってる、信じてるから俺なんかより強くいられてる気がした。
それに天国とやらで第二の人生を楽しんでる両親の事を考えるとなにより俺自身がこの時救われた気がする。
普段この手の話は俺から振らないし、信じてもいないという態度だったので気を良くしたのか
弟は次の質問を待っているようだった。
思えば病人扱いされ、理解者などただの一人もいなかったであろう弟は誰かに話を聞かせたかったのかもしれない。
『誰もがなににでもなれるってすごいな。』
『その世界には若い美人の女ばかりで不細工はいない。まさに天使しかいない事からの推察。』
なんか妙に納得した。なににでもなれるなら美しいイメージの天使を選ぶって事か。
好んで不細工にはならないのは当たり前の話だし女性なら特にそうだろう。
『男はいないのか?』
『一応いる、この辺には少ないってだけかもしれない。向こうでも男性は肩身が狭いのかもね。』
迫害される男性陣を想像してちょっとため息が出た。
男子VS女子の構図がまさかあの世で激化してるとは思いたくないが、向こうは向こうでなんか楽しそうだ。
556 :違う世界 4/5 ◆lEMchm76dQ @\(^o^)/:2014/06/29(日) 19:26:51.56 ID:wKuXwA/b0.net
『お前っていつも怖い物見てたよな?あれはなんなんだよ?』
『この世界で俺はたまに違う世界も見えてる。でも違う世界にもこの世界を見る事が出来る奴がいる。
目が合うだけならいいけど、そいつがこっちの世界に干渉できる程すごい奴だったら?』
『目が合うお前に興味を持って追って来る?』
『うん、多分そういう事だと思う。そいつ等がなにを考えてるのか理解出来ないけど、それは人間だろうが同じだしね。』
この日初めて弟が笑った気がする。