Categories: ホテル・旅館

ビジネスホテルにて

この怖い話は約 4 分で読めます。

タクシーが迎えにきて引き止める叔母さんを振り払いタクシーに乗り込んだ。
宿泊先のホテル情報はタクシー運転手さんに伝わっており、俺はカメラをふきふきしながら
後部座席でムカムカしていた。
だいぶ酔っていたので柔らかい足回りのタクシーは殊の外酔った。
ホテル到着後、さっさと部屋に通して貰った。ここのホテル満室だったのだが無理をいって
予備の部屋?のようであった。
部屋は細長く狭い。ドアをあけてすぐ左手にシャワー&トイレ。その先左手にシングルベッド。右手には鏡。突き当たりに窓、といったレイアウト。
入った瞬間気持ち悪かったが正月という事もあり代わりのホテルは無い。
なんにせよムカついていたし、馬鹿らしかったし、疲れていたので速攻ベッドで横になった。

124 ビジネスホテルにて5 2009/12/14(月) 06:50:37 ID:Mg+YjVjL0
思ったより酔っていたようですぐに睡魔が襲って来た。
と、同時に耳鳴り&金縛り。「来たか」と思ったがそんなに慌てなかった。
金縛りは2種類あると勝手に思い込んでいるのだが、大概は身体の疲れから来るものだと
経験上知っていた。それ以外の説明し難い金縛りもあるが、、、。
その金縛りの最中、足下に誰かが居た。人数は分からない。ただ、俺の足下で俺の脚を踏まないように、足踏みしているか、歩いているか分からないが、ベッドがグン、グン、と凹む。怒りモードの俺は「うるせーよ!どっかいけよ!」と怒鳴り付けた。
するとソレはピタっと止まり俺は眠りについた。

それから数時間経過しただろうか、ハッと目が覚めた。が身体が動かない。
またもやグン、グン、と足下が凹む。絶対足踏みしてる・・・と確信した。
声にならない声で「しつけーよコラ。なんなんだよテメーは!」とシカトして寝た。
部屋が異様に寒かったのを覚えている。

さらに数時間後、また目が覚めた。今度はあり得ない位激しく足下が揺れていた。
「さすがにヤバいかコレ?」と思った瞬間、知らないオッサン(作務衣?作業着?)が
「ううううううう」と地鳴りのような声を上げて、四つん這いでせり上がってきた。
その声はどんどん大きくなり殆ど正常位のような状態になり、俺の耳元に近づいてきた時は
「う” う” う” う” う”お”お”お”お”あ”あ”あ”あ”!」ってな大きな声になっていた。
かなりビビったが、何度も眠りを邪魔された怒りの方が大きくて「う”るせーよ!」って
感じで跳ね起きた。オッサンは壁に消えた。時計をみたら3:30過ぎだった。

125 ビジネスホテルにて6 2009/12/14(月) 06:53:38 ID:Mg+YjVjL0
速攻フロントに電話をした。「帰るからタクシー呼んで下さい」と。
時間も時間だからフロントの人も訝しがって「何かありましたか?」と尋ねてきたが
「後で話します」と伝えて電話を切った。
怖かったが、寝汗が凄かったのでシャワーを浴びる事に。怖いのでドア開けたまま。
目も開けたまま。そそくさと退室準備をしながら伯母さんに電話。
一部始終を伝えながら荷物の整理。4時を回ったのかな。外が若干明るくなってきた。
その時、ベッドの左横の壁に異変を感じた。四角い跡が三つある。全部違う大きさ。
最初は絵画の跡かな?と思ったが位置が低すぎる。触るとその部分だけ壁が薄い。
直感的にコレだ!と思った。怖いので伯母さんと通話しながら「伯母さん、多分コレだ。
変な跡がある。今からカメラで写真撮るからアトで見てくれ」とドキドキしていた。
伯母さんは「そんな事怖いから早く帰ってきなさいよ!」と進言してくれたが、
俺はカメラを構え撮影準備に入った。冷静だったと思う。
が、何度シャッターを押してもカメラが反応しない。心霊番組なんかで良くあるアレだ。
急に怖くなってフロントまでダッシュ。フロントのお姉さんに事情を説明。
奥から年配の男性スタッフも出て来て事情を説明。
冗談で「すみません。部屋に携帯忘れたので取りにいって貰えませんか?」とお願いすると
女性スタッフは「いやーーーー!」とプロ失格の反応だったので笑った。

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bronco

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