この怖い話は約 3 分で読めます。

結局そこで、Mさんはボ○○の呼び出しを中断しSさんから「追放」はできないまでも、
少なくとも、その儀式の場から「退去」させようとした。そうしたら霧は渦を
巻いてSさんの中に入ってしまい、しかしラップ音とかそういう現象はピタリと止んだ。

130 ひつまぶし 7/9 sage 2011/08/30(火) 02:27:34.16 ID:U1+NPuJS0
エクソシズムは失敗したが、とりあえず儀式自体は終えても安全だろうという
ことになって、そこでお終いにしたらしい。「これは結構大変な代物なんじゃないか」
という話になって、Mさんの手には負えないか、いずれにせよもうちょっと
本格的な儀式の準備をしないといけないだろう、ということになった。
ところが、その儀式以降が問題だった。ボ○○は数日の間は鳴りを潜めていたのだが、
Sさんのもとに、追い払おうとしたことについて怒り狂って訪れた。
朝起きると、Sさんの身体が傷と出血で血塗れになっているという有様だったそうだ。
Kさんはなんともなかったそうだが、Mさんは一週間もたたないうちに数回車に轢かれ
かかったり、ほかにも危険な目にあった。Mさんは「ああこれはボ○○のせいだな」と
判断したそうだが、いかんせん自分では追放できるか心もとなく、スイスにいる
自分の師匠に国際電話で相談したそうだ。
そうしたらすぐに、Mさんのもとにお師匠からかなり深刻な様子で電話がかかってきた。
Mさんの師匠は、Mさんの被ってる災難がかなり大掛かりで特殊なものだ、と判断したらしい。
そして、ボ○○が竜であること、その出現がセッ**絡みであること、義父と夫の自殺、
交通事故の危険、などを考え合わせた結果、ボ○○がいわゆる死霊の類ではなくて、
「火星」の惑星霊なのではないか、と指摘した。

131 ひつまぶし 8/9 sage 2011/08/30(火) 02:29:37.74 ID:U1+NPuJS0
で、どうもこれがドンピシャだったらしい。自分でも色々調べて指摘に
納得したMさんは火星の惑星霊を追放する儀式を執り行うべく
準備と下調べをしたそうだ。そうしたら、ある魔術書に
「善い火星霊(ただし善霊でも超危険なので呼び出すな!)」
として、まさに「ボ○○」という名前が載っていたという。
Mさんは深く得心がいったそうだが(というのもボ○○はそもそもSさんを
護るために現れたのだから)、未熟者が迂闊に呼び出すことを防止するためとして、
そのシジルはその魔術書には掲載されていなかったのだそうだ。
シジルがなくても、ボ○○が火星霊だということさえわかっていれば、
効果的な追放儀式ができるので、Mさんは直ちにKさんとSさんとに連絡をとり、
ボ○○が強大な善霊だということを踏まえつつ適切な儀式を行い、
穏便にお引取りを願うことができた(今回はKさんは立会を許されなかったそうだ)。
その後、Sさんは心理的にはすっかり回復し、
療法家のKさんとしては一件落着ということになった。

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