この怖い話は約 3 分で読めます。

126 ひつまぶし 4/9 sage 2011/08/30(火) 02:21:10.04 ID:U1+NPuJS0
ボ○○の記憶が生々しかった高校中はデートもしなかったそうだが
(おかげで勉強に集中できたということなのか)、彼女はいい大学に進学した。
ボ○○の記憶も薄れて、彼氏もできた。大学卒業を期にその彼氏と結婚して
専業主婦になり、子供を息子と娘との2人産んだ。ところが、30代半ばを過ぎた頃
(つまりSさんが療法家のKさんに相談に来た頃)に旦那さんが
飛び込み自殺をした。そして、旦那さんの葬儀などを
終えたその日の晩に十数年ぶりにボ○○が現れた。
「ボクがアイツを喰ってやったんだよ」といったそうだ。
そしてまた毎日ボ○○が寝室にやってくるようになった。
Sさんは久しぶりのボ○○に、忘れかけていた昔を思い出させられたせいか、
非常な嫌悪を覚え、「二度と来ないで!」とボ○○に対して言った。すると
ボ○○はSさんの不実(?)をなじり、毎日彼女を責め立てるようになった。
夫の自殺と相俟ってSさんは自殺を考え、ボ○○はそれを「いい考えだね!」と嬉しそうにいう。
そして焦燥していくSさんを見かねた(ボ○○についてはなにも知らない)知人がKさんを紹介した。

127 ひつまぶし 5/9 sage 2011/08/30(火) 02:23:19.11 ID:U1+NPuJS0
Kさんはユング派の療法家で西洋オカルティストが身近にいる人。
KさんはSさんの話を聞いたときに「あ、これはあのテリトリーの話だわ」
という直感が働き、知り合いのMさんという人に連絡をとったそうだ。
そのMさんはいまの西洋オカルティズムでは主流ではない
ドイツ・オーストリア系の流派の人なんだと。経緯は普通ではないが、
こういう「憑依」の事例と「エクソシズム」の相談は人づてに
たまにあるらしくて、Mさんも「まあやってみましょう」と引き受けた。

Kさんも流派は違うがオカルティズムには足を突っ込んでおり、
興味があったのでお願いしたところ、やや渋られながらも
「エクソシズム」の現場(Mさんが自宅と別に借りているマンションの一室)に
立会を許されたそうだ。なんというか、道具立ては凄いクラシカルだったそうで、
魔法円を書いて(つっても記号とかはなにもなくて単に床に円が書いてあるだけらしいが)
MさんとKさんはその中に入り、魔法円の外側にSさんを椅子に座らせて、
本人の承諾を得て身体を縛り付け、黒い鏡をSさんの側においたんだそうだ
(その鏡にボ○○が映るということらしい)。

128 ひつまぶし 6/9 sage 2011/08/30(火) 02:25:23.01 ID:U1+NPuJS0
で、詳しくは知らないが、ボ○○を呼び出して、できれば「説得」し、無理なら
「追放」しようとしたらしい。この儀式はある意味ではもの凄く成功した。
三人とも凄まじいラップ音を聞き、ものの焦げる匂いと硫黄の臭いを嗅いだ。
鏡に映ったボ○○とMさんが対話するのだそうだが(ボ○○の言葉はMさんにしか聞こえない)、
ボ○○は、まず説得しようとしそれがダメだとなって脅しにかかったMさんを嘲弄したらしい。
で、その部屋になぜか霧らしきものが出てきたのか空気が霞み始めたんだそうだ。
円の外側でその霧がどうも竜らしき形を取るに及んで、MさんもKさんも
「これはマズい!」と思ったそうだ。

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