この怖い話は約 4 分で読めます。

406 本当にあった怖い名無し 2014/02/26(水) 23:01:56.25 ID:8a5x1cWz0
少し躊躇したけど、まだあの声が聞こえているから思い切って川を渡った。
当時の俺らでも膝くらいまでしか水につからなかったから水位は低い川だったと思う。
そして川を渡りきった所であの声が急に止んだんだ。俺とMは逃げ切れたか?と思ったが川の向こう岸に猿が立っていた
しかもあの不気味な笑顔ではなく今度は思いっきり俺たちを睨んでた。悪意というか殺意の目で睨んでた。
俺達はもう肺が破れそうなくらい息切れしていて「ハァハァ」言いながら猿をしばらく見ていた。
M「アイツ、もしかしてコッチ来られへんのちゃう?」
俺「わからへんけど多分そんな感じやね」
試しに俺達は奥へと足を運ぼうとした瞬間「ぎゃあああああああああああああ!!!」と猿が憎悪を込めたような雄叫びを上げた。
俺達はかなりその絶叫にビビったけど、同時にやっぱりコッチに来れないんだと確信した。
とりあえず猿から離れようと奥へ入ったけど行き過ぎると今度は迷ってしまうと思い5分ほど奥へ進んでから腰を下ろした。
M「どないする?なんやねんアイツ・・・」
俺「さぁ・・・ちょっと待ってみて、あの猿が諦めてからダッシュで戻ろうか」
M「ちょっとってどれくらい?絶対まだあっこおるやろ、あの猿・・・」
ってな事で色々話し合った結果一日待ってみることにした。小学生が親に黙って一日帰らないというのがどれほど勇気がいる選択か
みんなもわかると思う。それほど猿にビビっていた。でも辺りが暗くなっていくにつれ、どんどん恐怖心がふくらんでいった。

407 本当にあった怖い名無し 2014/02/26(水) 23:05:31.86 ID:8a5x1cWz0
小学生二人だけで山で夜を明かすなんて怖く無いはずがない、ましてやあの猿に追い掛け回された後にだ。
あの猿は川を渡れないなんて俺達の思い込みかもしれない、またすぐ近くであの「あっあっあっあっ」という声が聞こえたらと思うと怖くて仕方がなかった。
ただ気を紛らわそうとしたのか二人で良く喋っていた。他の友達の事や先生の悪口や好きな女子を暴露しあったりもした。もちろん親の話も。
M「帰ったら絶対オトンとオカンにメチャメチャ怒られるわぁー嫌やなぁ」
俺「お前なんかエエやんけ!俺のオトン怒ったらどんなけ怖い思ってんねん!」
M「お前のオトン確かに最強やもんな、むしろここに来て欲しいわ」
ここで紹介するけど俺の親父は今現在、ある空手流派の首席師範をしている。現役の時は組手の全国大会でもあっさり優勝してしまうほどの猛者。
試割用じゃない工業用のコンクリートブロックを素手で叩き割るほどの狂人wあまり関係ないのでここでは省くが人間離れした数々の武勇伝有りという人物。
地域などを西日本と大まかに書いているのは見る人が見ればすぐに親父が誰の事か特定出来てしまうほど空手界では有名人だからだ。
実際この話も見る人が見ればわかってしまうと思う。
話がそれたけど、こんな感じでお互い一睡もせず夜を明かした。てか怖くてとてもじゃないが寝れなかった。
俺「だいぶ明るなってきたな、何時やろ今・・・もういくらなんでも猿も諦めたやろ」
M「どやろか?一緒にそぉ~っと見に行こ」
そして二人で静かに川まで歩いて行った。川に着いて周りを見渡しても猿の気配は無い。
M「あの斜面をずっと登ってあの道に出たら左やな」
俺「なるべく静かにダッシュで行こう」
そう言って俺達は川を渡った。渡りきった所で急に昨日の恐怖が蘇る。ここはもうあの猿のテリトリーなわけだし。
でも怖がってる場合じゃないと全力で斜面を登った。最初に静かにダッシュとか言ってたがおかまいなしに全力でダッシュした。

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