Categories: 洒落怖

地下の世界

この怖い話は約 3 分で読めます。

490 8 2005/06/12(日) 23:15:10 ID:QTUiZp+N0
木の裏ではプチが大雨の中でも聞こえるように、ガフガフとわざとらしい音を立ててクッキーを食ってました。
K子は「ムカつくわー腹立つわー」とボソボソつぶやいてました。

するとクッキーを食べ終えたと思われるプチが急にワンワン吠え始めました。
いったい何事かと思って、僕とK子は木の裏に回りました。

するとプチのすぐ目の前になにやら小さな小さな竜巻の様なものがうず巻いてました。
ビール瓶を逆さにしたような大きさでした。

土のカスや枯葉の切れ端がクルクル回っています

僕は「なんやろこれ?」と言ってその竜巻に手を突っ込んでみました。
続いてK子も手を突っ込みました。さらにプチは竜巻に向かって体当たりをしましたが無論素通りしました。

二人して「なんやろなーなんやろねえ」などとほざいてたら、なんだか視界がザラザラになってきたように思い、目の前の風景や自分の手さえもがなんだかよくわからないぐちゃぐちゃな状態に見えて、何が何だかわからなくなってきました。

492 9 2005/06/12(日) 23:17:20 ID:QTUiZp+N0
僕は必死になってぐちゃぐちゃに見えるK子らしきものの手を握り、プチのヒモらしきものを掴み「離れんなよ!」と叫びました。
K子も僕と同じように視界がおかしくなったようで、「目が変や」と言いながら目をこすってるようでした。プチもワンワン言いながら暴れていました。

どうしたらいいかわからなかったのですが、木の裏にいてると向かい風のせいで雨にかかるので、とりあえず元の場所にK子とプチを引っ張りました。

ここだと木が盾代わりになるので、雨も風もある程度防いでくれるのです。

K子は不安と恐怖のせいかフーフーハーハーと荒い息をしながら、うずくまって目をゴシゴシしているようでした。

僕は何か助かる方法はないかと、周囲を見渡しました。
目の前に広がるのは緑色のグチャグチャな景色でした。
しかし遠くの方の木らしき物に、なにやら長方形のドアが付いているのがはっきり見えました。

僕が「おい!あれ見い!」と叫ぶと、
K子は「あれ?あれ・・・ドアがあるー!」と言いました。

493 10 2005/06/12(日) 23:19:23 ID:QTUiZp+N0
僕はすかさず「行ってみよ!!」と言って、K子の手とプチのヒモをしっかり握りなおすと、ゆっくり歩き出しました。風が強すぎるのとキツイ雨、さらに視界がぐちゃぐちゃなため転んで怪我しそうだったので、ものすごくゆっくり歩きました。

ドアの所に辿り着いた時には、もう当然びしょ濡れです。
はっきり見えるそのドアはどこにでもありそう木目調のドアで金属製のノブが付いていました僕はドキドキしながらゆっくりとドアを開けました。

ドアを開けるとその中には白い地面と夜の景色、そしてどこかの林の中のようで木がいっぱい生えているのが見えました

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