Categories: 洒落怖

自殺支援サイト

この怖い話は約 3 分で読めます。

なんとなく気になっちゃってさ、メールしてみたのよ。
んで会う約束してさ・・・
会社休んでそいつに直で会ってさ、あのときなんで来なかったのか、あれからなんで2年もの間生きてたのか、どうして死にたいのかいろいろ聞きたくてね。
適当に喫茶店で待ち合わせして、先にいって待ってたらそいつ昼間から厚手のコート着てでっかい帽子かぶっててさ、いかにも人目さけてる感じで近付いてくんの。

「お待たせしました、ピロリンです」

なーんかおかしいんだよねそいつ、どっかであってる気がしてさ。
んで、よーく顔みたら似てるんだよね。
似てるんだよ、俺に・・・

「僕はあなたのことを昔から知っています。2年前にあなたが自殺したがってたことも、両親が死んだことも、去年あなたの友達が自殺したこともね。僕の顔、そっくりでしょう?似てるはずですよ。あなたの父親は昔から女癖が悪くて、結婚してからもよく浮気してたんですよ。知ってましたか?あなたの父親が浮気相手と作った子供のこと。それが僕ですよお兄さん」

そいつは俺の腹違いの弟だった。
そしてそいつの母親は親父との結ばれない関係を苦にして自殺したらしい。
そいつの話だと2年前、通り魔事件で親父を殺したのは自分だという。
そいで親父の息子だった俺にも復讐したかったんだと。
どこから手に入れたのか、そいついきなり拳銃出してよ、目つむりながら

『ああ、俺の人生もこんなもんか』

って思ったよ。

「バーン」

って音がなって

「キャー」

って店の客が悲鳴あげてよ。
俺は椅子から転げ落ちて倒れこんでよ

「救急車、店長救急車呼んでください!」

『きっと店員さんが俺のために救急車呼んでくれてるんだろうな。でももうだめだよ、撃たれてるし。どうせならこのまま死なせてくれ』

って思ってたら。
あれ?
どこも痛くないんだよね。
起き上がって周りの様子みたら。
俺の弟だって言ってたそいつが頭から血だしてぶっ倒れてるんだよね。
結局そいつは俺にその光景を見せたくて呼び出したらしくて、そいつも自殺したんだよ。

これでとりあえずこの話は終わりなんだけどさ、2年前のあの日、あいつは自殺しようとして支援サイトで仲間を集めたけど、ドタンバで死ぬ前に親父殺すこと思いついて、んで親父を殺し、そのあとでどうせなら俺の前で死のうとして俺を2年間探してたんだろうね。
で、地元戻った俺をみつけて、自殺サイトにたまたま俺が書き込みしてたから、うまく連絡とって会う約束してきたんだよ。

別に怖い話じゃなかったから面白くなかったかもね。
ただなんつーか、誰かに言いたかった。
今でも俺は仲間は作らないようにしてるよ。
家族も恋人も友達もなにもいらん。
もう人の死にはかかわりたくないし。

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bronco

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