この怖い話は約 4 分で読めます。
この事件に遭うまで自分は、色々な現象を体験して怖いと心底思った事はなかった。
でも今回は心底恐ろしかった。
一人ではとてもあの部屋に戻ることはできない。
そう思い俺は、中学からの親友の二人に連絡をとり、相談に乗ってもらう事にした。
仕事が終わってから喫茶店で落ち合うことにして、俺は喫茶店で二人を待っていると先にBがきた。
Bは俺と同じで多少の霊感のある奴だった。
しばらくしてAがきた。
AはBとは違い心霊現象とは無縁で筋金入りの否定派で、
「科学で証明できない物は起こるはずがない」
と、いつも俺達のことを否定する奴だった。
俺は二人に昨日起こった事を一部始終話した。
反応は俺の予想どうり。
Aは
「アホかっ」
の一言、Bは神妙な顔で
「お前がそこまで怖がるのは初めてだな」
そう言い終わるとBは
「わかった今日一緒に行って調べてみるか」
Bの言葉を聞いてAは、
「俺のほうは行けるとしても明日からだな。今日はこの後、彼女んとこ行かなきゃいけないからさ」
俺とBは了解した。
それから30分ほど話してからAは出ていき、俺とBも喫茶店を出てアパートに向かうことにした。
そして問題のアパートに到着し、玄関の前に立った途端Bは一言
「こんなの初めてだよ」
すでにBの顔からは汗が吹き出していた。
俺は鍵穴に鍵をさしながらBに
「開けるよ。いいか?」
Bは俺を見て頷いた。
昨日と同じように線香の強烈な臭いが鼻をついてくる。
Bもすごい臭いだなと言いながら、部屋に上がった。
昨日の事もあり二人とも土足だった。
俺とBは台所を抜けてすぐに6畳間に向かった。
6畳間に入るとBは、
「お前の言うとうり台所普通じゃないね」
と俺のほうを見ながら呟いた。
部屋に入るまでの道すがら俺とBはどういう対処法でいくか相談していた。
所詮素人に出来る対処法などたいした事はなく、前の部屋で使用していたお札をガラス戸にはり、清めの塩を台所の4角に盛ることにした。
二人で怖々と台所に塩を盛り、奥の6畳間に戻り、溜め息混じりにBは
「効けばいいけどな」
そう呟いた。
俺としても効いてくれればいう事はない。
昨日得体の知れない奴が出たのが11時過ぎ。
『また同じ時間に奴は現れるのか?』
そう思いながら時計を見るとまだ9時10分過ぎ。
その時自分の中では
『まだ何も起こらないだろう』
と思い、Bと雑談をしながら気を紛らわせようとした。
5分ほど経っただろうか。
その時いきなりガラス戸が揺れ始め、次第に激しくなり、もの凄い音でガラス戸を叩く音へと変わった。
二人ともガラス戸を見つめながら後ずさりをして、部屋の奥へ奥へと進んでいた。
奥に行くと、叩く音はピタッとやんだ。
二人で顔を見合わせた次の瞬間今度は、二人の背後の窓がいきなり開いた。
『鍵も開けてないのに何故?』
そう思いながら今度は、二人ともガラス戸の方にたじろいだ。
思い切り開いた窓を見つめながらBは
「なあ、これ洒落にならねーよ。部屋から出たほうがいいよ。」
そう言った瞬間、ガラス戸の上の窓が割れた。
そうなると当然二人の視線は、割れたばかりの窓に移る・・・・
割れた窓の向こうには、昨日俺が見た奴の目が二人を睨んでいた。
眼球の飛び出したあの目が。
俺はBに
「逃げるしかねーぞ」
そう言いながら逃げる場所を探した。
でもどうしても出口は玄関のみ。
あとはいきなり開いた窓しかない・・・
行くしかない。
ここは二階、飛び出しても大怪我はしないだろう。
部屋の電気を消し、先にBを出してから自分も下を確認せずに飛んだ。
無事部屋から出た二人は、大通りに出てタクシーを捕まえ、一目散にBの住むアパートに向かった。
部屋に向かう途中のタクシーの中で二人は会話をする事もできないほど怯えていた。