Categories: 洒落怖

このいえのしたに

この怖い話は約 3 分で読めます。

323 コピペ3/5 sage 2005/09/30(金) 02:41:46 ID:w0UMcLVL0
声になっていたかはわかりません。
が、その瞬間声は止み、体は動くようになりました。
急いで部屋の電気をつけようと体をゆすって起きようとするのですが頭の痛みが収まらず、なかなか立ち上がれませんでした。
思い出し、先程の言葉の意味を考えていると更に怖くなり涙が出てきました。
部屋に電気をつけ、カラダの震えがようやく収まってきた頃、
がたん。
部屋の階下で物音がしました。
家族が帰ってきたかも知れない。
夜中の話ではありましたが、期待感からそう思いました。
なんとか立ち上がり、重い木製の引き戸まで足を運びました。
不安と期待で迷いましたが確認するためには引き戸を開けるしかなかったんです。
恐怖で指先は震えていました。
ほんの少し、5ミリほど引き戸を開けると目の前の階段は電気がついており、安心感から更に引き戸を開け、様子をうかがいながら少しずつ扉の外に出て行きました。が。
がり。
部屋で聞くよりも少しだけ音がよくわかります。
やはり下の会から聞こえてくる音でした。
ただ、実家の床は木製タイル、歩くときしむ音のように思えました。
部屋から完全に抜け出し、階段の下をうかがいましたが下の階は暗くてよく見えません。
人の気配がしたので階段を中腹まで下りてみると、ガリ、ガリ、ガリ、ガリとはっきりした音が聞こえてきました。

324 コピペ4/5 sage 2005/09/30(金) 02:43:15 ID:w0UMcLVL0
家族じゃないと気付いた時にはもう手遅れでした。
全身が再び神経剥き出しになるような感覚に襲われ、まだ終わってないんだということを強烈に思わされました。
そこには真っ黒な不透明(半透明?)の男が階段下の廊下に四つん這いになっている姿がありました。
がり。
がり。
がり。
がり。
真っ黒な男は両手の指で一心不乱に床を掻き毟っているのです。
真っ黒なのでどこを向いているのかわかりませんが、上体を起こした時の仕草は確実にこちらを見ていました。
とにかくヤバイ!
早く部屋に戻りたい一心で階段を駆け上ろうとするとバタバタとその男が階段に近づいてくる音がしました。
振り返りたくはなかったので部屋に飛び込み引き戸を精一杯閉め、カギを掛けました。
音は何も聞こえなくなり、追いかけてきた気配は気のせいだったかもしれないと思い一息つき、引き戸に耳をつけて向こうの様子を伺おうとしたその時、戸を隔てたすぐ向こう側、数センチのところから聞こえてきました。

325 コピペ5/5 sage 2005/09/30(金) 02:44:01 ID:w0UMcLVL0
「このいえのしたにいるおんなのこをはなしてやれ!」
泣いているような声でした。
もちろん返事などできません。
じっと黙っていると向こう側でガリガリと再びその音は始まり、今度はずるずると階段を下りていきながら何時間も床を引っ掻いていました。
私はというと布団を抱え耳をふさぎ、その日は朝まで震えていました。
その後、その家ではしばらく一人になるのを避けつづけていました。

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