Categories: 洒落怖

吹き溜まり

この怖い話は約 3 分で読めます。

部屋は何事もなかったかのように、静まりかえり、逃げ出すときにひっくり返したテーブルなどは、
Sが片付けてくれたらしく、こざっぱりと綺麗にもなっていた。
呆然としている俺たちに、Sが色々と話しかけてきたが、全く耳には入らなかった。
その様子を見て取ったSは、俺たちの背中に手を当てなにやら呪文のようなモノを呟くと、
「これであんた達は大丈夫。わたしはM(マックに残った女の子)達の所に行くから帰るね」とあっさり言い放つ。
いやいやいや!待ってよ!と、どっちが男なのか分からない怯え口調で呼び止めようとするも、
「わたしが大丈夫って言ったら大丈夫なんだよ!」と男らしく突き放され、いや、蹴飛ばされ、今度詳しく話すからとSは帰っていった。
部屋の空気が変わったように感じるせいか、段々と怖さも薄れ、その夜は(手形の浮いた部屋で)ぐっすりと眠った。

939 3/3 sage 2008/07/19(土) 18:14:21 ID:fsEv3ym40
翌朝の目覚めはとても心地よく、昨日の騒動が嘘のようだった。
Sの連絡先を知らなかったのでMに電話をすると、マックで合流をした後に同じようにお祓い?を受け、
M達も無事に帰宅したことを知り、ひとまず胸をなで下ろした。
この頃はまだ携帯電話の所持率が低く、聞き出したSの連絡先は自宅の電話番号だった。
早速電話をすると、Sの母親が出た。
「ああ、○○さんね?あの子から伝言を頼まれてるの」と話だした。
話を聞くと、昨夜の騒動の後に一度帰宅したが、帰宅するなりぶっ倒れ、病院に運び込まれたんだそうだ。
伝言は「話があるから来い」とのことで、それじゃSさんが退院したら…と言おうとすると、
「もう回復してるだろうから大丈夫よ。○○病院の○○号室。よろしくね」と、明るい声で、しかし一方的に切られてしまった。
しかたなく病院に向かい、Sの病室を訪ねると、点滴を受けながらも週刊少年誌を読み、ケラケラと笑うSの姿があった。

色んな事を話した。
ぶっ倒れるのはよくあることだけど、父親はオカルト的なことは全く信じていないとかで、救急車を呼んだのは父親だったこと。
母親だけでなく、祖母も、曾祖母も、そのまた前から同じ力があり、一日寝れば回復するんだけどねーなんてこと。
M達と隠れて会ってることは、M達の○○(よく聞き取れなかった。背後霊的なモノ?)が変化してたから知ってたこと。
その変化がSとして鬱陶しく限界だったから、ブチ切れて乗り込んだこと。
そして肝心のうちのアパートのこと。
アパートが建っている周辺がパワースポットみたいなモノで、まさに俺の部屋の立地がその中心だったらしく、
区画整理やらなんやらで、流れがおかしくなり、濁った力が吹き出すようになった。
その濁った力に引き寄せられて、色んな”モノ”が集まり、さらにはその内の何体かが俺たちに憑きまとい、知らずに色んな悪影響を振りまいていたらしい。
これも後日談になるが、M達はその色んな”モノ”に影響を受け、色欲が抑えられない状態になっていたらしい。
この点は、思い起こせば、かなり思い当たる節はあるw
俺たちを閉め出した後で、方法は分からないが力の流れを直し、そのうえで色んなモノを追い払ったんだそうだ。

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