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失踪

この怖い話は約 3 分で読めます。

翌日、心配して健二の家を訪ねた私を含め、友人たちに健二の母親は、ここまでの経過を話してくれました。

その帰り道、私を含めた友人の間でも、「まさか、あいつがそんなことするなんて信じられない」との、思いから「たぶん2、3日したら帰ってるで」などと、希望的観測で話をしていたりしたのです。
しかし、とうとう彼が帰ってこなくなり一週間がたち、いよいよ川をさらう作業を行うことに…。

その連絡を受け、健二の家族と私含め仲のよかった友人3人で、現場にいくことになりました。

703 本当にあった怖い名無し sage 2009/10/11(日) 07:14:50 ID:zGEa3u1U0
実際、現場では警察関係者および、地区の消防団の方々で、結構な人数での探索となりました。
ダイバーなどはおらず、カギの付いたロープを岸と、船から投げては引っ張るといったものでした。
皆一生懸命順々にロープを投げては引く姿を見ながら、(きっと、どこかでまだ生きてるはず)正直私たちはとても複雑な気持ちで、作業に参加しておりました。
余談ですが、作業をしていた地元消防の方に聞いた話では、ここらは身投げする人が多く、しかもなかなか遺体が見つからないそうなのです。

結局、その日は大量のゴミが引き上げられただけで、彼の存在および、それを確認できるものについては見つけることができませんでした。
反面、ほっとしたような、でももし居るのなら早く見つけてあげたい様な、何ともいえない気分でみなその日は帰ることとなりました。

その日から3日間捜索は続けられたのですが、私たちが参加したのは最初の1日目のみで、以降は、家族だけが、手伝いに行くこととなりました。
結局、捜索では結果は出ず、ひとまず打ち切りという形となり、以降は警察からの連絡を待っていてほしいと言われ引き上げることになったそうです。

捜索初日同様、私たちも家族も、(きっと、まだ生きてる)不安を希望に変え過ごすことになると思われたのですが…。

704 本当にあった怖い名無し sage 2009/10/11(日) 07:18:51 ID:zGEa3u1U0
その夜に、不可解なことが起こりました。

家族の元へ電話がかかり、健二の母親は直感的に健二からだと思い受話器をとると、
しばらくの沈黙の後、
(当然沈黙の間、母親は「健二?健二?今どこにいるの?」と、問いかけ続けたそうなのですが…。)

「見つけて…、お願い…」とだけ言うと切れてしまいました。

当然、母親としては、きっとどこかにいて、今更恥ずかしくて帰ってくることができず、さがしてくれるのを待っていると思っていた様なのですが、
その電話がかかってきたのとほぼ同時刻と思われるタイミングで、私、そして友人宅にも全く同様の電話がかかってきていたのでした。

 実際、私も不安はあるものの健二の母親同様、絶対どこかに居るんだと思っておりましたが、電話のあった直後の友人や健二宅への確認を行うことで、希望より不安、そしてその確認でほぼ同時の電話であったことに不自然な感じが否めなくなったのです。

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