Categories: 洒落怖

失踪

この怖い話は約 3 分で読めます。

私たちは何か考えが合ってのことなのかな?と思いつつ成り行きを見ていました。
しかし、それにしては異様なくらい早足で橋の中央へと向かってくため、
「おばさん!どこいくの?」と慌てて声をかけながら近づいたのですが、
いっこうに返事はなく、少し不安に感じ肩に手をかけ引き留めようとしたのです。

ところが「離せ!」と、さっきのおばさんではない、とても野太い男性の様な声で一蹴され、
ものすごい力で肩にかけた手をふりほどかれました。

これはやばいと思い、あわてて後ろから羽交い締めにし、抱き止めようとしたのですが、

「”$#%&’(←人の名前の様だったが聞き取れなかった)が待ってる!! 離せ!」と、

抱きついた私をものともせず、引きずったままどんどんと橋の中央へと向かっているのを
ようやく3人がかり止めることができました。
しかし、あいかわらず不可解な名前を叫びながら歩みを止めようとはしませんでした。
私たちはパニックになりながら、おばさんを正気に戻そうと必死に声をかけたり、
背中を叩いたり、さっきの塩をおばさんにかけ
(もう、投げつけるくらいの勢いで)たりしておりました。

しばらくの間続けていると、弱々しい声で「もう、だいじょうぶ」と、
返答が帰ってきたので、我々も手を止め、しばらくおばさんの様子をうかがっていました。

714 本当にあった怖い名無し 2009/10/11(日) 09:33:53 ID:zGEa3u1U0
「おおきに、あんたらが必死で止めてくれんかったら、私も健二君の二の舞やったわ」と、
話したのを聞き、皆青ざめてしまいました。

それほど、ここにいる怨霊は強い力を持っており、本来心に隙がある場合に
入ってこられる様なのですが、霊感の強い人というのは、どうもその霊感の強さが
諸刃の剣となるようで、精神状態如何によらず、非常に接触しやすいとのこと。
(それだけに、十分気を張っていないと通常の人より、危険なのだそうだ)

さらに事情を聞いてみると、どうやら我々が来たことと、その目的がわかったらしく、
また健二を見つけさせたくないなのだと、おばさんは説明してくれました。

まさにタクシーの中で話してくれた怨霊たちが、邪魔をしているのだそうで、
先日の捜索時などにも影響していたのだそうです。

さすがに、こんなことがあったので今日はあきらめて帰るのかなとも思ったのですが、
おばさん曰く健二がこのままでは同様に怨霊の仲間になってしまうとのことで、
せめて場所だけでも特定したいと、続行することになり、その場でおのおのが塩を振り、
残りを手に握りしめながら、そのまま天神橋の中央から、
中之島公園へと、向かうことにしました。

715 本当にあった怖い名無し 2009/10/11(日) 09:43:08 ID:zGEa3u1U0
おばさん曰く、まだ場所は特定できないが、どうも公園より下流にいる気がするとのこと。
(この公園はホームレスの方たちも多く、余りよい噂もないので気味の良いところではないのです。)
みなで公園へと降りる階段を下っていきました。
そこから東側は公園の突端となっており、そちらへはいかず、
そのまま橋の下をくぐり西南側の川縁へと出ようとしたのですが、
その時におばさんが小声で

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