Categories: 洒落怖

廃墟

この怖い話は約 3 分で読めます。

まず、風呂とその斜め向かいの部屋を
見たのだが、何も無し。
そして少し離れたとこにある隣り合わせ
の2部屋を見たが何もなし。
「何もないな~」とか言って
最後の部屋に入った。
部屋は真ん中に大きな仕切り、
キッチン、風呂と他の部屋の2倍ぐらいの
広さとなっていた。
556 本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:46:05 ID:GILU3jX80

部屋に入るや、さっそく仕切りの
裏側に回ったAがいきなり「ゲッ」と呟いた。
俺とBも「なんだ?」と言って
Aのとこに駆け寄って、
Aの目線の先を見て唖然とした。

560 本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 02:52:23 ID:GILU3jX80

仕切りの裏には、
おかっぱの少女のヒビ割れた遺影と
朽ち果てた菊の花が置かれていた。
状況から、明らかにイタズラじゃなく
供養であるのが分かった。
唖然と見つている俺達の意識を
戻すかのように、
部屋のドアが風もないのに
ゆっくりギィ~と音を立てながら
閉まった。

564 本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:00:40 ID:GILU3jX80

俺達は一瞬ポカ~ンしたが、つかの間
三階へ上がる階段に積んであったパイプ椅子
や机が崩れるもの凄い音が響いた。
その音と同時にBが
「ヤバイんじゃないか、ヤバイんじゃないか」
と取り乱し出し、
Aは恐怖をかき消すような大きな声で
「偶然だろ、廃墟だし、廃墟だし」
と怒鳴りだした。
で、俺は・・・
俺の目線は少し開いたトイレの隙間に
釘付けで声が出ない。

566 本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:06:17 ID:GILU3jX80

俺は隙間の目線と目が
あったしまった。
その瞬間、体温がグ~ンと
下がるのを感じた。
実際に下がったどうかは分からないが
とにかく寒気が凄かった。
固まっている俺に気づいたAも
俺の目線の方向を向いて
「ヒィッ」と一瞬甲高い声を
上げてフリーズ。
Bの「ヤバイんじゃないか、ヤバイんじゃないか」
という声は聞こえているのだが、
それがどんどん別の声に聞こえてきた。
いや、だんだんと言っていることも声も
別人に変わっていく感じだ。。
「ヤバイんじゃないか、ヤ、なんで、な、」

567 本当にあった怖い名無し 2009/08/02(日) 03:13:24 ID:GILU3jX80

女の声で、
「なんで、なんで、ここここここここ」
と言っているように聞こえた。
Bの方を向きたいが怖くて、向けない
Aも同じ様子だった。
Bの声はずっと「こ」が続きぱなし、
長い時間に感じたが、実際は数秒だろう。
そのとき、外からクラクションの音が
聞こえてきた。
Cが呼んでいるのは明らかに分かるが
俺は怖くて動けない。
そしたらAが急に俺に「動くな、待っとけ!」
といって全速で走り出し
部屋を出ていた。

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