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車に大急ぎで乗り込み、俺が「おい、追ってきてるぞ!」と2人に言いながら岩の方を
見たのだが、その女が見えない。
俺は「あれ?追ってきてないのか?」と少し安心していると、必死でエンジンをかけていた
なおきが突然「うわあああああああ!」と叫び声を上げた。
なおきのほうを見ると、運転席側の窓にマニキュアをした「真っ白い手の甲」が見えていて、
それがゆらゆらと揺れている。
ひろしとおれはなおきに「早く車動かせよ、洒落になんねーよ!」とせかし、なおきは物凄い勢いで
車をバックさせて元来た道へ戻り始めた。
林道から舗装されたさっきの道に戻り、俺とひろしが林道の方を見てみたが、あの女は
追って来ていない。
少し落ち着いた俺達3人はそれからほぼ無言だった。
俺は何かあの女の話をすると現れそうで怖かったのだが、なおきとひろしも同じ心境だった
のだと思う。
306 深夜のドライブ 5 sage 2009/06/23(火) 00:42:58 ID:bn0ryByu0
先ほど降りたインターチェンジから高速にのり、そこで俺は「とにかく明るいところにいたい」と、
途中にあった結構大きいドライブインに入る事を2人に提案して、2人ともその方が良いと
同意してくれた。
ドライブインに入ると、時間はもう3時頃、人気は殆どなく駐車場に仮眠中のトラックが
数台止まっているだけだったが、俺達は明るいところにこれたためホッとして急に緊張
の糸が切れた。
自販機で暖かい飲み物を買い、ドライブイン内のベンチでみんな無言で各々に飲み物を
飲んでいると、自販機のある通路の方から「ふふ…」と女の人が笑う声が聞こえてきた。
3人とも声に一瞬「ビクッ」としたが、まさかな…と3人で「気のせいである事」を確認するために
自販機のある通路へと向かった。
そこには「あの女」がいた。
体が正面を向いていたため顔は見えない。
本来後頭部がある後ろ側から、「ふふふ」とさっきの笑い声が聞こえてくる。
俺達はパニックになり半狂乱で車に乗り込むと、そのまま猛スピードで車を飛ばし地元へ帰った。
その後俺達は各自進学し、俺は地元とは別の場所で一人暮らしを始めた。
あれ以来、実害は無いが時々「あの女」が視界の端に見える時がある。
ひろしとなおきとは今でもよく連絡を取り合うが、2人ともあの日の事は一切口に出さないため、
2人にも同じ物がみえているのかはわからない。
俺は「あの女」が視界の端に見えるたびに気のせいだと思うようにしている。