Categories: 洒落怖

階段の異変

この怖い話は約 3 分で読めます。

534 本当にあった怖い名無し New! 2009/03/31(火) 05:42:12 ID:Gu3fBjaLO
扉を開けると、8階から1階まで吹き抜けになっている階段に出た。
屋外階段って言うから本当に屋外にあるのかって思ったけど、違うんだなぁ、なんてどうでも良いこと考えながら階段を降りだした。
狭い階段だったから、俺が先頭で、その後ろに友人兄→友人3人という形で、一列に並んで降りてた。
で、階段を少し降りた所で、最初の異変に気付いた。
今まで馬鹿みたいに騒いでた奴らが、今度は馬鹿みたいに静かなんだ。
変だな~って思ったけど、騒ぎすぎて疲れたんだろうなって特に気にしなかった。実際俺も眠くて、早く帰りたかったし。
で、気にせず引き続き階段を降り始めてまたすぐ、次の異変が起こる。
なんか、爆笑し始めたんだよ。後ろで。
「やべぇw」とか「マジウケるw」とかじゃなくて、もう、本当にただ単純に笑ってる。ゲラゲラ笑ってる。流石に気味悪くて、うるさいよ!と、立ち止まって怒鳴ったんだ。
そしたら、突然シーンと静まり返って、後ろから友人の声で俺の名前を呼ぶ声が聞こえたんだ。そして、それと同時に俺の肩に手が置かれた。

535 本当にあった怖い名無し New! 2009/03/31(火) 05:43:57 ID:Gu3fBjaLO
それだけなら何の不思議も無い。ただ友人達がふざけただけだと言い切れる。でも違う。俺の肩におかれた手。肩だけじゃなかった。体中に無数の手が触れてた。
一列に並んで降りてるんだから、後ろにいる友人兄以外が俺に触れられるハズが無い。
俺は自分が今どういう状況に立たされてるかを初めて認識して、走り出した。
でも逃げ出す瞬間に、腰から下げてた懐中時計の鎖が階段の手すりに引っ掛かって、千切れて落としてしまったんだ。
祖父の形見の大切な懐中時計だったんだけど、そんなの捨て置いて走った。
俺が走る後ろから、俺を追いかけてくる足音が響いていて、怖くて死ぬかと思った。
怖かったけど走って走って、1階に着いて、扉を開けて外に出た。
駐車場の脇に出て、逃げ切ったと安心したら、涙が溢れてきた。
友人達は大丈夫だろうか、とか、あれはなんだったんだろう、とか、やばい小便ちびったとか。色々と考えてたら、俺が出てきた扉が開いて、友人達が出てきた。
友人達に駆け寄って、大丈夫だったか?って聞いたら、4人が笑いながら「大丈夫じゃないのはお前だろw」。
友人達の話によると、扉を開いて階段に出た瞬間、俺が狂ったように全力疾走しだしたらしい。

536 本当にあった怖い名無し New! 2009/03/31(火) 05:47:28 ID:Gu3fBjaLO
話を聞いて俺が唖然としていると、友人兄が俺に懐中時計を手渡した。「どこにあった?」と聞くと、「お前が走り出した瞬間、手すりに引っ掛けて落ちたよ」。
おかしい。全部おかしい。俺は階段を降り始めた時は走っていないし、懐中時計を落としたのは階段を降りて少し経った後だから、一階に落ちているハズがない。
でもそれは全部友人達との言い分と食い違う。
おかしいのは俺の頭なのか、友人達なのか。あるいは、もっと違う何かが絡んでいるのか。

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