Categories: 洒落怖

割り込む着信

この怖い話は約 2 分で読めます。

384 本当にあった怖い名無し sage 2011/09/12(月) 17:03:29.13 ID:FMqbxXJCO
「そんなことないはずです、が一応確認してみます。電話御願いできます?」
「はいよ」
先輩が発信すると、直ぐに俺の携帯が鳴る。そして携帯を開いた俺は、背筋が寒くなるのを感じる。ナンバーディスプレイに先輩の名前は無く、見知らぬ電話番号が表示されていたのだ。
「ほらやっぱり」
先輩は肩をすくめて笑うが、俺にはとてもそんな余裕は無かった。
俺と先輩が番号を交換したあの時、先輩が俺に電話をかけたあの時、得体の知れない誰かの着信に割り込まれた。そうとしか考えられない。
俺は、先輩だと思っていた誰かの番号をすぐさま消した。それでも不気味な後味の悪さは暫く消えなかった。
その数ヵ月後、先輩は交通事故で命を落とす。ガソリンに引火して車が炎上し、遺体は判別ができないほど損傷していたらしい。
事故とあの電話を安易に結びつけたくはない。それは蓋然的な思考だ。でもそう思ってしまう自分がいる。

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