Categories: 洒落怖

神様の箱

この怖い話は約 3 分で読めます。

それからちょっと経った頃、また庭にあの箱を見つけた
やっぱり庭の隅っこに置いてあり、今度も何となく目立たない場所にあるな、と思って中を覗き込んだ
またもや猫の死体が入ってて、今度もこの間と同じような状況
ぱっと見は綺麗に死んでるんだが、首らへんから大量に出血してそれが体中の毛にしみこんでる
刃物で切られたり、車にひかれたにしては妙な死に方だった
そんな光景を全部で4回見て、何となく気持ち悪いのでその子にお菓子はあげなくなった
見かければ声をかけるし、向こうもいつもの上目遣いで挨拶してくる普段どおりに戻った

379 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/06/03(金) 06:42:13.93 ID:3oOpNOK10
それからその子が小学校にあがることになり、酒屋の店主、おじいちゃんが庭でバーベキューをすることになった
自分は小さい頃から遊びに行ってたし、男の子とも顔見知りだから一緒にどうか、と誘われた
暗い庭で大人が火の回りで肉を焼いてる中、男の子は庭の隅であの箱の前でなにやらごそごそしてる
気味が悪くなってその子の母親に「あれ何ですか?」と聞いてみた
いわく、あの子がどこからか見つけてきた、絶対に触らせてくれない、勝手に触るとしばらく不機嫌になる
その程度のことしか知らないらしい
事実、庭にはあの子が植えたであろう植物がちらほらあるだけで、完全にあの子専用の遊び場になっている
昔このへん野良猫が多かったよね、ってそれとなく話を振ったら
「今はおじいちゃんが店番してるからあんまり寄り付かなくなったね」と帰ってきて死体の事は何も知らないみたいだった

ある程度お肉をご馳走になったあと、店主のおじちゃんに「おばちゃんに線香をあげても構わないか」と頼んだ
おじちゃんは嬉しそうに酒屋の奥、古いほうの家に案内してくれて仏間に通してくれた
線香をあげてお念仏したあと、おじちゃんが少しずつ話し出した
はじめは自分の妻に苦労をかけたこと、孫の自慢話で毎日のようにあの子がお線香をあげにくること
話を聞いてておかしいな、と思った おばあちゃんはあの箱にいるんじゃないのか?とwww
何も知らないんだろうなぁと半分ダメ元であの箱の話を振ったとたん、おじちゃんの顔が曇った
あれは昔、うちの酒屋の横にあった酒蔵の中にあったものだ 娘が家を建てるので跡地を片付ける時、あの子が持っていった
たぶん神棚のような使われ方をしていたが、中身については知らない、と教えてくれた
おいおい、ほんとに神様がいるのかよ、と寒気がしてそれ以上は追求しなかった
たぶんおじちゃんも可愛い孫が遊び道具にしてるものを無下に取り上げられないんだな、と推測したから
ご馳走になったことにお礼をして、男の子ともバイバイして家に帰った

男の子のお供えのお陰か、庭の植物はけっこうよく育っている ぬこカワイソス

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