Categories: 洒落怖

焼身自殺の現場

この怖い話は約 3 分で読めます。

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パチンコの新台入れ替えオープン前夜の話。
深夜0時頃、女友達さーやから「×の前で1人で並んでるんだけど、今暇?ちょっと、来てよ」とケータイに電話が入った。
×店は市街から少し離れてはいるが、大きな道に面していて深夜でも車通りがある。
「かっちゃんとさーや、一緒に並んでんじゃないの?」一緒に遊んでいた男友達ハルが不思議がっていた。
「さーやが1人なんて珍しいね。ちょっと、心配だわー」
そこで、ハルと私の二人でさーやの元へ向かった。
大学生四人の集団が×店の前で、座って話し込んでいる。
「すみません。女の子、ここに並んでませんでしたか?」
「あー。もしかして、ケータイで喋ってた子?」
「そうです」
「何か、この先にあるY店で並んでいる友達といったん合流するとか言って、行っちゃいましたよ~。止めたのに」
「Y店?」
「Y店も新台入れ替えオープンで、あっちの方がかなり並んでいるみたいっすよ~」

「でも、Y店はな・・・」
大学生達が目配せする。
「俺等、Y店には並べないので」
「ヤーさん系が多いとか?」とハルは冗談で大学生四人組をからかった。
「駐車場で、焼身自殺が起きて以来夜並んでいると人の臭いするんで」
「心霊とか、結構耐性あるけど。あれは無いですよ。結構、霊視ちゃう人居るみたいだし」
その時、ケータイが鳴った。さーやからメールだ。
Y店で、友達と合流したらしい。
着信がまた入る。
「もしもし、さーや?呼び出しておいて、勝手に移動するとか何なのさ?」
「Y店の友達が具合悪くなっちゃってさ」
「あー・・・思い出した。ケータイ、貸して」とハルが言うので、私はケータイを渡した。

319 ME ◆KCYjPGrG56 sage 2011/04/13(水) 14:49:33.74 ID:x3sgNdNO0

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ハルはこれから、Y店にさーやと友達・かっちゃんを迎えに行くことになったらしい。
「ME、御前霊とか視えるんなら、来ない方が良いぞ」と言われたが、X店に残るのも嫌だったのでついていくことにした。
Y店へ向かうと、人がずらーっと並んでいる。
その列の遠くで、黒いクズがもぞもぞ動いている。
「駐車場の方はあんまり見るな」
でも、気になる。
何だろう。
暗闇に浮かぶ、さらに真っ黒ないぼいぼの大福のような何か。
だんだん、真っ黒なものは大きくなっていく。
風は吹いていないのに、何か異臭がする。火葬場の臭いだ。
「お゛・・・お゛・・・お゛お゛お゛」
這ってこちら側に向かってきた何かがすっと立ち上がった。
真っ黒い人型がさっさっさっと足踏みをし始めた。
「ハル!」
私は恐怖のあまり、かっちゃんを介抱していたハルの所へ逃げようと猛ダッシュした。
「あ゛あ゛あ゛ーーーー」と後ろから叫び声が聞こえてくる。
ふと横を見ると真っ黒い人型が私を抜いてY店に並んでいる列へ突っ込んでいき、闇の中へまた消えていった。
かっちゃんにも視えていたらしく、失神していた。
さーやも、視えていなかったが漂う人の肉の燃えたような悪臭に具合が悪くなっていた。
ハル曰く、Y店駐車場で自殺か何かで人が死んだのは確かだそうだ。
しかし、なかなか死ねず燃えながら走り回ってもがいて死んだらしい。

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