Categories: 洒落怖

うさぎパン

この怖い話は約 2 分で読めます。

小さい頃の話。
母親にパン屋でうさぎパンを買ってもらった日の夕方。
昼寝をしてしまい、気がつくと玄関のチャイムが鳴っていた。
「パン屋のおじさんだよ。MEちゃんの好きなうさぎパンをたくさん焼いたんだ。開けてー」
玄関のドアに大きな袋を持った人影が映っていた。
「お金ないからいりません」
「タダだよー。一緒に食べよー」
「MEちゃん開けてよー」
ドンドンドンドン。

「MEちゃん悪い子だねー。うさぎパンあげないよ」
幼いながらも、ドアの向こうにいる人は変だとわかるのにどうすればいいかわからず泣いてしまった。
しばらくすると変な人影は消え、母親が追加の買い物にではらっていたのか帰ってきた。
結局家族には寝ぼけていたと思われ、自分もお化けにだまされそうになったと考え直して夜はぐっすり寝てしまった。
しかし、翌朝。
朝ごはんに食べようと買ってもらったはずのうさぎパンが消え、家の窓がひとつ割られて人が出入りした跡があった。
そして、郵便受けには手紙が入っていた。
自分は父親を「おとーさん」と呼んでいたから父親が自分に宛てて書いた手紙ではないとはっきりしている。
MEちゃんへ
こんどはぜったいにいっしょにうさぎパンたべよーね
またむかえにきます
まっててね
ぱぱより

bronco

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bronco

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