Categories: 洒落怖

ランドセル

この怖い話は約 3 分で読めます。

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今はジャ○コやイトヨー○ドーでもオリジナルのランドセル(色なんて選び放題だ)が手軽に買える。
小学校入学当時、幼馴染みのいっ君が買ってもらったランドセルについて投稿。
男子は黒、女子は赤というのがまだ多かった当時。
クラスに一人キャラメル色を背負って登校してきた女の子さっちゃんがいた。
無難な黒や赤も(ランドセル自体が)高かったため、
親にキャラメル色をねだれるのは校区でもさっちゃんくらいだったのかもしれない。
問題はたっ君の家に引っ越してきたお金持ちがさっちゃんファミリーだったという事。
お金持ちで、毎日スカートのさっちゃんは男子によくスカートめくりされていた。
他の女子も入学式日以降、めったにスカートなんてはかないお転婆ぞろい。
さっちゃんはプライドが高く、自分がクラスで一番偉いんだと言わんばかりにいじめの標的をころころ変えていた。

皆、さっちゃんに関わりたくないなーと思っていた矢先、クラス一物静かないっ君が標的になった。
発端はいっ君が一ヶ月もしないうちに、ランドセルを背負ってこなくなったからだ。
理由は「肩がこるから」とジジくさい事を言っていた。
でも、皆きっと他に何か理由があるというのは解かっていた。何となく。
さっちゃんはいっ君がランドセルを背負って来ない事を笑い、バカにして、いじめ始めた。

帰りの会の時、さっちゃんはいっ君がランドセルを背負ってこない事や
(ありもしない)いっ君がさっちゃんの物を盗む事、乱暴な事を暴露した。
まだ新任だったケイコ先生はいっ君を叱った。
すると、いっ君はにっこり笑ってこう言った。
「あれは僕のランドセルじゃ無い」
これには、皆いっ君を「嘘つき」だと思ってしまった。あんなに、新品のランドセルがお下がりのはずなわけない。

62 ME ◆KCYjPGrG56 sage 2011/04/05(火) 15:40:41.48 ID:s/wNHMjH0
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その後。ゴールデンウィーク中、大きな火事が近所であった。
放火ではなく、ガス事故だった。
小一はサイレンやその火を見て興奮するか、怖がるかのどちらかだ。
燃えた家は同じ小学校の上級生の家だった。
いっ君の家の近所だった事から皆、いっ君に話を詳しく聞こうとした。
それがおもしろくなかったさっちゃんは「いっ君が火をつけた」と騒ぎ出した。
それに対して、いっ君ははっきり答えた。
「あれは僕のランドセルじゃ無いよ。だから、昨日あげたんだ。全部、燃えちゃったから」
その時。
クラスの皆、いっ君が言いたくても言えなかった理由がやっと解かった。
いっ君はランドセルを買ってもらった当初から、背負わなくなる理由もあげることになるのも解かっていたのだ。
補足:「いっ君は火事でランドセルが使い物にならなくなった上級生に自身のランドセルをあげることを予知していた」
という事です。

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