Categories: 洒落怖

青白おやじ

この怖い話は約 3 分で読めます。

「お前、最近女拉致って殺した覚えある?」
「な、なんスかそれ、ないっスよ」
「だよな」
「当り前じゃないスか」
「そーだよな」
「勘弁してくださいよ」

804 本当にあった怖い名無し 2010/06/29(火) 00:55:36 ID:6xHvSwpo0
そういいながら俺はふと気づいた。後ろの車、さっきから全く距離が変わっていない。車幅からして多分軽自動車。
山道だから当然登り道、カーブも多い。なのに全く距離が変わらないって・・・。

と、当然後ろの車がハイビームに変え、加速をしだした。
一気に車間距離がつまる。完全にあおられている。いまにもぶつかりそうになった。
(なになに、何だこいつ??)眩しくってミラーが見にくい。ていうか前も見にくい。
(道を譲るか?)でも山道だ。しばらく行かないと車を止める場所なんてない。
「パーパー!パパパー!」
クラクションまで鳴らしてきやがった。俺だってそこそこスピードは出してる。そこまでされるいわれなんてない。
(ひょっとして、キ●ガイ?もしくは強盗?)
心臓の鼓動が速くなった。

「車とめろ」先輩が鋭く言った。
「でも、山道っスよ」
「早くしろ!」
しょうがない。俺はあおられながらそのまま減速した。不思議と後ろの車も同じように減速する。今にもあたりそうなのに・・・。
結局、2台はそのまま停車した。

806 本当にあった怖い名無し 2010/06/29(火) 01:20:18 ID:6xHvSwpo0
「話つけてくる、お前は車から出んな」
「は、はあ」
(【おまえも来い】とか言われなくてよかった)チキンなことを考えながらルームミラー越しに後ろの様子を見る。
眩しくてよくわからん。今頃乱闘でもしてるだろうか?先輩戻ってきたらダッシュしないと・・・。そう思いながら適当にルームミラーを調整する。

ガタガタやっているうちに、ふと後部座席が写った。
道具箱、資料を入れたファイルケース、小型の脚立・・現場回りの道具が雑然と積みあがっている。
・・そんなのにまぎれながら、「手」が見えた。
(え?)
「手」はミラーを動かしながら一瞬見えただけで、すぐに視界から外れる。(いまの、なに?)

ミラーを戻して確認すべきか?でも、ほんとに手だったらどうしよう?
ミラーをもったまましばし硬直する。と、ミラーの下側から、今度は見間違いのない、男の右手が写り込んだ。
座席の肩をゆっくりとつかむ。
やたらと筋張った、生気のない手、人形のような、いや、、、

死人のような、青白い手・・・

807 本当にあった怖い名無し 2010/06/29(火) 01:21:00 ID:6xHvSwpo0
能天気に「FANCASTIC」を流していたカーステが止まる。代わりに

【くうおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああ】

谷底から響いてくるような、声とも風ともつかない音が響いてきた。
ミラーの中では、座席の首のところからゆっくりと、今度は髪の毛のようなものが下から上がってくる。
(なにこれ?やばい、やばいヤバいヤバいヤバいヤバい)
心臓の音が耳元から聞こえる。脇の下から汗が垂れてきた。
逃げるよな、こっから逃げたほうがいいよな。

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