Categories: 洒落怖

変わり様

この怖い話は約 3 分で読めます。

私が中学生のころの話です。

私が住んでいた田舎の町には、ある新興宗教団体の本部があります。
御殿のような金ピカの趣味の悪い本部施設には、幹部格の信者とその家族が何十人か住んでいました。
信者たちは地元からはかなり浮いた存在でした。
信者の子どもたちは地元の小中学校に通っていました。
私は中学校に入学して、信者の子であるAちゃんという女の子と同じクラスになりました。

最初はちょっと近寄りがたいような気がしていましたが、話してみるとおっとりした普通の子でした。
信者の子ということでほかの同級生からは避けられていたので、友達は少なかったみたいですけど。

Aちゃんは夏休み明けから学校に来なくなりました。
私は少し心配していたのですが、担任曰く、信者の子にはありがちなことだそうです。
教団の学習施設みたいなところに通っている、という話も聞きました。

2年生に上がっても、Aちゃんは一度も学校に来ず、不登校状態のまま一年以上が経ちました。
3年生になって突然、Aちゃんが再び登校しはじめました。
1年半ぶりに見るAちゃんは、1年生のころのとろーんとした雰囲気が消えて、
背筋がしゃきっとしていて、真面目っぽい雰囲気が漂っていました。
ずいぶん変わったなぁと思い驚きましたが、学校に来ない間も元気に過ごしていたようで良かった、とそのときは思ったのです。
でもだんだんAちゃんに違和感をもつようになりました。

717 本当にあった怖い名無し sage 2010/06/27(日) 14:42:36 ID:9mH7JlGp0
太縁メガネをかけているところは同じなのですが、よく見ると顔形が私の記憶と違います。
3年生のAちゃんの方がどうみても美人です。
それからAちゃんの成績が極端に悪い、ということを知りました。
1年のころもテストの点の見せ合いなどしていたのですが、そのときは中の上くらいだったはずです。
ところが3年ではテストはほぼ白紙、軒並み10点前後で、優等生然とした雰囲気とは裏腹に学年最下位レベルになっていました。
「学校に行っていなかったから・・・」と彼女は言ったのですが、それにしてもここまで悪くなってしまうものなのかと思いました。
決定的だったのが、Aちゃんの話すことがパターン化していたことです。
とにかく同じ話を何回もします。「就職の就っていう漢字を書くのが苦手なの」とか。
「その話は前に聞いたよ」と言うと、「そうだったかなぁ?覚えてないよぉ」と返すのもいつもまったく同じで、気味が悪かったです。

718 本当にあった怖い名無し sage 2010/06/27(日) 14:43:40 ID:9mH7JlGp0
思い切って担任にそれとなく話してみました。
どうも今のAちゃんは前のAちゃんと違うような気がすると。
てっきり笑い飛ばされると思ったのですが担任は「○○さんはそう思うんだねー」などととぼけたようなことを言っていました。

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