Categories: 洒落怖

カナちゃんのメッセージ

この怖い話は約 3 分で読めます。

130 : 神楽 : 2012/05/19(土) 10:40:45.17 ID:WXB1IZmD0
その翌日、昼頃に公園に行くとカナちゃんはベンチに座っていた。
「こんにちは」
と互いに挨拶を交わし、また砂遊び。
遊びの時間は不思議である。あっという間に時間が過ぎてしまう。
夕方になった時に買い物から帰宅する母を見かけた。
この公園の先には商店街に続く道があるのだ。
「お母さーん」
俺は母に駆け寄り、今までにない巨大富士山とタワーにトンネルを織り交ぜた海上都市を見せたかった。
「あら、神楽。今日はカナちゃんとは遊んでないの?」
「えっ!?カナちゃんと遊んでいるよ。今までずっと作って・・・」
振り返るとカナちゃんはいなかった。
「あれ?おかしいな。カナちゃん帰っちゃったのかな・・・隠れているのかも!」
と茂みを探してみたが、見当たらない。
「・・・もう遅いから帰りましょ、神楽。夜ご飯のお手伝いして」
「えーやだー」

131 : 神楽 : 2012/05/19(土) 10:41:45.84 ID:WXB1IZmD0
その日の夜、俺は原因不明の高熱にうなされた。
40℃を超えていたらしい。
うなされながら、「カナちゃん・・・カナちゃん・・・」
と名前を呼び続け苦しむ俺。
そんな時、父と母は俺の体の上に白い球体が浮かんでいたのが見えたらしい。
父と母は必死に叫んでいた。
「神楽を連れて行かないで!お願い!」
「香奈のこと忘れたことなんて一度もない!頼む!神楽だけは・・・」
俺には姉がいたらしいのだ。初めての子供で女の子が産まれるとわかってから、
既に『香奈』と名前をつけてお腹に呼びかけていたそうだ。俺も驚いたが。
いよいよ出産となった時に姉は死産だったらしい。
しばらくは母がとても落ち込んでしまい、今のように明るいおばちゃんが不思議と思えるくらいだが、
なんとか元気を取り戻した時に俺が産まれたというわけ。
どうりで俺は大事にされてた感があるな、と感じた。

132 : 神楽 : 2012/05/19(土) 10:42:35.90 ID:WXB1IZmD0
次の日の夕飯、俺は食欲も出てきてカレーを食べていた。
「カナちゃん、夢の中で言ってたよ。
『お母さん、お父さん、産んでくれてありがとう』って。
『またお母さんのお父さんの子供になりたい』だって」
それを聞いた母は声を出して泣き出した。
「ありがとう」「ごめんね」を繰り返して・・・
父は涙を流しながら、しかし、ぐっと堪えるように無言でカレーを食べ続けた。

~後日談~
大人になってから母に聞いた話だが、俺の熱が下がった日は姉の誕生日かつ命日だったそうだ。
どうやら俺は姉に助けられたらしい。確かに怖い感覚はなかった記憶がある。
そして翌年・・・妹が産まれた。
どことなくカナちゃんに似ているのは気のせいだろうか。
笑った顔がそっくりだった。

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