この怖い話は約 2 分で読めます。

夢の中、祖父が河原を歩いていると両目の無い男が現れ、顔を鷲づかみにし

「カツサダぁ、眼ェ返せ」

と祖父の右眼をえぐり取っていった。
そんな夢だ。
その時期から爺さんは白内障を患い始め、半年の間に右目は失明してしまった。
生前祖父の白く濁った右眼を何度も見ているので周知であった。

「『両目の無い男』って言うたよね。ウチの夢では片方あったんやけど」

愚問だった。
婆さんは当然のごとく

「そりゃ片一方は爺さんの眼だぁな、目ぇ覚めるに男が
「次は左眼を返してもらう」
て言うたんだと」

「○○(私の名前)には悪いことをしたがぁ、両目が揃えばもうアレも出ぇへんやろう」

私は震えが止まらなかった。
視界が真っ暗になり左眼の痛みと共に目覚める瞬間、あの男は確かに私にこう囁いたのだ

「次は耳を返してもらう」
と。
きっとまた夢の中にあの男は出てくるんだろう。
私の子供か、それとも孫の代か、今度は両目が揃った、耳の無いアイツが『眼』『耳』『鼻』『歯』『命』・・・
奪われたモノを全部取り返すまであの男は夢に出てくるんだろう。
カツサダの子孫を恨み続けるのだろう。

子孫?

「ハハ・・・ザマぁ見ろ!」

私は独り毒づく。

私は ゲイなんだ。

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