この怖い話は約 3 分で読めます。

しばらくして町に隻腕の男が現れる。
戦死したとされていたマレーナの夫だ。
マレーナを探す夫に町の人々は誰もあの私刑のことは教えない。
家も見知らぬ人に占領され、町の男たちには娼婦の夫として嘲笑される。
殴り倒された夫をレナートは助け起こし、手紙でマレーナの行き先を教えるとそそくさと去った。

674 : マレーナ : 2012/05/25(金) 16:49:32.70 ID:faUHSDPe0
一年後、夫はマレーナを伴って町に帰って来た。
人々は静まりかえり二人に道を開け、ひそひそと囁き合い観察する。
マレーナは心なしか猫背になりオドオドと常に暗い表情。
着ている服は特に洗練されてもおらず質素だった。
以前の彼女とは明らかに違っており、町の女たちと同じようだった。

後日市場で一人買い物をするマレーナを遠巻きに窺う女たち。
一人の女が思い切って名を呼ぶと、彼女はぼそっと挨拶を返した。
それを皮切りに町の人々は次々に彼女に挨拶を返し、ある人は売り物の品をただで彼女の買い物袋に突っ込んだ。
女たちの手のひらを返したような歓待をマレーナは硬い表情のまま受け続けた。
マレーナは町に溶け込み、女たちは彼女を受け入れた。

両手いっぱいの荷物を抱えてとぼとぼと帰路を歩くマレーナの手元からオレンジがごろごろ転がり落ちた。
荷物で手がふさがっていて困るマレーナにレナートはオレンジを拾い差し出す。
暗く硬い表情のまま礼を言い去っていく背中にレナートは「お幸せに」と声をかけた。
振り返り曖昧な表情で会釈をして立ち去る彼女をレナートはただ見つめていた。

おわり。

675 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/25(金) 17:29:45.15 ID:o7W4Hke50
乙。長いけど読みやすかった。
マレーナはそんな酷い町でも、結局そこに帰るしかなかったのか、
と思うとちと切ない。

676 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/25(金) 17:30:58.10 ID:DG5XUNza0
不細工ならこんなことにはならなかったのに。

677 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/25(金) 18:03:21.34 ID:XSs3Schv0
つべで探した。モニカ・ベルッチかあ・・納得。
道歩くだけでボッキ少年達に囲まれハァハァ。可哀想・・。最後は旦那さんと幸せ
だから良かったんだな。後味悪くないな。

自分も凄い美少女の友人いたけど、変なストーカーとかつくし
工場や掃除婦として頭巾被って隠れた仕事ばっかりしてたわ・・綺麗過ぎるのも
不幸なのかもね。年取っておばさんになってから幸せそう。

678 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/25(金) 18:21:10.35 ID:i92TZBNp0
本人の器以上の才能は身を滅ぼすと言うことか…
この場合美貌も才能の範疇と言うことで

Page: 1 2 3

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

6年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

6年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

6年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

6年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

6年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

6年 ago